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【校正2】校正作業にデジタルツールを使ってみる

校正の勉強をしたくて通信講座を始めたものの、それだけではあまりフォローできないと感じている分野があります。
それは、校正作業のデジタル化

DX化ではない、今更のデジタル化(笑)。
オンラインではない通信講座という性格上、仕方ない面もあるので、ここは自力で模索です。

実務で校正作業をする時、原稿はWordで出てくるので、Wordの校閲機能をオンにして、検索・置換機能を使い校正します。

私が受講している校正実務講座でも「デジタル時代の校正」という小冊子で、この一括置換機能を使ったばかりに発生する誤植について触れ、注意を促しています。

それも非常に分かります。目で1つ1つ確認しないままの一括置換は危険。
修正してはいけない箇所まで修正してしまう。

一方で、デジタル化って、校正作業にプラスになることだってあるのでは?と思うのです。
(今どき、そんなの当然と言われそうなんですが、校正実務講座ではデジタル化をあまりポジティブに捉えてなさそうで。正直、ここは引っかかるところです)

業務効率上、置換機能を使うこと自体は誰も否定できないはず。
また、少なくとも私は、目視だけで表記の揺れを漏れなく発見する自信はありません。
時間の短縮はもちろん、校正の正確性を上げるメリットも感じます。

Wordは、他にも日本語としておかしい表現に波線を付けてくれるので、その恩恵は素直に受けたい(例えば、「~たり」を単独で使うと波線が付きます。「~たり」は「~たり」で受けることになっているから)。

デジタルツールといえば、校正ソフトを使うこともあります。
私が業務で使っているのは、JUSTSYSTEM社のJust Right! Pro6のgovernment版。
https://www.justsystems.com/jp/products/justright/

「公用文モード」なるものがあり、公務員広報で基本としている公用文の用法でチェックしてくれるので、公的機関の刊行物の校正作業には向いています(もちろん、広報だけでなく、本来の目的であろう公文書の表記チェックも)。

これも目視では発見しづらい誤植を見つけてくれます。
私が経験した例だと、「比べる」が「比較べる」になっているのを引っかけてくれたり。
表記の揺れも網羅してくれたり。

とはいえ、目視でないと確認できないものもあります。
章タイトルが目次と本文で合ってるかどうか。
私が担当する学術誌だと、本文で引用された文献が末尾の参考文献リストにちゃんと掲載されているか。
こういう引き合わせが必要なものは、デジタルに頼れない(少なくとも現時点では)。

「今、何をどうチェックしたいのか」によって、デジタルとアナログどちらが適切か変わってくると思います。
そして、どんな校正でも最終的に目視で確認は必要です。

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