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どうぶつを飼う前に考えておきたいこと・後編

前回は、ライフスタイルのこと、時間的・空間的・経済的な余裕のこと、飼い主さんの健康のことについて考えてみました。今日はその続きです。

病気やけがをしたら

病気やけがをしたときに連れて行く病院も、どうぶつの種類によっては探すのに大変苦労します。全ての獣医さんが、全ての動物種を診られるわけではないからです。

獣医さんも、人間の病院と同じように「皮膚科」「眼科」など専門科に分かれている場合があるのみならず、動物種による専門科に分かれていることがあります。ねこ専門病院があったり、エキゾチックアニマルの専門病院があったりします。また、最近はわんちゃんのように愛らしいミニブタさんや、草取り部隊を兼ねたペットとして人気のヤギさんなど、家畜種を飼い始める人も増えているようです。こういった家畜種を診てもらうには、牧場のどうぶつを診る専門の獣医さんを探す必要があります。

また、動物病院での診察や治療には、人間の医療費よりずっとお金がかかってしまうということを、ありかじめ理解しておきましょう。人間には、社会保障制度としての健康保険がありますが、もちろんどうぶつにはそれがなく、飼い主さんの経済的負担はかなり大きくなります。
どうぶつの医療保険も各社から出ていますので、上手に利用するのもひとつの方法です。

介護も想定して

人間と同様、どうぶつもとても長生きするようになっています。一説によると、昭和58年の調査では、犬の平均寿命は7.5歳だったものが、平成26年には14.17歳になっているとか。実に倍近く、平均寿命が伸びているのです。

長寿・高齢化すれば、出てくるのはもちろん介護の問題です。人間と同じように、認知症もあります。食事の介助が必要になることもありますし、足腰も弱くなり、寝たきりになることだってあります。
そんなときに、自宅で介護ができるのか、預ける施設が近くにあるのかなど、必ず訪れる老いの問題についても、あらかじめよく考えておく必要があるでしょう。

どうぶつが亡くなったら…

人間でも「終活」が勧められている昨今ですが、どうぶつでも考えておいたほうが良いでしょう。
犬や猫などが亡くなったときには、いくつか方法があります。飼い主さんの考え方に合わせて納得いく方法でお別れできれば良いと思います。

・どうぶつの葬儀を行なっているお寺やペット葬祭業者に依頼する(葬儀・火葬を行う)
・どうぶつの火葬業者に依頼し、お骨を引き取る(個別火葬のみ行う)
・火葬場などで、他のどうぶつと合同で火葬してもらう(合同火葬のみ行う)
・自身の所有地などに埋葬する

ただし、どうぶつ用の火葬炉はサイズが小さく、体重制限がある場合があり、大型犬などは断られることもあるので注意が必要です。

また、家畜種のペットどうぶつが亡くなったときは、ちょっと複雑です。
亡くなった家畜種のどうぶつは、「化製場法」という法律で定められている「死亡獣畜取扱場」でなければ焼却などができません。この許可を得ている火葬場なら火葬可能ですが、ペット用火葬場で該当する施設は少ないようです。また、こういった施設では、畜産農家と契約して受け入れを行なっている場合が多いため、一般家庭の飼育どうぶつを受け入れ可能である施設をみつけるのが難しいのです。

どうぶつの種類によっては、飼い始める前から「終活」をしておく必要があると言えそうです。


他にもまだまだ「どうぶつを飼う前に考えておきたいこと」はありそうですが、ひとまず、ここまで。飼う前にしっかり考えたら、次は「どこから迎えるか」ですが、それはまた別の機会に。

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