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音楽制作業 OFFICE HIGUCHI 10周年までの道のり#47 〜最終話〜

お世話になっております。代表の樋口太陽です。

8ヶ月もの間、この連載を続けました。本当は、10周年記念事業の"GOOD MUSIC VS BAD MUSIC"を公開した後、どのような道を辿っていくかまでを追っていきたいところですが、それをやると11周年を迎えてしまいそうなので…これをもって、音楽制作業 OFFICE HIGUCHI 10周年までの道のりの話は、最終話とさせていただきます。
 
#45でも書きましたが、この連載は、"GOOD MUSIC VS BAD MUSIC"のプロジェクトを進めていく上で、その副産物として仕方なく書かなければならない事情があって始めたものです。思えば、会社設立も、その後の全ての行動も、基本的には、差し迫った事情で仕方なくやったことばかり。計画的な行動などは、あまりありません。
 
でも、それでよかったし、人生そんなものだと思います。

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思わぬきっかけで始まったこの連載により、よかったことが、いくつかありました。

まず、今から小さく事業を始める方の参考や、勇気づけになるものになったのではないか、という点です。音楽関係の人だけの話にならないよう、なるべく普遍的な内容になるように、気を付けつつ書きました。

ご覧のとおり、会社を始めてからずっと、幾千のトライ&エラーの連続で、思った通りにきれいに成功したことなど、ほぼありません。それでも、どんなに失敗してもチャレンジし続けて、たまーに予想外のところでうまくいったりもして、やっと会社が存続できています。しんどいことばかりですが、それも含めて、とっても楽しかったです。たくさんの失敗により、10年前よりもだいぶ成長できた気がします。

思い通りにいかない事は、マイナスばかりではありません。むしろ思い通りにならないからこそ手に入れることができたものが、たくさんありました。自分の実例により、それを少しでも感じていただければ幸いです。


次に、今までのたくさんの仕事や、関わってくださった方々にスポットを当てれたことです。いままでご紹介した仕事は、自分がその時々で全力を出していたから、時が経ってもこうやって恥じることなく掲載することができました。また、関わってくださった方々を振り返れば、まるでクリエイターのカタログといえるのではないかというほど、たくさんの才能をご紹介できたと思います。

読んでいただいた方が、これをきっかけとして、今までに紹介してきたクリエイターの方々と何か絡むようなことがあれば、うれしいです。今まで密かにリスペクトしていた方々が、こうやってエピソードに登場していただくことにより、少しでも目に触れる形にできたのではないか、と思っています。

エピソードの流れの都合上、重要人物なのに登場できなかった方々も沢山いますが・・・この場を借りて、すみませんでした。
 

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僕がこの連載を通して伝えたかったこと。それは、ある瞬間を切り取れば、すごく愚かなことをしているような人も、長い目でみると、やらざるをえないのっぴきならない理由が過去にあったり、誰も知らないその人だけが見えている未来のビジョンがあったりするかもしれないということです。

自分の10年間の中でも、一話だけを切り取ると、変な事をしているようなことばかりだったと思います。でも、それらをぜんぶ繋げると、ぼんやりと全体像が見えてきたりもします。

この話は、音楽クリエイターの武勇伝のような話ではなく、とある人間の視座が、いろんな経験によって少しずつ変わっていく様を描いた話でした。

僕の高校からのともだちのタカキユウトくんは、連載の途中でそれを見抜いて表現してくれました。


誰しも、最初は自分のことしか考えることしかできません。少しずつ経験を積んで、自分以外の誰かの事を想像したり、リスペクトすることができるようになっていくものだと思います。

人は少しずつ変化します。ある誰かと接したその時に、自己中心的な人に見えたとしても、その人の人生が、まるごと自己中心的なものだとは、その時点では誰にも言えません。

そのような想像をすると、きっと人は、誰かに対して少しだけ優しくなれるのではないでしょうか。

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僕たちの原点の写真を載せます。

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兄弟でピアノを弾いているところです。この時、僕たちは音楽というものを少しばかりかじってしまったせいで、この先に何が起こっていくのか、全く知りません。それと同じように、10周年という区切りを迎えたこの先も、今はまだ想像できないようなことが、たくさん起こっていくのでしょう。

今まで、この連載を通じて、たくさんの方にお礼を述べてきましたが、最終話ということで、今まで近すぎてお礼を述べることができていなかった人物に、お礼を言います。

両親へ。今、僕たちがこんな仕事ができているのは、幼いころにピアノを習わせてくれたり、思春期にバンドに没頭させてもらえたおかげです。この場を借りて、ありがとうございました。

妻へ。この連載は、より面白く伝わるよう、人を傷つけることないよう、全ての文章を、妻に事前チェックしていただきました。この連載を実行できたのは、支え続けてくれた妻のおかげです。この場を借りて、ありがとうございました。

兄へ。今までの全ての出来事は、兄が存在したから起こったことです。この場を借りて、存在してくれてありがとうございました。
 
最後に、連載にお付き合いいただいた、あなたへ。この長い長い身内話を読んでいただき、ありがとうございました。今度このような連載を書くのは、また20周年のタイミングなど、遠い先かもしれませんが、また何か書くことができるよう、学びながら、感受性を保ちながら、生きていきたいと思います。そして、あなたの記憶に刻まれるような音楽を届けれるよう、励んでいきたいと思います。今後とも何卒、よろしくお願いいたします。


今まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


2022.1.31 樋口太陽

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