#65 使い勝手のわからない引き出し

私は昨年から研究室に所属しており、学生には一人ずつに座席が与えられる。座席には椅子とデスクがある。椅子はパソコン室で見られるようなタイプで、背もたれや座面が布クッション生地で脚部にはローラーがついておりクルクル回転することができる椅子となっている。デスクの面積は比較的大きく、小中学校での教室で見られた担任が利用している机や職員室で先生たちの席に備えられている仕事机と全く同じものだと思われる。

大きな机が与えられさぞかし便利なように思われるが、実際そのまま使うとなると不十分な面が大きく自分で収納スペースを用意する必要がある。机上は十分に広いが収納が少ない。昨年は座席に備えられたデスクの足下にある大きめの引き出しを持った棚に自分の道具を敷き詰めていたが、今年のデスクには大きめの棚がなく、机のすぐ裏に広くて浅い引き出しのみが備えられている。

この浅い引き出しは何に使うことができるのかがわからない。本当に浅いから書類以外のものは入れられない。4cmほどの厚さしか持たないため、少し分厚めの本すらも収納することができない。

ドラえもんに出てくる勉強机の引き出しを開ければタイムスリップができるような広い空間に出ることができる。その引き出し自体は私が使っている研究室デスク真裏の引き出しと同じくらい浅いが、引き出しの中には4次元空間が広がっているという空間の大小の対比が強調されている気がする。ドラえもんの4次元ポケットもそうで、あのポケットを外側から見ると小さなポケットだが中にはたくさんの秘密道具が敷き詰められているという空間的イメージのギャップがある。

現実でも浅い引き出しの中に大きな空間が広がっていればよいが、そうはいかない。いくら見ても狭い空間が広がっている。外から見ても内側を見ても浅くて狭い収納ならないほうがよいのではとも思う。

あの浅さで存在する引き出しはどのような経緯でつけようと思ったのだろうか。誰が言い出したのであろうか。何もないよりはつけた方が作業机っぽくなるから飾りとしてつけているのであろうか。それなら納得である。なぜなら、あの引き出しに実用性を全く感じないからである。書類を入れるのには用かもしれないが、平面方向に広く、引き出しの中全体を利用しようとすると必ず手が届かない箇所が発生する。厚さがないから引き出しを十分にひかないと奥まで手が届かない。かといって手が届くところだけに書類をしまうと奥の空間が余ってしまうのが気になってしまう。

そもそも、なんであのタイプのデスクは重量が大きいのだろうか。最近ではノートパソコンを利用することが多く積載重量はそこまで負担しないのにデスクの自重を上げる必要はあるのか。大掃除するときに大変だというも思う。

そもそもパソコンがあれば十分だから座席は必要ないのか。

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