見出し画像

『過去問〇周』なんて勉強はすぐにやめてください

ひぐらし坂の母でございます。

数年前に中学受験を終え、無事に開成中学に合格しました。
このnoteでは息子の中学受験を振り返り、親子のメンタルを最強にするための考え方をお伝えしています。

中学受験は究極的には【親子のメンタル】が重要です。
特に【母親のメンタルが9割】というのが私の持論です。
このnoteの基本姿勢はプロフィールをご覧ください。

さて。
いまだに過去問を何周もこなす勉強法を愚直に信じて勤しんでいるお子様がいるようです。
過去問周回することは、時間の無駄遣いなだけでなくむしろ害悪ですので、即座にやめることをおススメします。

同じ問題を何度もやる意味はない

過去問に限らずどんな問題でも同じことですが、同じ問題を何度も解くことにはまったく意味がありません
どうしても間違ったところが気になるようでしたら、一度は見直して解きなおしても良いとは思いますが、それ以上時間をかける必要はありません。

なぜなら、一度解いた問題はすでに記憶に残ってしまっているからです。
解き方を確認したあとならなおさらです。
一度解いて、解法を確認した問題を何度も解きなおすのは、記憶力の訓練、または手の運動にしかなりません。

記憶力というのは想像以上にしっかりした能力なので、本人が意識しなくてもかならず作用しています。
何度も同じ問題を解いて正解できるようになったのを、解法が身についたと勘違いすることが大きな問題となります。
1回目で解けなかった問題が2回目では解けた。
「これでこの問題を克服した!」などというのは大きな勘違い
それは単に問題や解答を記憶できていたということでしかないからです。

むしろ、2回目で満点取れないほうが問題です。
一度問題を見て、解答まで確認しているのに2回目で解けないなんて!
これは、記憶力にさえ問題があるということです。
でも大丈夫です。
大切なのは記憶力ではないからです。

重要なのは本質を理解すること

一昔前の合格体験記などには
「何度も問題を繰り返し解いて理解を深めた」だとか
「過去問を3周やりました」とか、私からみたらトンデモなことが書いてあるものがありました。

実際、こういう子たちが同じ問題を繰り返して力をつけたのは事実なのでしょう。
繰り返して問題を解くことが、こういう子たちにとっては有益だったのでしょう。
一つ一つのケースについて、全否定するわけではありません。
でもこれは、全員にあてはまる体験ではありません

同じ問題を解くことが有益なのは、一つの事柄から本質を見出せる能力のある子だけです。

簡単な例で書きます。
2+2=?
という問題がテストに出たとします。
2と2を足すから4なのだ、と足し算を理解します。
なので、次に2+2という式を見たときに「4」と答えられるようになります。

この時点では単に「2+2=4」という映像で記憶しているだけかもしれませんが、ひとまず一度見た問題を記憶している状態になっています。

ただし、この問題を解くときに本当に理解しなければならないのは、足し算の本質的な解法です。
なので「2+2=4」という映像を記憶しているだけでは、数字が変わった「4+4=?」という問題には対処できません。

何度も同じ問題を解いて実力がついた子というのは、一つの問題を解いてその本質を理解できた子なので、どんな問題についても解法が使えるようになっているということです。
これは、一般的には地頭の良い子ということになります。

こういう子は、「2+2」も「4+4」も「5+5」も「10+100」も、足し算という本質を理解できているから同じ問題として認識でき、解くことができます。
一を聞いて十を知るタイプということです。

もっと言うと、「2+?=4」といった変化球にも即座に対応できます。
本質を理解するというのはそういうことです。
サピックスα上位のクラスの子たちはこれができます。

しかしながら、ほとんどの子がこれがスムーズにできません。
それどころか、同じ問題を間違うことさえありますよね。
要するに記憶も不十分ということです。
なぜ記憶が不十分なのかというと、結局のところ本質を理解できていないからなのです。

こんな状態で、何周も同じ問題を解くことがいかにナンセンスかということがおわかりいただけるでしょう。
もしお子さんが一度解法・解答を確認したうえで、2回目に満点でなかった場合は本質を理解できていないということですから、周回学習なんかすぐにやめて、もっとスマートな学習方法を取るべきです。

初見の問題を数多く解くことがなにより効果的

そうは言っても何をどうしたら良いの・・・?と迷いが出てしまいますよね。
こういう時こそ塾の先生を活用するのです。
「このテストのこの問題を間違ったので、類題をください」
と教科担当の先生にお願いします。

親御さんが自分で準備できれば良いのですが、そもそも親が本質を理解できていなければトンチンカンなことに無駄な時間を割くことになりますので、プロにお任せするべきでしょう。

ここできちんと対処してくれない塾や先生ならばちょっと問題があります
大手の塾では人数が多くて手が回らないかもしれませんが、そういう時でもたとえば「このテキストのこのページの問題を解いてみてください」くらいのアドバイスは欲しいところです。

むしろ、偏差値50位以下のお子さんにこそこういうフォローが欲しいです。
トップクラスの子たちは自力で突破できてしまうことが多いのであまり心配ないといえば無いのです。
お子さまがつまづいていると感じる場合は、まずその問題の数値替えを解かせてみて、本質の理解ができているかを確認してみる。
そのあとはさらに発展的な類題を解かせてみます。
このときに与える問題には注意が必要で、間違った問題と本質的に同じ問題であること&同じ難易度であることが必須です。
この見極めが難しいので、プロにお任せするほうが無難というわけです。

初見の良質な問題を数多く解く。
そこから本質を理解する。
これがスマートな勉強法です。

何度も同じ問題を解くことは時間の無駄のみならず、本質の理解を妨げる害悪行為です。
もし今まで周回学習を子供に強いていたならば、即座に訂正してください。
一体、いつまで「過去問何周やった」という悪しき習慣がはびこり続けるのか・・・いまだにそれを意気揚々と自慢する風潮に愕然とします。

少なくともこのnoteをここまで読んでいただいた方だけは、もっとスマートで現代的で効果的な方法でお子様のサポートをしてあげてください。
こういう視点を持っていると、ヤバい塾を判断することもできますので一石二鳥ですね。

母親のマインドチェック

・我が子が本質を理解できているかを確認する
・同じ問題を解くのは時間の無駄どころか害悪
・数値替え、類題を数多く解く
・塾の先生を活用する
・フォローしてくれない塾は通う価値なし

この記事に「♡(すき!)」していただけると本当に嬉しいです!
フォローまでしてただけたら泣いて喜びます。


開成に進学後、次の目標に向かってがんばっている息子にサポートをお願いいたします♪