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RIZIN初心者さんでもわかる!RIZINバンタム級ジャパンGPまとめ(RIZIN.28編)【今より格闘技が1,33倍くらい面白くなる記事】



*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている場合があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
 またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合が嗚呼rます。予めご了承ください。


①はじめに

 今回のこの記事ですが全3回に分けてRIZINバンタム級ジャパンGPの選手紹介や解説を行っていこうと思っています。そしてこの記事では「RIZIN.28」出場選手版です。そしてこの記事では技術的な解説はあまり入れず選手のストーリーや特徴を中心に紹介させていただいています。その理由は技術的な解説よりも選手のストーリーや人間的な魅力を伝えたほうが格闘技初心者さんでもとっつきやすいかと考えたからです。(そこに関しての意見はコメントなどで頂けると嬉しいです。次からの記事の参考にします。)
 


②選手紹介&試合の見どころ

壱 朝倉海 『革命のアウトサイダー』

 172㎝ 16勝3敗(10ko 3sub 3判定)
 元RIZINバンタム級王者 
 言わずと知れた本GP優勝候補筆頭。必殺の右ストレートを武器にKOを量産し、「RIZIN.18」で当時RIZIN&Bellator二冠王者堀口恭二に衝撃のジャイアントキリングを達成。しかし「RIZIN.20」で行われた王座決定戦ではマネル・ケイプにTKO負け。その後「RIZIN.23」で扇久保博正に1RTKO勝利で王座に就くが、その王座は「RIZIN.26」で堀口恭二に1RKOで負けて失ってしまう。このGPで優勝し堀口へのリベンジと世界への選出を掲げている。

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弐 渡部修斗 『必殺!マジカルチョーク』

 170cm  23勝5敗6分(2ko 13sub 6判定 1その他(相手の反則により勝利)
 初代Fiting NEXUSバンタム級王者
 まさに唯一無二の必殺技である。23勝のうち13勝が一本勝ち、その中11勝がリアネイキッドチョークというとてつもない決定力を持っている。前戦は「RIZIN.27」で格上とされる田丸匠に2R逆転のマジカルチョークを極め勝利の雄叫びを上げる。今回の朝倉海戦では人生を変えるジャイアントキリングを狙う。

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試合の見どころ
 非常に対照的な2人である。片や元RIZINチャンプ、YouTubeでも莫大な成功をおさめ今や日本格闘技の顔の1人である。片やインディーズ団体で勝利を重ねようやく日の目を浴びたと思ったら強敵続きのハードコースが続く。しかしこの2人の戦績を見るといくつか共通点がある。
・高い試合決定率(朝倉・・・約80% 渡部・・・約65%)
・インディーズ団体のチャンピオン(朝倉・・・初代THEOUTSIDER55-60㎏王者者 渡部・・・初代Fiting NEXUSバンタム級王者)
・実績的に圧倒的な格上の相手との対戦(朝倉・・・vs堀口恭二「RIZIN.18」 渡部・・・vs朝倉海「RIZIN.28」)
 ただ朝倉はあの日の堀口のように圧倒的格上として挑まれる立場になる。対戦相手はあの日の自分のようにこの戦いに人生の全てをかけたハングリーなヤツ。こういう相手が一番恐ろしいことを皮肉にもそのことを彼は知っている。格闘技の神様がこの戦いにどのような結末を用意するのか!!その決着の瞬間から目を離すな!!


参 石渡伸太郎 『RIZIN男塾塾長』

 169㎝ 26勝8敗4分(9ko 2sub 15判定) 
 第2代キング・オブ・パンクラシスト
 われらが塾長が一年半ぶりにリングへ帰ってくる。「RIZIN.20」での扇久保博正との激闘後首のヘルニアで約1年半の長期戦線離脱をするも、今回のGPで復活を遂げる。必殺の左フックや佐々木憂流迦戦で見せたグラウンドの攻防の強さも魅力だが、やはり一番の魅力は相手が優勝候補だろうと自身が長期欠場後の復帰戦だろうとアツい試合を見せてくれること間違いなしのその漢気だろう。塾長の魂の講義はいつだって僕らの心をつかんで離さない。

