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【詩】生きていけないと知ったのは

水色のハートでは
生きていけないと知ったのは
16歳の夏だった
あの日のラムネの酸っぱさ
まだ舌の上に残ってる
放課後の美術室で
デッサンや油絵の具に狂って
ブランコ揺らして宇宙旅行
どこにも行けないのは分かってた
オレンジ色の髪では
生きていけないと知ったのは
23歳の冬だった
仕事帰りに声をかけられて
冷たい息を吐きながら
少女同士がキスするのを
ポラロイドで撮影した
「私たちボニー&クライドなの」って
真っ赤な車と消えていった
黒い涙では
生きていけないと知ったのは
31歳の春だった
病気で窪んだ喉で歌う
逃げ道から逃げ道へ転げ落ちて
そこで見つけた愛は
抱きしめれば抱きしめるほど
僕の心臓をポエムで膨らませた
死んでしまった人達は綺麗だけど
生きている人を信じたい
託したい賭けたい捧げたい


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