キャメロット

中世イングランドの都キャメロット。
アーサー王は政略結婚を嫌がり逃げ出したグィネヴィアと森の中で出会い、互いの素性を明かさないまま、二人は恋に落ちる。
グィネヴィアを王妃として迎えたアーサー王は、戦いが絶えない時世の中でも正義と公正さを信じ、武力ではなく法による統治を目指す。そして、皆が対等に話し合える円卓会議を発案し、イングランド全土から気高き騎士の招聘を試みる。辺境の騎士ペリノアは図らずもキャメロットへ流れ着いた一人だが、そんなアーサー王の噂を聞きつけたフランス人騎士ランスロットも一路キャメロットへ向かい、王に直談判で志願、「円卓の騎士」の一員となる。アーサー王は極めて優れた騎士道精神を持つランスロットに惚れ込み、全幅の信頼を置くようになるが、その裏でランスロットと最愛の妻グィネヴィアが密かに愛し合っていることを知る。二人の幸せを願うものの、自身への裏切りを許すことができず、苦悩するアーサー王。そこに追い打ちをかけるように隠し子のモルドレッドが現れ……。

松竹株式会社 キャメロット あらすじ 
写真引用元:松竹株式会社HP

アーサー王伝説をモチーフとした、古典的ミュージカル『キャメロット』の日本初演。縁あって観劇してきたので、自分的見所をまとめました。


1.今の状況だからこそ響く、端々の台詞。

理想とする国家を目指すも、人間の持つ感情や現実との矛盾に阻まれ、苦しみ、そして未来への希望を抱く物語。

現実でも、多くの犠牲が伴う紛争が起こっている世界情勢。

主演・助演の2人が所属していた某事務所の報道もあり、正直セリフがそこでリンクしたから…というのも理由にあがるかと。

何のための、誰のための戦いなのか。
「なぜ世界に境界線はないのに争うのか?」

最大多数の最大幸福のために少数を排除するのではなく、誰も見捨てないために「考えることをやめてはいけない。」

シリアスな台詞・言い回しが多いのに諄く感じないのは、キャストの方々の努力のおかげかと思います。


2.みんな衣装が良い、良すぎる。

WEST.の桐山照史さん(ランスロット役)の衣装がチラッと見れます(衣装バレ注意⚠️)。

X(旧Twitter)でも多く見られる意見(※当社比)として、女性の衣装、特にウエストシェイプが効いていて、ドレープもしっかりとったドレスがセットと相まってとても優雅に見えます。

個人的に、アーサー王がインナーに着ているベロアが高貴な雰囲気を醸し出して非常に好きです。もしサテンとかならパジャマ感が否めなかった(たぶんお顔が良いからそんな心配不要)笑。

今回は既成かもしれませんが、ベロアは毛足がキツく、中表で合わせただけでもズレるらしいので、今後衣装を見る際はざっくりとでも、素材や刺繍などチェックして見て欲しいです。

騎士たちのマントも見た目は重厚な感じがするのに軽やかに捌いていて、シルエットがとても綺麗でした。

3.ゴリゴリのミュージカルではない(良い意味で)

今井清隆さん(ペリノア役)が公演パンフレットのインタビューに、「この作品は台詞劇の側面も強く、いわゆる歌あり踊りありの派手なミュージカルとは一線を画している」と綴られています。

ミュージカルというと、劇団四季や宝塚のような劇を想像される方も多いと思いますが、前述のとおり台詞とその掛け合いによるシーンも多かったです。

とはいえ、馬上槍試合(The Jousts)などアンサンブルの存在感がある曲などミュージカルならではの醍醐味も、もちろんきちんとあります!

まとめ

キャストの方々の繊細な演技が光る3時間で、「初演」の特別さを気負わず、キャメロットの世界に没入しました。
(いつの時代も不倫はアカンなぁ笑)


fin…

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