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肆 井上直樹 『摩天楼からのハリケーン』

 173㎝ 15勝2敗(10sub 5判定)  
 日本人最年少(当時19歳)UFC契約ファイター
 もう彼の実力を表すには旋風では足りないだろう。リーチと正確性を武器としたジャブと左右のステップワーク、決定力の高い寝技を武器にRIZIN参戦。初戦ではトレント・ガーダムを相手にハイレベルな技術と戦略を見せて完勝。続く「RIZIN.22」で渡部修斗を、「RIZIN.26」では元DEEP2階級チャンピオン元谷友貴を1Rバックチョークで仕留め確かな実力をアピールした。もう一人の優勝候補であるハリケーンの進撃を誰が止めるのか。

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試合の見どころ
 このどちらかが一回戦で消えるとはにわかに信じがたい。1年半ほど前にこのカードが組まれていたら「日本バンタム級トップの1人の石渡に新星井上が大物喰いを狙う!」という謳い文句になっていただろう。
 しかし石渡がケガで欠場を余儀なくされたこの1年半で井上はRIZINで存在感を強めGP参加選手最年少でありながら今や優勝候補に名を連ねている。もはやこのカードは「優勝候補井上に歴戦の戦士石渡はどう勝負するのか!」とみられてもおかしくないほどに両選手の実力は拮抗している。だがこの現状に一番怒っているのは石渡本人である。インタビューや雑誌の記事で井上との試合について「ナメられている、簡単に勝てると思われている。」と怒りをあらわにしている。
 塾長が優勝候補をブッ飛ばして東京ドームで大復活を遂げるのか!ハリケーンの暴風がすべてをなぎ倒すのか!いずれにしてもこの時点で名勝負であることは間違いない。


伍 元谷友貴 『DEEP最高傑作』

 170㎝ 27勝9敗(6ko 12sub 9判定)
 初代&第3代DEEPフライ級王者 第7代バンタム級王者
 もはやお馴染み北陸のサブミッションファンタジスタ。数々の試合でその独創的なサブミッションで観客を魅了する。大みそかのRIZIN.26」では1R一本負けをしたが前戦の「DEEP」では朝倉海の盟友昇侍を1Rリアネイキッドチョークで完勝しGP参加権をつかむ。井上直樹や扇久保博正、堀口恭二といった選手へのリベンジ、そして自分を育ててくれたDEEPを背負ってGP制覇へと向かう。

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陸 岡田遼 『修斗工学教授』

 172㎝ 17勝4敗3分(6ko 2sub 9判定)
 第11代修斗世界バンタム級王者
 斗いの王がついにRIZIN初参戦。修斗一筋でキャリアを積み重ねてGP参加者の倉本一真を2R左フックでのKO勝利し念願の修斗王座に就くと、その防衛線で元DEEP2階級チャンピオン大塚隆史を圧勝して防衛する。特筆すべきはその経歴で千葉大学大学院修士課程を修めたバリバリのインテリである。日本最強を決める舞台で修斗最強を己が実力で証明できるか。

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試合の見どころ
 交わることのなかったツワモノ同士の戦いである。元谷は「DEEP」、岡田は「修斗」でチャンピオンにまでなった看板選手であるが、元谷はRIZINに継続参戦しているのに対して岡田は今回がRIZIN初参戦だ。しかしその実力は本物で才気煥発な頭脳から弾き出されるクレバーな戦略は相手選手の強みを封じて完封する王者のスタイルであるが、今回の相手は自身のキャリアでも過去最強の相手元谷である。北陸で技を磨き続け独自の進化を遂げたガラパゴス系グラップラーは常にフィニッシュを狙うアグレッシブなスタイルで、ある意味岡田とは真逆のスタイルである。
 ひらめきサブミッションか!理詰めのプロフェッサーか!DEEP対修斗の団体のプライドをかけた頂上決戦が幕を開ける。


