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レビー小体型認知症が気を付けるべき薬

レビー小体型認知症(レビー小体病)には、「薬剤過敏性」といって
薬が効きすぎる(普通は出ない強い副作用が出やすい・少量でよく効く)
という特徴があります。

これは、一番注意しなければいけないことです。
(よく知らずに処方薬や市販薬で苦しむ方は、珍しくないので。)


下の文章は、医師向けの本からの引用なので、少し難しいですが、
薬を飲み始めて、何か気になる変化があれば、
「この本にはこう書いてあるようなのですが、どうでしょうか?」と
主治医と、冷静に相談してみてください。
自分の判断で勝手に薬をやめるのは危険なので、よく話し合いを。

(  )内の薬の商品名は、私が入れました。

・・・・・・・本からの引用・・・・・・・

DLB(レビー小体型認知症)には薬剤過敏性がある?

薬剤投与の初回には、ごく少量を処方し、その後も十分な注意が必要。
DLBは、薬物に対する過敏性がある。

DLBは、アセチルコリンだけでなく、ドパミン機能も低下しているため、
ドパミン受容体を遮断する抗精神病薬
制吐薬(メトクロプラミドやドンペリドン)を使用すると、
過鎮静、意識障害、パーキンソン症状、嚥下障害、自律神経症状
などが生じる。

2020年よりハロペリドールスルピリド(ドグマチール)などの
定型抗精神病薬は、禁忌となり
非定型抗精神病薬のペロスピロン(ルーラン)および
ブロナンセリン(ロナセン)は、慎重投与となった。

また、ドパミン作動薬(パーキンソン病の治療薬)α遮断薬(前立腺肥大の治療薬など)
にも過敏性を示し、起立性低血圧や失神が生じる。

抗認知症薬でもメマンチン(メマリー)を使用すると
傾眠や食欲低下が生じやすい。

その他、抗コリン薬、風邪薬、胃腸薬(ガスターなど)
過活動膀胱治療薬などに対しても、容易に副作用が出現する。

薬剤を投与するときは、患者や家族に過敏反応を示す可能性を伝え、
初回はごく少量を数日間処方し、その後も副作用の出現に注意する.
 
出典【編著:松浦雅人 『内科医のための認知症のBPSD(行動・心理症状)への向精神薬の使い方』 診断と治療社。2022年発行。p29】

下の写真は、内門大丈医師監修『レビー小体型認知症 正しい基礎知識とケア』から。


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