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絶対後悔しない志望校選びのマインド

ひぐらし坂の母でございます。

数年前に中学受験を終え、無事に開成中学に合格しました。
このnoteでは息子の中学受験を振り返り、親子のメンタルを最強にするための考え方をお伝えしています。

中学受験は究極的には【親子のメンタル】が重要だと思っています。
特に【母親のメンタルが9割】というのが私の持論です。
このnoteの基本姿勢はプロフィールをご覧ください。

さて。
いざ我が子の志望校を選ぶという段になって、さまざまな迷いが出てくると思います。
強いと思っていたのに意外に弱気だったり
自信なさげだったのに実は芯が強かったり
子どもは日々成長しつつも揺らいでいますし
親自身の価値観とも向き合わなければなりません。

後悔のない志望校選びのための考え方のヒントになれば嬉しいです。

なによりも大切なのは「一番行きたい学校」

「志望校」というくらいですから、それは自分が一番行きたい学校でなくてはなりません。
ここで素直に学校名が言える子は、基本的なメンタルが出来上がっていると思います。それだけで一安心です。

自分が行きたいという気持ちが大事なのに、「偏差値が足りないから」とか「自分には向いていないから」とか、なんだかんだと逃げの理由をつけて、結局のところ自分の行きたい学校をはっきり言えない子がいます。
まずは自分の願望を素直に言葉にできなければ現実はついてきません!

自分に自信がないとか、親の期待に応えられないと思い込んでいるとか、実は親の勧めている学校とは違う学校が希望だとか、いろいろなブロックがあるのかもしれません。
とにかくなにより大切なのは、子供自身が「本当はどこの学校に行きたいと思っているのか」ということです。
ここをしっかり確認して、親子で共有することが第一ステップです。

決して、無言の圧力で親の希望を押し付けたりしないでくださいね。

客観的に冷静に俯瞰してみなきゃダメ

行きたい学校があるといっても、闇雲にその学校を目指して頑張る!というのはナンセンスです。

客観的に、冷静に、俯瞰してみる目を忘れないようにしたいです。
これは塾の先生が適任です。
子どものことをよく知ってくれていて、いろいろな学校のことも知っていて、たくさんの子どもたちのデータもあって、すごい経験則があって、親子で信頼できる先生が良いと思います。

面談のときに思わぬアドバイスを受けることがあるかもしれませんが、反発せずにいったんきちんと受け入れることが大切だと思います。
先生の見る目、判断力は恐ろしく正確です。

ウチの場合、6月の段階で「開成が第一志望で問題ないでしょう。学風も合っているし、成績も仕上がると思います」と言われて気持ちが固まりました。
息子は開成にしか興味がありませんでしたし、私も夫も開成が大好きでしたから、三者の希望が早くに一致して向かう方向が定まったというのがなにより良かったと思っています。

併願校は秋以降に決めれば良いので、まずはゆるぎない第一志望校を絞り込み、塾の先生に客観的に判断してもらいましょう。
塾の先生からアドバイスを受けたらしっかり受け止めて検討すると良いと思います。

偏差値だけで決めちゃダメ

どこの塾にもある偏差値表。
自分の位置と志望校の位置が見える化できるのでめちゃくちゃ便利です。
しかしながら、この表にとらわれすぎると本質を見失います。
偏差値は学校の価値を判断する一つの材料にしかならないからです。
当たり前ですが、一つ一つの学校はすべて違います。
自分の子に合うかどうかはきちんと判断するべきです。

例えば開成と麻布は偏差値表では近い所にありますが、明らかに適性が違う学校です。
「開成にはちょっと届かないから麻布にしようかしら・・・」なんて言ってる親は学風を知らなすぎます。(実際そう言った人から相談を受けたことがありますw)
同じ【自由】という単語も、開成と麻布では解釈がちがいます
そのあたりのことは学校説明会や文化祭、実際に通学している人などから情報を得て、偏差値のような平面的な基準だけで割り切れない複合的な判断をしてみてください。

それと、見落としがちな意外なお得感のある学校があります。
女子の学校に多い印象です。
偏差値表では埋もれていても、実は有名大学への推薦枠がとても多い学校などです。
息子の同級生の女子が進学した学校がかなりお得感のある女子校でした。
私も不勉強で知らなかった学校ですが、よくよく聞いてみると素晴らしい学校だったのです。
(そもそも男児親は女子校のことをなーんも知らない!)

学校の実際のところは偏差値だけでは判断できない部分がとても多いので、塾の先生に幅広く選択肢を用意してもらうのも手だと思います。

なにより親が偏差値表に凝り固まらないことです!

