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【連詩】Love sick

(蘭)  蘭瞠せる。(笠)  笠原メイ

(蘭)すれ違う思惑と疑惑
隠した筈の苦い過去
夜更けが吐露した蜜
気怠さの余韻は消え
出逢い直す交差地点。

(笠)音も立てずにすれ違う
龍の鱗には手触りがあった
窓が少し薄明るいのは
雪が道に残っているからかな
濡れた交差点が光り輝く

(蘭)雪灯で目覚める夜明け
鱗片の足跡が雪上に触れ
雪解けの道路に沈む
交差点の中心で蘇る記憶は
涙色に変わる頃、想い出へと流れる。

(笠)想い出が排水溝の髪に絡みつく
濡れた枕が旅立ちのメタファー
心までは愛しても、魂までは無理だった
窓を開けると雪はやんでいた
靴下のまま交差点まで歩き出す


*今回は蘭瞠せる。さんとの連詩です。テーマは「交差点」です。何度もすれ違い、行き着いた先で、出会えた景色には光がありました。

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