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APDを診断するには?

前回は、私の実体験について書きました。ここからは、本当にAPDなのか確かめるにはどうしたらよいのかについてまとめてみます。

APDの診断法は発展途上

APDの診断や関連する聴覚機能の評価のために、両耳分離聴検査や圧縮語音聴取検査などをセットとしてまとめたAuditory Processing Test(APT)という検査セットが開発されているものの、この検査をすれば他の原因と区別できるというわけではありません。

感音性難聴や伝音性難聴の診断には、必要な検査も明確で(純音聴力検査)、診断基準も明確になっています。しかし、APD にはそのような検査方法も診断基準も、まだ存在していないのです。

他に疾患が潜んでいないか?

APDが疑われる場合、別の疾患が潜んでいないかどうかをよく調べることが大切です。これは、APDがあるかないかを診断するためではなく、他に薬物治療や教育的介入により改善するような疾患が潜んでいれば、それらの治療を優先することでAPDの症状も改善する可能性があるからです。

《潜んでいる可能性のある疾患》
・ ANSD(Auditory Neuropathy Spectrum Disorder)
・ASD や ADHD などの発達障害
・脳梗塞などの器質的脳疾患
・ Landau―Kleffner 症候群(LKS)※

※LKS は、言語能力が急速に失われる、小児児童でまれにみられる病態。抗てんかん薬が病状の進行を和らげることもある。

APDの診察ができる病院は…

APDは耳自体ではなく、脳や神経に要因がある障害ですが、実際に診察を受ける場合、APDについて対応している耳鼻科を受診することになります。APDに対応しているのは、通常、大学付属病院などの診療科目の多い病院か、難聴について診察可能である耳鼻科です。これらの病院では、言語聴覚士が常勤している場合が多いため、その観点から病院を探してみるのも一つの方法です。

なお、言語聴覚士とは、Speech-Language-Hearing Therapistのことで、「ST」と略されます。言語によるコミュニケーションに問題がある方を検査・訓練・助言などを通じて支援する専門職で、失語症、聴覚障害、言語発達の遅れ、声や発音の障害など対象は多岐に渡り、医療、福祉、教育など様々な分野で活躍してらっしゃるそうです。

APDについて診察ができる病院は、かなり限られています。私の住んでいる県の場合、県内にAPDを診断できる病院はありません。それどころか、地方単位で探しても、対応できる病院がないようです。APDが新しい概念の障害であるため、あまり周知されておらず、対応についても浸透していないということのようです。診断可能な病院が遠方にしかなく、受診が難しい場合には、まずは近所の受診できる耳鼻科などで、感音性難聴や伝音性難聴などがないかどうかだけでも検査を受けてみるのが現実的な選択肢と言えそうです。




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