みちのく潮風トレイル(1)

ようやくスタート地点に立つ

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東京ではゴールデンウィーク期間が三度の緊急事態宣言下となりどこにも行けないので、宣言明けの楽しみにと外出自粛してみちのく潮風トレイルの全線踏破の計画を立てるも、緊急事態宣言は更に延長されてなかなかスタート地点に立つことができませんでした。
それでも6月20日にようやく宣言が解除されるとその2週間後、新宿から深夜バスと電車を乗り継いでようやくスタート地点である相馬市の松川浦環境公園に立つことができました。

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松川浦環境公園は小さな公園ですが、入り口には東日本大震災に津波を被り枯れてしまった木を使った、チェーンソーやトーテムポールが出迎えてくれます。

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公園から一度南下し宇多川沿いを相馬市内に向かいますが、この辺りは令和元年(2019年)の台風19号で大きな被害を受けたそうで今なお大規模な護岸工事が続いており、通行可能ルートが変更となっているので最新情報を事前に確認しておくことをお薦めします。

相馬中村神社、中村城跡

しばらく進むと相馬市内に入っていきます。今回の旅で決めたことの一つに、トレイルに指定されたルートを淡々と辿るのではなく、気になるところやここはという場所は寄ることにしました。なのでこの連載ではトレイル上にはないスポットも時々登場するかも知れません。

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中村城跡内にある相馬神社。中村城の歴史は古く、元は平安時代の蝦夷征伐にまで遡るのだそうです。

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こちらが相馬家が代々の氏神様で相馬の野馬追いでも有名な相馬中村神社。私が参拝した時は職人さんが境内でしめ縄を結っているところで(写真は撮りませんでした)、なかなかお目にかかれない仕事を見せてもらったのですが、長い縄を引っ張りながら結っているその先にルートがあることに気づかず神社を出てしまい少しルートミスをしてしまいました。

ここからはしばらくのんびりとした田園地帯が続き新地町に入ると内陸にコースを変えて鹿狼山へと向かいます。

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鹿狼山はすっぽり雲の中

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これから行く先々でお世話になる道標。
上部にそれぞれ進行方向が示されていて分かり易いです。

鹿狼山を登る

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鹿狼山は標高430mとそれほど高くはないのですが、晴れると山頂からは蔵王連峰から太平洋まで見渡せるらしいのですがこの日はあいにく雲の中。
景色は望めませんでしたが、霧の中の登山道は神秘的で少しひんやりとして気持ちよかったです。

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向こう側に蔵王連峰を始めとした東北の山々が望めるはずですが・・・

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これは思わず駆け下りたくなるトレイル

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峠に出て降りていくと、分かりにくいけど遠くに海が見えてきました。海から遠い山からは海が見えるのに、海に近づけば近づくほど防潮堤で海が見えなくなるのは少し複雑な気持ちになります。

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途中、福田諏訪神社の前を通ったら石の鳥居が崩壊していました。まだ何の補修も行われていないところを見ると今年2月の福島沖地震によるものでしょうか。新地町は震度6の大きな揺れだったようで、途中道路下の水道管が壊れて陥没している場所が幾つかあって地震の怖さを改めて感じました。

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みちのく潮風トレイルでは途中幾つかの震災遺構も通ります。旧中浜小学校では過去の教訓から嵩上げした場所に建てられていたため、生徒や先生たちは屋上に逃れて何とか助かったそうですが、建物の屋上近くに示された津波の到達点を実際に見ると本当に生きた心地がしなかったと思うし、教室の向こう側に広がる荒涼とした風景はなんとも悲しい気持ちにさせられます。
震災で起きた出来事やそこで得た教訓は忘れてはいけないですね。

この辺りの海岸沿いの道路も日々工事が進んでいて、今回も環境省のマップやGPXデータともルートが変わっている箇所があります。見通しは良いので迷うことはないと思いますが大型ダンプや重機が行き交うエリアなので、地図を鵜呑みにせず安全な道を選んで進んで行ってほしいと思います。

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海岸沿いの道を離れ内陸に少し入って国道6号線をしばらく進むと、トレイルは更に内陸に向かいます。深山山麓少年の森の脇から深山、四方山、黒森山と12km程の低山ハイクセクションに入るのですが、予定より時間がかかってしまい暗くなってきたので今日の行程はここまでとします。

<DATA>

■DATA BOOK上の本日の行程と距離(NoBo):松川浦環境公園ターミナル(0.00km)〜鹿狼山〜深山山麓少年の森(50.25km) 50.25km(寄り道含む実測65.0km)
■歩行累計:50.25km/1053.34km
■活動時間:11時間(7:30〜18:30)

●本日の一枚(鹿狼山登山途中の雲の中)

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