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上海ロックダウン5〜集団購買〜

前回のエントリーでうちのマンション敷地内(小区)にある商店の話をしました。WeChatグループの中で自由に注文や在庫確認がされてしまったことで大混乱になってしまった、というあれです。

今日はその後の話を書きたいと思います。

次に何が起こったか、というと「簡易的な応募フォーマット」がでてきました。テンセントのWeChatには「ミニプログラム」というアプリ内アプリが装備されていて、通常アプリ同様なさまざまなアプリを、割と簡単に作れてしまうんです。商店のあたふた感を見た心ある中国人が、早速「注文フォーム」を作ってくれたみたいです。うん、これなら受けては全て同じ定型フォーマットで注文を管理することができて機能しそうだ!

そう思い、早速注文してみました。自分の棟番号と部屋番号、電話番号を記載して、欲しいものを書いておきます。

ビール5本、カレー粉、チョコレート3つ、日本のインスタントラーメン2つ

まだ野菜はあるし、一人暮らしなのでまずは無難に購入できそうなものを注文してみました。で、待ちます。待ちます。待ちます。いくら待っても返答がない!!!!

後で考えたのですが、これはこれで良いのですが、これを受けたお店側は注文一軒一軒に対して電話番号をWeChat登録し、これで良いか?全部でいくらになります、お金を払ってください、をやらなければいけなくなります。しかも商店の店員恐らく2人 vs 相手は1,200世帯。。。届くわけないよな、、、と思ったのでした。

そしてその後に立ち上がったのが表題の「共同購買」です。今上海の至る所でこれが行われています。

今、上海は2,600万人の住民ほぼ全員がロックダウンで家にいます。多くの人が食料に不安を感じています。でも問題は食料が不足していることではなくて、それを運ぶ「人手」が足りていないことなんです。日本では「エッセンシャルワーカー」として、人々の生活インフラに直結するような方には特別な対応をしています。

今回の上海のロックダウンは、そういった視点を一切持たずに(もしくは持てずに)実行されています、だから物はあっても届かない、という状況になってしまっているのです。

そうだとするとどうすればいよいか。物流の効率化を図るしかなくて、その場合は「多品種を、多くのところに、ニーズに合わせて少しずつ」という日常のサービスを、「小品種を、特定の場所に、1回で大量に」と変える必要が出てきます。

このような背景から、それこそ業務用卸のような売り方、届け方が主流となり、それを小区内の応募者で分け与える、という流れができてきています。

先ほどの我が小区の商店でいえば、「明日、りんごが50箱届きます、1箱24個入っていてXXX元です、欲しい人はこのグループノートに部屋番号を書いてください、早い物順で50人でSTOPします」といった具合に進化しました。

このシステムが始まってから「明日入荷の野菜詰め合わせセット、1室1つまでで100個限定XXX元」が毎日のように出てくるようになり、食料に対してかなり安心感が出てきました。

昨日グループWeChat見ていておもしろかったのは、商店から「皆さーん!!!お待たせしました!卵入りましたよー!!!420元(約8,000円)で360個入りです!!!」というアナウンスがあったことでしょうか。さすがに「多すぎる!」「1年分かよ!」などツッコミが入りまくっていました。笑

ただ、これも買いたい人はいるわけで、瞬く間に完売していました。そして買った人も360個の卵はさすがに多すぎるので、マンションの各棟のWeChatグループの中で「卵買ったけど、さすがに多すぎるから36個で42元で欲しい方いませんか!?」などと投げかけ、人から人へ少しずつ手渡されていました。

うちのマンションは中国人、日本人、欧米人の住民が混ざっているので、中国語、英語、日本語がチャットの中で飛び交いながら、それぞれに助け合っている感じがあり、癒されました。

そしてこうなってくると、マズローの欲求5段階に合わせて、少しずつ進化していくのが我々人間。お腹いっぱい食べたい、ちょっとでも豊かな生活を送りたい。人の役に立ちたい。自己表現したい。

「私の友人がイタリアンレストランをやっていて、そこから業務用で特別に仕入れできることになりました!パスタ、トマトソース、オリーブオイル、生ハム、などなど」の特別セットを仕入れることができます!20セットからオーダーできますけど、欲しい方いませんかー!?!?」のようなお誘いも頂けるようになってきました。

もちろん「はい!」といろいろなところで手を上げさせてもらっています。共同購買なので到着には少し時間がかかるみたいですが、来週が楽しみです。

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