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第1868回 ヒヨドリとムクドリが似ているって

①https://tonton-animals.com/hiyodori-mukudori/より引用の左がヒヨドリ(体長約27㌢)と右がムクドリ(体長約24㌢)

   以前にも紹介いたしました①の写真のヒヨドリムクドリはよく似ているといわれますが、街や住宅街でもよく見るムクドリヒヨドリ。身近な存在である二種の鳥ですが、似ているためにたびたび混同されてしまうこともあるとされます。まずは大きさですが、ムクドリが体長24㌢ほどに対して、ヒヨドリは27.5㌢ほど。比べてみると、大きさはずいぶんと違います。鳴き声も❶  ヒヨドリは「ヒーヨ、ヒーヨ」❷  ムクドリは「ギヤー、ギヤー、ギュル、ギュル」歩き方も❶  ホッピング   ❷ ウォーキング、また基本的には❶  単独行動  ❷  集団行動  食べ物はどちらも主食は木の実や果物、昆虫などを食べます。しかしヒヨドリは花の蜜など甘いものに目がありません。また繁殖も❶  繁殖期は、初夏から秋にかけて。5〜9月頃になります。卵の色は薄いピンクで、赤っぽい斑点があり、3〜5個産卵。ヒナの特徴口の中が赤くなっています。❷  春から夏にかけて。3〜7月の間になります。卵は薄い青緑。4〜7個産卵し、ヒナは産毛が生えてくると全体的に黒っぽく、口を開けた時の中が黄色いのが特徴。これらの違いが二種にあります。

②-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/hirahiraeriri/entry-11551224288.htmlより引用のヒヨドリの巣

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   あまり鳥のことを存じ上げない人にすれば、ヒヨドリムクドリが似ていて、どちらがヒヨドリムクドリかわからないとよく聞きます。先日も職場の中の植え込みに鳥のヒナ(幼鳥)がいるからなんの鳥か見てほしいと要請され、その現場に出向くと、②-1.のような山茶花にその鳥の巣があり、その枝にヒヨドリの幼鳥が親鳥が運んでくる餌を待っていたんでしょう。山茶花は2、3㍍くらいの低木で、一般家庭にも植えられるよくある低木です。その巣は高さ1.5㍍くらいのところに作られていました。よくもまあこんなに低いところなら、野良猫でも跳び上がれそうです。巣はヒヨドリの身体に対しては小型の巣を作る習性があります。

②-2.https://shuriya.info/14117/より引用のムクドリの巣

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   ヒヨドリに似ているとされますムクドリの巣は穴の中に巣を作る習性があります。 この穴というのは、木にできる空洞です。 例えば木が腐ってできた隙間や、キツツキなどの別の鳥が作った木の穴になります。 外敵から卵を守るため、こうした隠れやすいところを好んで巣を作るのが、ムクドリという鳥です。この②-2.の写真もちょっとした樹間の見えにくいところに作られた営巣です。しかし、面白いところはスズメのように民家の戸袋という隙間に作る隠れてそうな、そうでないような…

③https://blog.goo.ne.jp/nob-matsu/e/d25d10ab97b2e2b3e50fb6003990f447より引用のキャベツを食い荒らすヒヨドリ

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   鳥は空を飛ぶため、体重を軽くする必要があり、
飛ぶためのエネルギーが必要で、エネルギー効率の高い餌である動物や蜜などを利用します。その甘いもの好きのヒヨドリは1970年ごろからキャベツなどの農作物を、ヒヨドリの群れが食害され、ヒヨドリは群れないはずという疑問が起きます。それはヒヨドリにはふた通りの生き方があり、留鳥として生息する種と、北海道や東北地方の北方の寒冷地に生息する種は漂鳥となり国内での渡りを行います。つまり食害の発生した地域は比較的に温暖地で、一時期に渡り途中の漂鳥ヒヨドリの仕業であります。北方から南下してきた漂鳥は、本来の生活の場である林には、留鳥の個体群がすでにいるために入り込むことができず、仕方なく畑で農作物を食い荒らします。意外な事実です。

④https://s.webry.info/sp/50397971.at.webry.info/201504/article_1.htmlより引用の害虫を駆除するムクドリ

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   ヒヨドリが食害を引き起こすのに対して、ムクドリは農作物の害虫を食べる益鳥とされていました。ムクドリ一家で、112万匹食べ、百万円以上の利益をもたらす「農林鳥」と称えられていました。また柑橘類に多く含まれるショ糖をブドウ糖と果糖に加水分解する酵素を持たないので、柑橘類は食べません。冬の葉菜類では特にキャベツかショ糖の濃度が高くなり、ヒヨドリは好んで食べますが、ムクドリは食べません。こういう所がヒヨドリムクドリの大きな違いだと思います。

⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/sasatto.jp/article/special/niceview_kitakyushu/entry-800.html/tpl/amp.htmlより引用の漂鳥ヒヨドリの渡り

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   普段は単独行動のヒヨドリと、正反対に集団行動が多いムクドリは①の項の紹介通りに歩き方も、飛び方、食性なども違うとこだらけなのですが、こと集まるということでは一致したところがあります。③の項でもお伝え致しましたように、ヒヨドリの生息にはふた通りあり、留鳥と漂鳥がいるわけです。ヒヨドリハヤブサに襲われないように、水面すれすれを飛びます。秋の渡りは千羽以上といわれますが、春の帰りの渡りは大群ではなさそうです。私たちの近くで、今の種より白っぽい個体がいましたら、漂鳥の個体だと思います。

⑤-2.YouTubeより引用のねぐら入りするムクドリの群れ

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   同じく集合するといっても、渡りとは限りません。ヒヨドリと同じく群れになることは同じのムクドリは渡りではなく、ねぐら入りに集まるのです。ムクドリと言えば、初夏以降夕暮れどきになると大群が駅前の街路樹に集まり、大きな鳴き声の騒音や糞害が非常に社会問題ともなりました。初夏から秋にかけてねぐら入りする時に⑤-2.の写真のように約千羽から数万羽が群れをなして集まります。この現象は晩秋になると収まるといいます。またムクドリも漂鳥するのかもしれません。

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