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【詩】ホワイトアウト

憂鬱のさざ波でサーフィンをする犬
星の形のサングラスが痛々しいよ
時代の風に反逆する少女たち
不衛生なクーラーの下
レコード盤を撫でる指の静けさ
モヒカン刈りの少年たち
中指に金色の指輪を嵌めている
いつでも神様に突き立てられるように
尻ポケットにはブコウスキーの詩集
でも一行も読んだことはない
熱帯夜を泳いでいる金魚
祭りの騒がしさを思い出して
港町のブルースマンが自殺して
ココナッツくらいのサイズの赤ん坊が
花のベッドで泣いているよ
恋と絶望は仲良しだから
凍ったプールで泳いで
紫に染まった唇でキスをする
漂白剤の味がして世界はホワイト・アウト
盲目なオルゴールが壊れた
何もないから何でもある
街頭に吸い込まれる蛾のように生きたい
そして最後はあっけなく
死んでも天使になれない
僕を抱きしめて、離さないでくれ

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