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いまだにある公務員試験の年齢制限、いらなくない?

公務員試験では、年齢制限の上限いっぱいまで、何度でも試験を受け続けることが可能です。そのため、受かるまで受験し続ける公務員浪人が存在します。この公務員浪人を生み出す現在の採用方法、本当に無駄だし採用する側もされる側もどっちも不幸な感じになってしまう残念な方法だとつくづく思ってます。民間企業と同じ新卒と中途採用にして、シンプルかつ臨機応変に設定できる形がいい、というのが私の主張です。
思うことが多々あるので、今回はこの件を書きたいと思います。

社会人スキルなし元公務員浪人に悩まされる管理職

「毎週木曜日の14時に会議、と5回言っても、5回とも来ない」
「事前に会議資料をみせて欲しいといっても、後から事後報告のメールしかこない。社会人として当たり前のことが全く適応できない人がどんどん入職してきていて、もうどうしたらいいのか」
久しぶりに前職の先輩公務員の方(地方公務員)とお会いした時に、そんな話を聞きました。珍しいことでした。ご一緒に働いていたときも人の文句等は一切話さず、とにかくポジティブに今できることを実施していくような人です。そんな人が、ここまで言うのですから…
聞けばお一人だけの話ではなく、複数名そんな人が年々入職してきているとのこと。聞いていて頭が痛くなりました。

ネットサーフィンでサボる同僚、無責任な上司

今は民間企業の会社員の私ですが、元はその先輩公務員の方と同じ職場で新卒から3年間、地方公務員として働いていました。
しっかり仕事をこなす先輩がいる一方、こんなびっくりするような働き方をしている人たちがいました。
・出勤時から退社までずっとネットサーフィンをする人
・注意されると恫喝、もしくはパワハラで訴えると威圧的な人
・大卒で入職してきた人は給与も出世スピードも違うのでムカつく、と大卒の人に仕事を教えない/情報をあえてクローズにして困らせる状況にする等の嫌がらせをする人
↑打刻は定時出社定時退勤で一見すると勤勉な勤務態度
えぇ…!?こんな人たちいるの…???!と驚きました。
しかも、当時の上司は彼らに注意するつもりはナシ。
「公務員だからよっぽどのことがないとクビにならないし、縦割りでその人の担当業務ですから、こちらが言ったところで何も変わらないよ。」
と仰っていました。何もしない言い訳にしても、それで管理職にいるとか…マジでないわー…と今でも思ってます。
仕事をしたくない・責任をとりたくない、という人が何もせずにサボっている状態が許される状態。そしてしわ寄せが真面目にやっている人たちに向く、という悪循環を生み出していきます。

まともな人は出ていき、残るは…

すると、まともな人は異動するか辞めて新天地にいくか、という状況になります。残るのは仕事をしない人達ばかり。人手不足は加速します。
人員を確保するために臨任や嘱託採用も増えていきます。この方々は次年度更新という「評価」があるので、頑張ってくれるんですよね…。(このあたりは別の機会にまた言いたいとおもいます。)
とはいえ、正規採用職員も補充はしなければなりません。

公務員試験の上限は年々上がってきている

公務員試験では、受験するのに年齢制限が設けられています。
下限は高卒、大卒等の主に学歴によって。上限は自治体や職種によって異なりますが、おおよそ30~35歳くらいまで。(最近は人手不足で上限を引き上げることが多いらしい)上限までは何度でも受験可能です。

そうすると、年齢制限ギリギリまで、多い人では10回以上(つまり10年以上)受け続けるような人も出てきます。途中でバイト等の仕事経験を積む人もいますが、ずっと籠ってこの勉強・対策だけやってきた、公務員浪人が意外といます。正確な数値は存じ上げないのですが、私は地元でよくこういった人たちの存在を耳にします…今も。

公務員になることがゴールの人は、その後頑張らない傾向がある

そうして長い受験を経て念願の公務員になれた人たち。
「やっと公務員になれた」という気持ちで本人たちはさぞ嬉しいでしょう。しかし、「公務員になることがゴール」の人たちって、たいていその後の動力はほとんどありません。だって、ゴールしちゃったから。
しかも、仕事をする上での常識を知らずに年だけ重ねてきてしまっているので、社会人として当たり前にできて欲しいことができない(もしくはやらない)。できないことはインプットしないといけないはずですが、当人としては目的は達成しているのでその必要性を感じない。「定年まで公務員であり続ける状態」だけ守ろうとします。
現場にとっては、人手不足の解消になるどころか働いてくれない人が増える一方になるので、何のための採用なのかと頭が痛くなる始末…です。

受からなかった場合も、その後の切り替えが大変

年齢制限いっぱいまで公務員浪人を続けたのに、受からなかった場合も悲惨です。ギリギリまで受け続けて、その他に特段仕事をしていなかった場合、30歳を過ぎて初めて就職市場に身を投じるのです。周りの同年代のキャリアスキルと比較すると厳しい状態であることは明らかです。
アルバイトをしたり、働きながら受験してきた場合は比較的切り替えしやすいですが。

30代を過ぎても受験に受かれば新卒同様という仕組みはなくすべき

上記のような人たちを生み出してしまう現在の採用の仕組み、維持する必要性を全く感じません。新卒採用と中途採用で良いと思います。
もしくは、受験回数制限を設けたり、その年齢(社会人●年目)までに持っていて欲しいスキルを保有しているかをチェックしたり、仕事の現場でしっかり役立つ人であるかどうかを見極めるための仕掛けを設けるべき。
そもそも、同じ試験を繰り返し受けていれば、回数を重ねた人の方が受かりやすくなるのは当たり前です。そういった人を採用してしまう可能性のある仕組みは撤廃し、しっかり求められるスキルや経験/ポテンシャルを持った人を採用できるような採用フローを設けるべきです。そうでなければ結局は現場が疲弊し、予算自体も無駄・非効率的な消化に終わります。
公務員採用の試験は、受かった人の面倒をみたり、保護するために行うものではないです。働いて貢献してもらうために採用しているのです。

従来のやり方に固執するのではなく、公務員採用もアップデートを

人手不足が叫ばれる昨今、民間企業のみならず、官も同様でしょう。
そんな中、人手があった時代の採用手法を続けていけば、時代錯誤が故に歪みを生じます。(というか、もう歪みが生じていてどんどん大きくなっている状態です)
人生100年時代と呼ばれ、60歳以上になっても定年せず再任用で働く人も増えています。入口部分も、単に年齢制限を引き上げるのではなく、もっと根本を見直すべき時期にきているのではないでしょうか。







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