72. お前の悲しみはお前だけの悲しみだ

タオルケットの湖にボートを浮かべて
クリーム色の犬の絵を思い出す
君に褒めてもらいたいだけで書いた歌
ピースマークが年老いて杖をついてる
音符の階段につまずきながら
オオカミは一年中、空腹を背負ってる
ダークサイドに落ちても手を離さないで
約束なんていらないから
ふわふわ、フラフラしている内に
運命の方が僕を抱きしめてくれた
薬でよろめきながら、命を揺らしながら
君に会いに行きたいな
マシュマロ何個くらい口にいれられる?
スマホを十字架のように握り締め
冬の街路灯の下を歩く
暖房の効いた部屋に入ると
安心してしまう自分が嫌いだ
片目を閉じて世界を眺める
蝶々の模様が半分になる
花の香りが半分になる
君の目で世界を見てみたい
毎日の馬鹿馬鹿しいこと
「寂しい」と名前をつけて保存する
ロックンロールだけが口約束で
そこが僕の出身地だった
6月の雨に抱き合う二人は
唇以外の温度を捨ててしまった
嘘つきの自分を愛して悪いか
世界中の物語はほとんど嘘で出来てる
門限のなくなったシンデレラは
ちっとも綺麗じゃないのさ
お前の感動はお前だけの感動だし
お前の悲しみはお前だけの悲しみだ
共有しようとしてはいけない
ヨギーのクロールは雄大で美しい
彼はカモメの言葉が分かるから
エメラルドグリーンの海には
友達がたくさんいる
カルディの林檎ジャムは美味い
現実を見ない人はスマホを見るんだ
でもスマホが見られてるだけ
強い人間だなって僕なんかは思うね

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