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地域のためにできること

2018年の4月から、山口県美祢市というところに住んでいます。日本最大のカルスト台地である秋吉台の麓に家があり、一番近くのコンビニまでは10kmある。最寄りのランドマークといえば、大正洞という鍾乳洞と秋吉台サファリランドがある。自転車に乗れば壮大なスケールで乗れるし、サファリの年パスは5千円ぐらいなので、自宅のペットのようにライオンや象と触れ合える。

様々なご縁でここに住もうと思い、住むからには少しでも貢献できればと、今までの活動で広げてきたネットワークを最大限に活用し、自転車を使ったインバウンド観光のお手伝いをさせていただいてる。5月には台湾の友人が42名もの自転車乗りを引き連れて美祢に来てくれた。8月には、韓国の友人に会いに行き、今年から相互交流が生まれそうである。

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近年、日本の人口増加が見込めないため、海外からお客様を呼ぼうとしてるインバウンド観光が、どこの自治体でも取り組まれてる。ここ秋吉台でも日本一の鍾乳洞という名物があるため、昔は修学旅行やバス観光のルートとして選ばれたし今でも選ばれてる。ただ、昔は1学年8、9クラスあった学校が今や3、4クラスになり、会社や地域単位の慰安旅行などは、個人旅行へ変わり、必然的に秋吉台に訪れる人の絶対数も減る。それと同じことが全国で起きていて、それに代わるものがインバウンドなんだろう。

美祢市観光協会でも、インバウンドのモニターツアーを今年1月に開催した。県内に住む外国籍の参加者で、今回は中国、台湾、韓国の方々が参加した。参加者は2泊3日のスケジュールで、美祢市の伝統や文化などを「体験」しながら巡った。自転車もメニューの一つになっており、もちろん協力させていただいた。近年は電動アシストのスポーツサイクルもあり、男女問わず一緒にサイクリングを楽しめる。その他のメニューは、発破体験あり、地元住民との餅つきあり、ハイキングありと、様々なものがあり、現在の美祢のおおよその観光メニューの全てが詰め込まれてる感じがした。
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今回のモニターツアーに少しだけでも関わってみて良かったと思う点はたくさんあるが、一番は夜のちょっとした宴会時に参加者の共通語が日本語であったという点。地元との交流で、私の住む赤郷という地域の皆様が神楽や餅つき体験などでおもてなしをしたわけだが、食事を通じて他の参加者や地元の方々といろいろと話をする。そんな中、参加者は同じ国の参加者と話す場合でも日本語でコミュニケーションをしてたのには驚いた。私も海外で活動していて、日本人同士で話す場合、それがフランス人が用意してくれた会場で、周りにフランス人が多かったとしても日本語で話してしまうことが多い。中国人同士で日本語で会話してくれることによって、地元の方々はどんなことを話してるか把握できるし、会話に交じりやすい、さらに安心感も与えると思う。最初に書きましたが、ここは最寄りのコンビニまで10kmある、いわば田舎な地域。そんな地域で、外国人とコミュニケーションに馴れてる住民はわずかにいるかどうか、外国語が飛び交う宴会場では、もてなしてる方も何が何だかわからず、ちょっとしたインバウンドアレルギーを生んでしまいます。

先日、フランス人の友人が遊びに来てくれたが、終始フランス語を話していた。そんな方々がいきなり団体で訪れると、ちょっと引いてしまう。

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そして、今回は観光協会の若手の有志で企画したのも良かったと思います。それは現場に近い方々だからです。その他の地方を見ると、様々な会社が関係し、下の図で言うと受注者である地元の方々が苦しい思いをして、さらに地元に住んでるという重圧から断ろうにも断れない状況をよく聞きます。

地方を元気にするには、まず住人から。自分がこの地で生活を始めたのも、そういう意味があるからかもしれません。



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