ま、それでも偏差値の高い学校は個性も豊かで魅力的な学校が多いということは否めません(笑)

「お試し受験」なんて口が裂けても言っちゃダメ

世間一般的には2月1日が中学受験の本番なので、それより以前に入試が解禁される千葉や埼玉の学校を受けることを「お試し受験」なんて言う風潮があります。(あくまで関東の場合)

私はこの「お試し受験」という傲慢な言葉は、少なくとも絶対に子供の耳に入る範囲では言ってないけないと思っています。
そもそもお試し受験などという考えをなくすべきとさえ思っています。

なぜかというと、リスペクトが感じられないからです。

どんな学校にも建学の精神があります。
少なくともそのくらいは調べて、共感したところを受験すべきではないかと思っています。
それこそ偏差値だけで判断してはいけないということです。
我が子にとってはお試し受験校だとしても、そこの学校にどうしても行きたいと願い、第一志望にしている受験生は絶対にいます。
「受かっても行かないし」なんてうそぶきながら受験をするなんて傲慢だと思いませんか?

親が「ここはお試し受験だからね!」なんて言ってしまうと、子供は本当に舐めてかかります。
軽く見て痛い目に合ってプライドが傷ついてしまったら、2月1日までにベストな状態にもっていけますか?(逆境に強い子もいるのでむしろ燃える子もいるにはいますけど・・・)

「第一志望の学校よりもうんと偏差値が低いから楽勝!」とか
「まずはお試し受験で合格を手に入れてから、本番に挑む!」なんてことをよく目にしますけれども、実際、そういう気持ちで受験して落ちている子は想像以上にたくさんいますからね

軽く扱っていたからこそ、落ちたときのショックは大きいですよ。
1月にメンタルが崩れてしまって、肝心の2月1日までにリカバーできないことだって実際にたくさんあります。
塾で配布されたり、ネットでみかけたりする合格体験記は、合格者が書いているから強気なんです。
全落ちした子はそもそも合格体験記さえ書きませんから、苦い思いをした経験談をなかなか目にできないだけなんです。

何が起きてもおかしくない中学受験。
傲慢さが手痛いしっぺ返しになってくることも大いにありえます。
今日から「お試し受験」という言葉は少なくとも子供の前では封印してください。
「どこの学校に行っても素晴らしい中学生活があるよ」と、心から思っていなくても良いので口に出して言ってください。
それが子供のメンタルを守ることにつながります。
受験するすべての学校にリスペクトを!

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

ワーストケースを想定しなきゃダメ

親の辛い所は、子供に見せる顔と自分に見せる顔を使い分けなければいけないところです。
子供が第一志望にしている学校に向かって一生懸命努力しているのだから、子供に向かっては絶対大丈夫!とメンタル的にバックアップしてあげるのは当然のことですが、親の頭の中まで「絶対大丈夫」と自己暗示にかかってしまってはいけません。

子供の前では超ポジティブに、時には根拠のない自信でもって「大丈夫!」と言いつつも、心の中では超シビアな超現実主義者でいましょう。

●1月に受けた併願校がダメだった場合、さらに追加して1月に受験するのか、それとも2月以降の受験スケジュールを組みなおすのか。
●2月1日の本命受験の手ごたえがあった場合、2日以降はどうスケジューリングするか。1日の出来次第では2日以降の出願校すべてを受験しなくても良いかもしれません。
●逆に2月1日の本命受験が明らかに不本意だった場合、2日以降のプランをどこまで組みなおすか。
●3日までに合格が一つもなかった場合、4日以降の出願スケジュールはどうするか?
●最悪、いつまで、どこまで受験するか?

全ての受験校について、〇だった場合と×だった場合を想定し、そこから先のフローを書き出しておきます。
3日以降に出願できる学校もあるので、何時までにどのような方法で出願するのかもまとめておきます。

第一志望校が決まった時点で、併願校もだいたい決まるので、まずはスケジューリングをしてみると現実的になってきます。

以前、ご縁があって私が相談を受けた方は、1日の本命校の手ごたえがあった場合に受験するフローと、ダメだった場合に受験するフローをすべて書き出し、書き出した学校すべてに出願していました。
その数13校!
受験日が同じ日にかぶっているところを何校も出願しているわけですから、当日になって受験しない学校も多数ありました。
けれど、いざ受験に突入して心の余裕がなくなったときにあれこれ出願手続きなどの事務的なことをこなすのはとても大変なので、あらかじめすべてに出願しておくというのは合理的なやり方だと思いました。
そのかわり受験料がとんでもないことになりますので、費用対効果をよく考えてご家庭や塾の先生とじっくり相談するべきだと思います。

