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上海ロックダウン4〜食料不足〜

上海西側エリアがロックダウンされて今日で9日目となりました。僕なんてまだまだ短い方で、そろそろ30日の大台に乗ってきた中国人がちらほら出てきました。

日本でも連日報道されるようになってきたのでニュースなどで見ている方も多いかと思います。なんでこんなことなってんの!?はこの記事とYou Tubeの解説が分かりやすかったので貼っておきます。記事の内容はこのエントリーの最後にも貼り付けておきます。いつでも影響を受けるのは一般の市民ですね。

今日は日本でもよく報道されている食料不足の話。

冒頭の通り既に隔離生活が30日にも及ぶ人が出てきている状況なので、問題になるのが食料です。ロックダウン最初は政府から食料の配給もあったのですが、あとはほとんど無いようです。実際僕もロックダウン初日に野菜が届きましたが、その後は何も無いです。。。(写真は初日に政府から届いた物資、エビの調理に失敗したのが悔やまれる泣)

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いずれにしても食料の問題は、この先このような生活がどれくらい続くか読めない上海に暮らす人たちにとって、今「最も緊急かつ重要」な問題なんです。

少し前のエントリーに書いたのですが、僕の住む小区には13棟のマンションが建っていて、だいたい1,200世帯くらいが暮らしていると思われます。メインは中国人ですが、僕のように日本人や欧米人も多く住んでいます。

そんな大きな規模の小区なので、小区の中にひとつ商店があります。(以降は商店と記載します)大きさは日本のコンビニくらいで、値段は一般に比べると少し高いですが、日本の食材や野菜、お菓子からカップ麺、酒までなんでも揃うまさにコンビニのような立ち位置のお店になっています。

僕は今一人で生活しているので、とてもありがたい存在でよく利用していました。ロックダウンになる直前もこの商店でカップ麺やら卵やら野菜やらを買っていました。繰り返しになりますが、コンビニくらいの大きさなので商品数は限られます。値段が高いこともあり、中国人の多くはロックダウン前は小区の外の大手スーパーで安く大量に食材を買いこんできていました。(もちろん現在はロックダウン中なのでどちらでも購入できず)

そんな状況の中、昨日「その商店が再開する!」という大ニュースが飛び込んできました!!!


ここで少し中国のSNSについて。中国では、一般的に通話/チャットアプリはテンセント社のWeChatが使われています。日本で言うLINEですね。機能はほぼ同等なのですが、さすがデジタル先進国、WeChatの方が拡張性が高く驚かされる毎日です。個人的な感触ですが、中国人の99.5%のチャットはこのWe Chatで行われていると思います、それくらい国民的です。

で、このWeChatに対する中国人のバリアは非常に低いです。どんな低さかというと、それこそ泊まったホテルのフロントで「XXXという観光名所に行きたいのですが」と聞くと「では私とWeChat交換しましょう、詳細情報をそちらにお送りします」という流れとなって、お互いの連絡先を交換したりします。ビジネスでも、名刺を持っていないけど、代わりに会議終了後に「私とWeChat交換しましょう」と言ってくることもよくあります。それくらい頻繁に交換します。

そしてもうひとつ特徴的な使い方が「グループ」です。LINEでも、例えば「家族グループ」やら「バンドグループ」やら、特定の仲間でグループトークをしていると思うのですが、中国人はとにかくこのグループを駆使します。

何かあればすぐ「グループを作りましょう」「グループに招待しますのでその中で情報見てみてください」となり、僕自身もそれはそれはたくさんのグループに入っています。

そしてこのグループ、上限が500人になっています。これを多いと見るか少ないと見るかは人によると思いますが、とにかく上限MAXは500人なんですね。

で、話を戻すとそう!「うちのマンションの小区の中にあるあの商店が再開する!」と。そんな情報が入ってきたんです。情報が投げ込まれたのは僕が住んでいるマンションの「棟のグループ」(メンバーは外国人のみで60人くらいです)で、そこにマンションの管理人が情報として投げ込んだんです。

「皆さん、とても良いニュースです!今日からあの商店が営業再開ですよ!!!詳しくは商店グループが新しく作られたので、ここに入ってね!」

と。もう一度書きましょう。

「皆さん、とても良いニュースです!今日からあの商店が営業再開ですよ!!!詳しくは商店グループが新しく作られたので、ここに入ってね!」

と。

はい、どうなるか想像できますよね。

もちろん僕も「きたー!!!!」となって、速攻そのグループに入りました。僕は気づくのが早かったので256人目くらいのメンバーでした。それでも256人目です。だってうちのマンション、13棟1200家族住んでますから!

