お笑いライブ感想雑記 (2020.10)

記憶に基づいた個人の感想です。
ふわっと読んでもらえるとうれしいです。

2020年10月11日（日）
おおみや若手寄席 その壱
出演は、マヂカルラブリー、オズワルド、うるとらブギーズ、ダイタク、GAG、コロコロチキチキペッパーズ、すゑひろがりず。
オープニングトークもなく、ノンストップで漫才やコントといったネタのみ。
おいしいごちそうが詰まった、豪華幕の内弁当のような寄席だった。おもしろかった。
うるとらブギーズのコントは、笑いながらも生のお芝居の迫力に感動してしまった。
コロチキは「人気のテレビタレントさん」のイメージだったけれど、漫才が圧巻。
後半早口でどんどん畳み掛けていくところは職人技だった。むちゃくちゃ笑った。
初のすゑひろがりず。テレビでみるよりも、ずんぐりちんまりとしてかわいらしい。
ふたつ並んだどんぐりみたいなシルエット。生で聴く小鼓の音は意外と高い。
声がものすごく通っていて、弓なりになって落ちてくる。ガチの伝統芸能の人のようで、それがさらにおかしくてたまらない。
踊りたくない芸人の三島さん、漫才中にアドリブでちょっと踊る。ぎこちないカチカチのチューチュートレインで、ぐるぐるしながら南條さんを煽る。笑った。
テレビで見るネタよりも、その場限りのアドリブのようなかけあいが多くて「目の前でおもしろいことが起こっている」という、特別感があって、たまらなかった。
すゑひろがりずは大トリ。幕が閉じる最後の瞬間まで、南條さんが、ちょこまか動き回りながら、客席に向かってぽぽぽぽん、と小鼓を打ってくれていて、じーんとした。
こんな感覚を味わえるのもライブならでは。
併設の売店では、お土産をアホほど買った。

2020年10月25日（日）
おおみや差しライブ～すゑひろがりず・うるとらブギーズ編～
オープニングトーク、ネタ、企画ゲーム。
うるブギのコントは、やはりお芝居をみているようで、ぐっと物語に引き込まれる。引き込まれるからこそ、ばかばかしい急展開に、涙が出るほど笑ってしまう。
崇博さんに、すゑひろがりずからの、なんか歌ってくださいよ、というフリ。客席拍手。
崇博さんが、袖からマイギターを持ってきて「キャパシティオーバーよろめきマイハート」のフレーズを歌うと、客席さらに拍手。われんばかりの拍手。それに対して「いや、そんな大層なやつじゃないねん！これ！」とつっこむ南條さん。
「めちゃめちゃ気持ちいい！」と崇博さん。
観客を含めた、すごく楽しいやりとりの流れだった。この場にいられてよかった。
崇博さん、このためだけにわざわざ大宮までギター持ってきてくれたんだな、と思うと、なんだかうれしい。

おおみや差しライブ～すゑひろがりず・ネルソンズ編～
オープニングトーク、ネタ、企画ゲーム。
三島さんが、ずっとにこにこしている。
三島さんが、親しい芸人仲間に見せる、目尻を下げたやわらかな表情と、ちょっと照れたような話し方が、とても好きだ。
お人柄がいいんだろうな、と感じる。
舞台転換で暗転して、企画コーナーにうつるとき、暗いステージに向けて目をこらすと、企画コーナーに向けて待機している芸人さんの様子が見える。フリップを持ったり、着物の襟を直したり、となりの相手に話しかけている様子が、うっすらと見える。
そんなところを見ると、普段ではみられないバックヤードの部分を、のぞき見したような気持ちになって、ちょっとドキドキする。
この日の「YouTubeにありそうなサムネイルを即興で撮っておもしろかったほうの勝ち」という企画が、本当におもしろかった。
ネルソンズ、まんじゅうさん岸さんのチームには「天才高校生に火星が大接近！」というお題が。お題を聞いてすぐ、袖に移動して、さん、に、いち、で撮影したものが、舞台のスクリーンに映し出される。
そこには、火星の画像を背景に、かけているめがねの位置を直しつつ、なにかしらの距離を推測するように、人差し指をつき出すまんじゅうさんと、脳内で緻密な計算でもしているかのように、こめかみに手を添えて一点を見つめる岸さんの姿があった。
むちゃくちゃ笑った。妙に冷静な顔が余計にじわじわ来る。涙が出た。でも、わたしたち以上に、ステージの南條さんが爆笑していたのが印象的だった。もう、床に倒れ込んで、身体を折り曲げてげらげら笑っていた。
ああ、この時間がずっと続けばいいのに、と思うほど、心から楽しくて、満たされた時間だった。即興で、こんなにおもしろい時間と空気感を作ることができるなんて、芸人さんの「芸」ってすごいな、と感じた。
例のサムネイル、大宮ラクーンよしもと劇場のInstagramアカウントでも公開されているので、興味のある方はぜひ。