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血も涙もある/山田詠美

「…報われない親切をし続ける人が哀しいとは、それから何年も経つまで解りませんでした。」(p.69)
「幸せと不幸の計り方は、人の数だけある。そして、それらを見るための眼鏡の度数だって千差万別。」(p.74)
「好きに理由なんていらない、なんて嘘。自分だけが納得出来る好きの要素を積み重ねて、相手をかけがえのない存在に仕立て上げるのだ。」(p.76)
「世の中には、自分に出来ないことを苦もなくやってのける人間に、憎しみを向ける輩が大勢いるんだから。」(p.79-80)
「妻という存在は、よほどの悪妻でない限り、世間を味方に付けているんだ」(p.125)
「出会った瞬間に自然発芽してしまった恋を摘み取るのは、第三者には無理なこと。」(p.164)
「皆、その厚さに違いこそあれ、自分以外の人間の前では仮面を付けているのだ。…。そして、尊厳を保ちながら、自分を守り、人間関係における摩擦を最小限に留めている。」(p.166)
「人生なんて、傷口から流れる血を舐めてくれる人と、流れる涙を拭ってくれる人が側にいてくれるだけでこと足りるんじゃないのか?」(p.224)

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