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【詩】愚かな愛の詩人の臆病な詩

誰にでもあるはずさ
大好きな思い出
それは穢れることがない
心の奥にある宝箱のようなものなんだ
死んだ後に思い出がどうなるか
分からないけど
もし天国にいっても
君の顔を忘れたりしないよ
君の声を忘れたりしないよ
もし生まれ変わっても
そこだけアップデートされないといいな
僕の頭を撫でる傷だらけの手が
とても綺麗だったこと
過呼吸で倒れた君の首に
必死に濡れタオルを巻いたこと
浴槽で溶けるチョコレート
甘い香りに誘われてくちづけ
赤いワンピースから伸びる細い手
結露した星空が麻薬的で
ふたりが飲まなかった錠剤の数だけ
夜は美しい声で泣いた
一瞬みたいな希望で十分だよね
君が寂しいときウサギは僕の胸にいる
同じ星に生まれていたなんて
奇跡みたいなこと
光とも呼べない透明なもの
薔薇と星の王子さまより
いつか世界中を旅してみたいけど
君の胸の中より遠くて
素晴らしい場所はないんだろうね

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