こうしてワーストケースをじっくり考えると、先に書いた通り「お試し受験」なんて考えない方が良いということがわかってきます。
親子そろって「お試し受験」と思って軽く扱ってきた学校に入学するという選択肢も絶対に出てくるからです。

自信があることと傲慢であることは違うし、謙虚になることと卑屈になることは違います。
謙虚に自信をもって、冷静に現実的に、自分が納得いくまで考え抜く。
間違いのない志望校選びはこれに尽きます。

覚悟を決めなきゃダメ

最終的に、どの学校だったら入学するかを親子で考えておくのも必要です。
合格をもらうことと、実際に入学することは違いますので、受験校を決めるときにうっすらとそのラインを決めておくと良いと思います。

公立小に通っているか、私立小に通っているかでも判断は違ってきます。
私立小でも、内部進学の制度がどうなっているかによっても違ってきます。
ほかの学校を受験したら内部進学の権利がなくなる学校もありますし、内部進学の権利をキープしながらほかの学校の受験ができる学校もあります。

内部進学の権利がなくなってしまう私立小でしたら、かなり幅広く受験校を広げておかなければならないと思います。
私立小に通っているご家庭は、公立中への進学は考慮していないことが多いので、最も厳しい目でワーストケースを想定するべきです
私の知人は、偏差値でいうと25ポイントも違う学校まで受験していました。

通っている学校の状況、お子様の適性、ご家庭の考えをきちんと考慮して、どこの学校まで受けて、どこの学校までなら入学するかという覚悟を決めましょう。

公立中への進学も選択肢に入れる覚悟を決められると、すべてをフラットに判断できるようになります。
なので、結局のところ公立中をディスるのはやめた方が良いということになりますね。

だから、すべての学校にリスペクトを!なのです。

ウチの場合

最後に、ウチの志望校決定のお話をします。

我が家は公立小学校に通っていました。
公立とはいえ、めちゃくちゃ意識の高い区立小学校でしたので、地域はすごく良いところでした。
なので、中学受験でご縁がなかったら区立中学校に進学すると覚悟を決めていました。
ウチの通っていた小学校は中学受験率もとても高く、2月1日は6年生の教室には10人もいない状態になります。
したがって、結果的に中学受験が不本意に終わり、区立中に進学する子も結構います。

区立中に進学すると覚悟をきめたので、ウチの志望校選びはシンプルになりました。
息子といろいろな学校を見学しに行き、どういった雰囲気の学校なのかをできる限り調べました。
そのうえで、息子自身が6年間を過ごしたいと思える学校だけを受験すると言うので、その通りにしました。

親子で信頼している塾の先生に、早い時期から「君には三冠を取らせる!」とことあるごとに言われていたので、本人がその気になっていました。
ということで、1月の受験は灘中に遠征することにしました。
(ちなみに三冠とは、灘・開成・筑駒に合格すること)
千葉も埼玉も受験しませんでした。

2月1日は大本命の開成、2月2日は聖光学院、2月3日は筑駒でフィニッシュです。
灘、開成、聖光学院、筑駒
この4校だけの受験でした。

これだけ見ると「結局成績が良いからそんな強気でいられるんでしょ!」とか「なんだ、結局ポジショントークかよ!」と思わるかもしれません。

でも実のところ、全くこんな強気でいける成績ではなかったのです。
それは模試の結果を公開していますので(有料限定ですが)よーく見てください。

私が言いたいのは我が子自慢ではありません。
公立中に行くと覚悟をきめたから、メンタルの力でここまでやれたということです。
実際、私は息子に内緒で公立中の説明会に3校行ってきましたし、夫もそれで納得していました。
公立小に通っていると公立中への抵抗感は無いので、自由な選択ができやすいと思います。

とはいえ、やっぱりウチのようなこんな志望校選びは博打です。
本当にメンタルが強くて、本当に覚悟を決めない限りはもう少しちゃんと併願校を考慮すべきだと思います。
最終的には子供本人がどこまで覚悟を決めるかということがすべてです。

長くなりましたが、どんな結果になろうとも後悔しない志望校選びのためのヒントになれば嬉しいです。

母親のマインドチェック

・子供の第一志望を最優先する
・冷静に客観的に俯瞰してみる目を持つ
・学校を良く知る
・絶対に併願校を甘く見ない!バカにしない!
・ワーストケースをとことん落とし込む
・子供に見せる顔と自分の心の中の顔を使い分ける
・費用対効果を考慮して出願校を決める
・公立中をディスらない
・覚悟を決める
・どんな結果になっても中学受験を良い思い出にする
・数字や人の価値観に惑わされずに冷静になる



開成に進学後、次の目標に向かってがんばっている息子にサポートをお願いいたします♪