そしてグループのメンバーは、もうみるみる増えていきます。1秒毎に10人くらい増えていく。そしてあっという間に上限の500人に到達。笑

はい、もちろん何が起こったかというと想像の通りです。上限である500人が、一斉に在庫確認と注文し始めました。


「牛乳と野菜ありますか!?8号棟6XX室です!」

「食用油と肉が欲しい」

「俺はシャンプーがなくなったんだけどどの種類があるか写真送ってくれ!」

「トイレットペーパーなくなた!!マジで困ってる!助けて!」

「卵がない!あと電池もない!」


などなどなどなどなどなど。

出てくる出てくる出てくる出てくる。


もう、タイムラインが「ずーーーーーーーっと」アクティブで、携帯が壊れてしまうのでは、というくらいバイブし続けていました。

爆笑しながら流れていくタイムラインを眺めながら、あぁ、本当にたくさんの人が生活していて、それぞれにぞれぞれの形があって、同じ人なんていないし皆必要なものは違うんだなぁ、としみじみなってしまいました。

あ、僕はもちろん僕もアクションしました。「ビール(キリン)とカレー粉をお願いします!!!」と書き込んだのですが、ものすごい勢いで遥か彼方へ流れ去って行きました。笑

中国は毎日こんなことばかり起こってます。笑

で、どうなったの!?は、また次回にでも!


<上にLINKを貼った記事です、今中国と上海で何がおこっているのかがよく分かります>

ウィズコロナ 上海の挫折 ゼロ望む習政権、圧力か
2500万人都市の封鎖が実質継続
「自宅の食料備蓄が不足しているのに、政府から一向に配給が来ない」。上海市郊外の宝山区に住む会社員、張晨星さんは先の見えない都市封鎖(ロックダウン)に不安を隠さない。市西部の外出禁止は当初予定の5日午前3時(日本時間同4時)を過ぎても解除されず、都市封鎖は事実上継続となった。新型コロナウイルスとの共生を志向する「ウィズコロナ」を模索してきた中国最大の経済都市、上海市の防疫政策が習近平(シー・ジンピン)指導部の圧力に抗しきれず挫折した。3月28日に始めた東西を二分した都市封鎖では感染拡大を抑え込めず、約2500万人が住む市内の大部分で事実上の延長を余儀なくされたのだ。工場生産や物流は混乱し、大学など学校は軒並み休校が続く。外国人駐在員の帰国も難しくなっている。新型コロナの震源地、2020年の湖北省武漢市を上回る中国最大規模の都市封鎖の先行きは見通せなくなっている。
欧米流の防疫
上海市政府は「ウィズコロナ」派の張文宏氏(復旦大学付属華山医院感染科主任)をコロナ医療専門家チームのトップとし、最小限のコストで最大限の効果を目指す欧米流の防疫政策を試行錯誤してきた。上海市のコロナ対策は、中国の基本的なゼロコロナ政策とは違っていた。春節(旧正月)前の1月に市内の紅茶店で感染が発覚した際は、近隣地域も含めて行動を制限する中国の防疫政策の慣例に反して同店のみをリスク地域に指定。「中国史上最小のリスク地域」と話題になった。3月28日に始めた都市封鎖も市内を2地区に分け、いったんは全面封鎖を回避しようとした。"緩い"防疫政策の旗振り役が張氏だった。
張氏は21年夏に江蘇省南京市で感染が拡大したとき「世界の大多数の専門家が『このウイルスとの共存を学ばなければならない』と考えている」「世界がいかにウイルスと共存するか、各国はそれぞれ回答を見いだしている」などと中国のSNS(交流サイト)、微博(ウェイボ)に書き込んだ。これに元衛生相の高強氏が共産党機関紙、人民日報系ネットメディアで「新型コロナウイルスとの共生は絶対不可だ」と強く批判するなど国内で大きな論争となった。それでも上海市は張氏を専門家チームから罷免せず、コロナ対策の司令塔を任せ続けた。張氏は3月25日の記者会見でも「都市封鎖ではなく、大規模なPCR検査が必要」などと述べていた。こうした決断の背景には、国際経済都市としての地位を揺るがせたくないという上海市の思いがある。「上海市は上海市民だけの上海市ではない。(都市封鎖は)中国経済だけでなく、世界経済にさえ影響を与えかねない」。3月26日、専門家チームの委員を務める呉凡氏(復旦大学上海医学院副院長)は記者会見で都市封鎖を強く否定した。上海市が都市封鎖に踏み切るわずか2日前の出来事だった。
北京から「懸念」
だが、首都である北京からみる景色は大きく異なった。「習総書記の重要な指示を貫徹せよ」。2日、国務院(政府)は衛生政策を担当する孫春蘭副首相を上海市に派遣した。孫氏は習総書記の「懸念」を幹部に伝えたという。「懸念」の具体的な内容は明らかになっていないが、ゼロコロナ政策を堅持してきた習指導部内に上海市への不安と不満が生じていたことは間違いない。5年に1度の最重要イベントである共産党大会を今秋に控え、習氏は異例の3期目入りを視野に入れる。コロナ感染が上海から全国に広がり、要人が執務する北京の「中南海」にまで到達すれば、政治の混乱につながりかねない。上海市トップの李強党委員会書記は今秋の共産党大会で副首相など最高指導部入りがささやかれる大物だ。上海市が目指したウィズコロナ戦略の挫折は、中国の政治動向をも不透明にしている。

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