75. 光と闇は兄妹なのかもしれない

カラメルを一杯、牛乳に注いで
遠い席に足を伸ばす
全身の力という力が抜けて
幸せそうに笑う彼女の
痙攣する足の親指のペディキュアに
不安定な僕が笑ってる
シリアルの中のドライフルーツ
宝石みたいにキラキラ輝いてる
コウモリが空を泳ぐ時間になると
涙声のさよならがループする夢が
帰り道を見失ってしまう
箸で花を食べる女は言った
「歯磨き粉の味がするキスより
煙草やウイスキーの方が大人っぽいかな」
って
手から零れ落ちた魔法は
蚊取り線香の匂いがするから
夏の終わりはいつも寂しい
欠落した感情が廃線している
最後は灰になるだけなら
小ぶりな毒リンゴを齧って
クーラー18度で死んでいようよ
炎天下のプールサイドを歩くように
けだるい熱がいつも体の中にある
冷やしてくれないか、覚ましてくれないか
現実なんてどこにもないのさ
あるのは夢ばかり、妄想、空想、想像
光と闇は兄妹なのかもしれない
君はもたれるのにちょうどいい背丈
濁音の恋ってなんかちょっといいじゃん
恰好いいバナナの食べ方、研究してるの?
君が可愛かった時のことは
忘れてしまいたくないよ

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