漆 扇久保博正 『打・投・極・根性』

 160㎝ 21勝5敗(1ko 6sub 14判定)
 元修斗フェザー級&フライ級王者
 RIZIN名勝負請負人。日本バンタム級には欠かせない存在であり、最近は自身のYouTubeチャンネル「おぎちゃんねる」でユーモアあふれる企画を行いファンに意外な一面を見せている。しかしその実力はすさまじく修斗2階級制覇、TUF(UFCが行っているリアリティーショー。UFC契約をかけて世界中から王者が集まり共同生活をしながらトーナメントを行う。詳しくはおぎちゃんねる再生リスト「TUF24」をご覧ください。)

https://www.youtube.com/watch?v=7NyaCnLDu8U&list=PLgbLmEzc6gCRJ7Hyl016czILjB1jN7vPx
を日本人で唯一参戦し現UFCフライ級トップランカーを含むトーナメントで準優勝するという快挙を成し遂げた。
 よどみなく連結された打投極と何度倒れても決してあきらめないド根性を武器にGPを制覇して自身最大の宿敵堀口恭二に挑戦できるか。

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捌 春日井”寒天”たけし 『岐阜県恵那市の寒天キング』

 168㎝ 26勝7敗(2ko 15sub 9判定)
 HEATフライ級&バンタム級王者
 イロモノファイターと侮ることなかれ。そのリングネームやパフォーマンスに目を取られるが実力は折り紙付き。過去には扇久保と対戦して接戦までもつれ込んだほどの実力である。現在はHEATとパンクラスを主戦場に据えHEATでは史上初の2階級制覇を成し遂げた。スクランブルな試合展開とその中で極めるチョーク、そして最後まであきらめないド根性がが最大の武器である。ちなみにリングネームの「寒天」の由来は、出身地の岐阜県恵那市山中町の名産品であり自身も観光大使を務めている。

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試合の見どころ
 この2人実は雰囲気や試合展開、長年の夢が挫折したことがあるなど非常に共通点の多い選手である。
 扇久保は修斗2階級制覇、TUF準優勝など輝かしい実績があるがその背景は決して順風満帆ではない。修斗の初防衛戦で当時修斗最高傑作と謳われた堀口恭二に敗北。その後挑んだTUFでもUFCからは声はかからず、帰国後には子供もいた当時の妻から離縁状を突き付けられてしまった。人生を取り戻すために挑んだRIZINでは堀口戦でまた敗北。バンタム級四天王相手に2連勝も王者ケイプはUFCに行き、王座決定戦では朝倉海に1Rko負けと最後に掴み切れないでいた。
 春日井もまた挫折を知っているファイターである。いままで日の目は浴びなかったが確かな実力で長年の夢であったUFC契約まであと1歩といったものの、当時のUFCフライ級は人気のなさから解散危機があり春日井はそのあおりを受け自身最大のチャンスを掴み切れなかった。
 敗北も挫折もした男たちだがあきらめることだけはしなかった。今回の大会でも一般的に見たら注目度は低いかもしれないが、おそらくこの二人の魂と根性丸出しの試合は見ている者を一番感動させるかもしれない。



③おわりに

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 長々とお付き合いありがとうございました。今回のような選手の裏側や人間模様に興味がある人はRIZINのYouTubeチャンネルで出されている「RIZIN CONFESSIONS」を見てください!RIZINの煽りVを制作している佐藤映像が制作しているので試合前に気分をブチ上げるのにはもってこいです! 

https://www.youtube.com/watch?v=iTXazC8LHaw&list=PLDYcW74an50APQl7nyW53AyQrs9OujX5Z
 

 「RIZIN.28」はほかにも良い試合が多く全試合メイン級のとんでもない大会となっております。さらに今回は6月13日20:00からフジテレビ生中継込み放送されます。
 18年ぶりの東京ドームでの格闘技をこの記事を読んでいる皆さんもぜひその目で見てください!
 ここまで読んでいただきありがとうございます!!


 

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