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東京を生きる/雨宮まみ

「深夜に乗るタクシーから見える景色は素晴らしかった。」(p.42)
「何もかも思い通りになることなんかない。だから、最初からどうでもいいような顔をして、こっそりあきらめることに慣れていく。」(p.49)
「「好きだ」という言葉は瞬間に属しているように思えるけれど、「愛している」は、何か将来の約束をはらんでいるように思える。」(p.148)
「愛でなく、優しさで生きていけるのなら、もしかしたらもう少し、何か、違うのかもしれない。意識を失いたいと、そのときにはひとりでいたいと、そんなことを思わないようになるのかもしれない。得られなくても、与えられるのなら。愛でなくても、意識を失うことが怖い誰かのそばにいられるのなら。いつかその優しさを、愛と呼ぶことができるのだろうか。」(p.152)
「楽しいから生きているわけではない。でも、生きている以上、楽しいことがなければ希望が持てないから、私は必死に楽しいことを求め続ける。まるで希望の奴隷のようだと思う。」(p.157.158)
「幸せな瞬間があればあるほど、それが遠ざかっていく時間が苦痛なのだと知った。」(p.188.189)

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