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APDの背景や要因とは

APDと発達障害

APDを持つ大人でも子どもでも、半数以上に発達障害があり、日常生活上に聴覚以外のなんらかの症状を抱えている例が多いといいます。

● 発達障害
自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)、注意欠如・多動(ADHD)など

ASDでは、中枢神経での統合作用が弱いとされており、入力された情報を仕分けにくいため、これが聴覚情報処理にも影響していると考えられています。
また、ADHDでは注意の集中、持続などに障害がみられ、これがさまざまな感覚での知覚・認知に影響を及ぼしており、以前から、APDと症状が似ているといわれていました。

音声言語医学 56(4), 301-307, 2015
「聴覚情報処理障害(auditory processing disorders, APD)の評価と支援」

しかしながら、APDがみられたとしても、必ずしもこれらの発達障害があるとは限りません。

APDと関連するその他の要因

また、発達障害以外にも、精神疾患、心理的な問題など、さまざまな背景が存在する可能性があります。

● 心理的な問題
ストレス、うつ、適応障害、睡眠障害 など

● その他の問題
認知的な偏り(記憶の働きが弱い、不注意傾向 など)、脳損傷、幼少期の言語環境、性格特性 など

APDと似た障害

背景の話とは少し離れますが、APDと大変よく似た症状が現れる障害について、追記しておきます。それは、「感音性難聴」と呼ばれるもので、APD同様、音は聞こえますが聞き取りが難しいという特徴があります。上のグラフ内にある「ANSD(聴神経障害スペクトラム障害)」も、感音性難聴のひとつです。 

APDと異なるのは、聞き取った音が反響するために、聞きづらくなる点です。そのため、言葉がかぶって聞こえたり、雑音が響いて言葉が聞き取れないなどの症状が現れます。

APDが脳の障害であるのに対し、感音性難聴は内耳系や聴神経の異常が原因とされています。
そのため、APDは脳神経科への受診、感音性難聴は耳鼻科への受診が必要となり、受診科が異なります。


今回は、APDの背景についてまとめました。
次回は、実際に私の実体験について書いてみたいと思っています。

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