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理学療法士になりたい人へ〜養成校を選ぶなら大学の一択

フリーランスWebライター/理学療法士のツナです。

私は大学を卒業し、社会人経験を経て理学療法士になりました。

回り道をしたこともあり、昼間に仕事をしながら夜間部の学校に通い、養成校を卒業。

その後、国家試験に合格し、晴れて理学療法士となりました。

不景気な状況が続いている日本において、高校生をはじめ社会人も資格取得を目指す人が増えています。

その中でも国家資格である理学療法士の資格を取得したいと考える方も多いのではないでしょうか。

国の予算から医療費を削減する施策が進められている状況を鑑みて、理学療法士の将来性は厳しいと言わざるを得ません。

それでも、「苦労するのを承知で理学療法士になりたい。」

そう考える人もいるでしょう。

そんな人には、

「理学療法士の養成校は大学の一択!」

と助言します。

なぜ理学療法士の養成校は大学一択なのか。

この記事では、専門学校との違いや資格取得後の苦労など、大学一択の理由を記していきます。

大学と専門学校にはどのような違いがあるのか

大学と専門学校の違いは、教育課程とそれに紐づいた身につけられる知識や教養の種類の差になります。

理学療法学科は、大学が4年制、専門学校は3〜4年制。

教育課程を終えることで、大学であれば学士の学位が得られますが、専門学校では準学士にとどまります。

専門学校は基本的には資格を取得することが大きな目的。

専門学校がなぜダメなのか?

卒業後、理学療法士となって何か特定のトピックについて研究したいと考えたときに専門学校卒業では困ります。

学士の学位がなければ修士課程に進むことはできない場合があるため、準学士では不十分です。

教育の質にも大学との大きな差があります。

まず講師陣の質です。

専門学校はどの学校も基本的には、「5年以上の臨床経験を有する者」が教員の募集要項になっています。

たった5年の臨床経験をしただけで教員になっている場合も少なくありません。

もちろん、それでも優秀な教員はいますが大学には劣ります。

教育の質が低いと最も苦労するのが、3〜4年次にある臨床実習。

私はこれまでに何人もの実習生を指導してきましたが、大学生(偏差値がある程度高い)と専門学校生には大きな差が生まれていました。

専門学校生の多くは基本的知識が希薄で患者に触れるレベルに達していないことが少なくありません。

もちろん、大学生でもそういう実習生はいますが。

近年、学生の質が落ちていると叫ばれている理学療法士業界ですが、これは学生の質だけではなく教育の質が落ちていることもあると考えています。

なぜ理学療法士の養成校は大学一択なのか

専門学校では厳しい点を上記しました。

ならば、理学療法学科が設置されている大学であればどこでもよいのかというと、そうではありません。

ある程度、競争率の高い、偏差値の高い大学を勧めます。

近年、専門学校が大学に変更したり、新設の大学が設置されたりしていますが、専門学校並みに入学しやすい学校は避けるべきです。

そのような大学では、教育の質が低くなることは必至ですし、上記したように臨床実習で相当な苦労をします。

なぜ、ある程度、競争率の高い、偏差値の高い大学を勧めるのかというと、教育の質が高いこともありますが、何より、そこに入学するまでの基礎学力が高くなければならないからです。

理学療法士となるために学ぶことは医学だけでなく多岐に渡ります。

基礎学力が高くなければ習得することは困難なものも少なくありません。

理学療法士になるためには、基礎学力を高めるべきです。

また、大学には多くの研究者が在籍されています。

大学の教員の仕事は、教育と研究です。

最先端の研究をしている先生が在籍しているということもありえます。

そして、4年次には卒業論文が課されます。

専門学校では簡単な卒業研究だけで終わってしまうことが多いですが、大学では卒業論文の執筆が必要となり、研究のイロハを学ぶことができます。

最新の知見を知ることもできますし、研究室に所属することで教員との関係も近いものになります。

その後の就職においても大学が有利となる場合があります。

同じような学生であれば、雇用側としては、専門学校生よりも大学生を選ぶことは容易に目に浮かびます。

実際に現場で採用する側にいると、まずは学歴を確認しますから。

理学療法士と言えども、学歴社会がまだまだ残っているのが現状です。

卒業後にも苦労するのは専門学校卒業生!?

臨床実習で大学生よりも専門学校生は苦労することが多いと上記しました。

卒業後、臨床に出てからも同様です。

なぜなら、基礎学力が違うからです。

基礎学力、一般教養から基礎医学、専門医学、教育の質が違うわけですから身につくものにも差が出るのは当然。

私自身は、専門学校、しかも夜間部卒でしたので、必要最低限のことしか学校では学べませんでした。

結果的には、臨床実習でかなり苦労しました(いい歳をして何度か泣きました)し、臨床に出てから本当に苦労しました。

毎週末ごとに勉強会、セミナーに参加し、同期の理学療法士との溝を埋めよう、回り道をした分、同じ歳の人達との溝を埋めようと必死で勉強しました。

そこで痛感したのは、偏差値の高い難関大学と言われている学校の卒業生との理解力の差。

専門学校を卒業すれば、人の何倍も勉強しなければ追いつけません。

理学療法士になるための養成校の選択を専門学校にする場合は、周りに流されず自ら学ぶ姿勢を少なくとも4年間は続ける覚悟を持つ必要があります。

まとめ

理学療法士は卒業後もなぜ勉強が必要なのか?

それは理学療法士が、

「患者の生活・人生に関わる仕事」

だからです。

呼吸や心臓などの分野によっては命に関わる場合もあります。

だからこそ、理学療法士はプライドを持ち、働きながらも勉強を続ける必要があるのです。

やりがいは本当にあります。

ただ、国の財政状況などから、将来性は厳しいことに間違いはありません。

厳しい状況に置かれることを覚悟し、それを乗り越える強い精神力を持って理学療法士の道に進むことが必要です。

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