大学サッカーってインカレとか関東だけじゃないんだよ!地方のリーグだって全然おもしろいんだよ!というお話

おそらくですが、サッカーを日頃からかなり見ている人たちの中でもとりわけ大学サッカーを見ていることが多いような気がします。逆に最近はJを見る機会が激減し、特に移籍とかの情報は頭が追いつかないくらいまで退化してしまっています。人間の興味次第で記憶なんてどうとでもなるってことですよね…。
大学サッカーを見ると一言で言っても、いろいろなタイプの人がいるわけで。中でも一つの大学を徹底的に見る人やあるいは特定のリーグに固定して見る人というのが比較的多いのかと思います。また、特定の高校やユース出身者を軸に見るという、いわば「OB訪問」をされる人も意外と多いです。いろんなリーグを満遍なく見るという人はほぼ見かけないですね。
かく言うわたしは、そのごくごく稀な希少種で(笑)各地のいろんな大学リーグを転々と見に出張するタイプの人なんです。なにせ、コロナ前に1シーズンに北海道から九州までの各地区9大学リーグを全て網羅した、そんなバカなことをやってしまった人なもので…(笑)いつと言ってますが「見たいものを見たい時に見る」のがスタンスな人なのでそんな無茶なことも出来てしまうのかな?と…。
と言うことで、今回は今年見た、関東関西以外の大学リーグのお話、そしてそこから見えてきたものについてダラダラとお話ししていこうと思います。いつものようにダラダラ感満載になりますが、最後までお付き合いください(笑)

5/28 東海学生リーグ1部@石人の星
中京大学1-3常葉大学
東海学園大学4-0名古屋学院大学

昨年の2位(中京大学)vs4位(常葉大学)、1位(東海学園大学)vs3位(名古屋学院大学)というカードですが、中京大は天皇杯やその他の要因で日程の延期が多く、まだ4試合くらいしか消化できてない反面、常葉大はほぼ延期なしで順調に日程を消化、絶好調の首位。昨年インカレ初出場の名古屋学院大は開幕から全く調子が上がらない状態で、前期6位以内に入らないとインカレに出場出来なくなる(後期は上位下位のリーグに分かれ、インカレ出場の権利を取れるのは上位リーグのチームのみのため)可能性が極めて高くなるという、当初想定していた上位対決という様相ではやや違う形にはなってしまいました。

1試合目はとにかく常葉の好調ぶりが目立ちましたね。10年近く東海学生を見てますが、今までこれだけ強い常葉を見たことがないくらいの強さです。特に目についたのは攻撃陣のテンポの速さ。今までの丁寧に攻めるあまり、テンポの遅いボール回しが随所に見られたが、今年はパス回しも早く縦へのスピードも速い。見ていて実に爽快なくらいです。
その中で、この日特に光ったのは2ゴールの9番前田。ゴールの嗅覚が鋭い点取り屋タイプです。1点目はシュートの跳ね返りを押し込み、2点目は見事なゴラッソ(どっちもシャッター切れてなかった泣…)でした。結果的には触れなかったものの、先制点も「溢れたら触ってゴール」という絶妙な位置どりをしてました。まさにゴールハンターといったところですね。

先制点となった原崎のゴール。
目の前に流れてきたら…、という絶妙な位置どり。
まさにゴールハンターの嗅覚です。
結果的にはそのままゴールイン。
この鬱憤を晴らすかのように2ゴールを決めた。

今、常葉といえばこのプレーヤーと一押しの古長谷と彼とボランチでコンビを組む高野の2人が中盤をしっかり締め、後ろは最上級生になった7番加藤を中心にしっかりと守備を固める。不意なPKでの失点はあったものの、危なげなく試合をコントロール。ガッチリ首位をキープした。この出来なら、全国でもそこそこやれるのではないかなという感触はありました。今年こそ、東海からベスト8以上の成績を残してもらいたいですね。

最終ラインで体を張る常葉大7番加藤。
いつの間にかもう4年生なんだ〜、という印象です。
この日も出して走って大活躍の10番古長谷。
同じ3年と前田と来年もチームを牽引するでしょう。
古長谷とボランチのコンビを組む4年の高野。
以前よりプレーが落ち着いてきた印象でしたね。
攻撃だけでなく守備でも貢献度の高い18番原崎。
彼もまだ3年。来年の常葉も楽しみですね。

負けた中京大ですが、前週の天皇杯の疲れが残っていたのかやや動きに精彩を欠いた印象でした。気になったのはフォーメーション。4-1-4-1でDF の前に小酒井を置くそのフォーメーション。彼がいるから出来るフォーメーションとは思いますが、この日見た印象では両サイドのアップダウンが悪く、かえってその空いたスペースを使われていたように思えました。完全に常葉の圧力に屈してしまったようで、この出来では全国で戦うのはまだ厳しいのかな?というやや物足りなさを感じる内容でした。

中盤の逆三角形の頂点の位置から
チャンスを作り出そうとする小酒井。
この日はやや中盤で孤立する場面が目立った。
小酒井の前でプレーした14番有働と11番進藤。
古長谷や原崎のプレッシャーに苦戦してました。
クロスに頭で合わせる19番永田。
途中から入ったが、終了間際に交代させられる。
試合ごとのプレーのムラがなくなればね…

2試合目ですが、率直な感想としては名古屋学院大の調子の悪さと共に東海学園の「いつものサッカー」が目に付きました。
去年インカレ初出場した名古屋学院大ですが、本戦ではほぼ何も出来ずに呆気なく敗退してしまいました。今年こそはという思いが強いはずなんですが、それが全く見られないくらいの悪い出来でした。4-1-4-1のスタイルで今年は挑むようで、その中盤の「1」の位置にいる久保が全く目立たない。改めて写真を探したのですがらホントに写真に写ってないくらい、どこにいるか分からなかったです…(汗)
さらに、前線の「1」にいる近藤ですが、相手が彼を抑えればいいというようにかなりのプレッシャーを掛けてくるので、彼にボールが収まらず攻撃が機能しない。中盤のサイドは空いた状態で、そこに東海学園が得意のドリブルでどんどん入り込んでくるのでDFラインがズルズル下がる。ボールを奪えても縦に蹴るしかなく、そして前線ではボールが収まらない。悪循環です。もうどうすることも出来ない、お手上げ状態です。
そうなると、東海学園大の一番得意とするドリブルでガリガリと相手陣内深くまで入って行ってのクロス。跳ね返されたところを中盤の榎本や井堀が拾って、またサイドに叩く。ガリガリと入り込む…、その繰り返し。DFの隙間を突いてシュート、そしてゴール、という東海学園大がいつも東海で勝つ、鉄板パターンが繰り広げられる。と、まあざっとこんな感じの試合でした。

東海学園大11番古山の先制ゴール。
井堀からのラストパスに抜け出した得意な形です。
東海学園大の5番榎本。
東海学園大は歴代、榎本姓が多いので
「どの榎本か」分からなくなります…(笑)
守備もしっかりやるようになったんですね…
この日1番の収穫は15番の井堀。
なかなかいい動きをしてましたが、
前半で交代してしまいました…
常安からのボールに抜け出した神田のゴール。
なかなか追加点の取れない中、
きっちりFWがいい仕事をしました。
サイドから中に切れ込んでシュートを放つ楠本。
彼も気づいたらもう4年なんですよね… 
最終ラインで体を張るパエッサ・フェリペ。
安定したプレーはずっと変わらずです。
この日は名院大の近藤を完全に封じ込めました。
名古屋学院大の6番久保。
意識しないとファインダーに収まらないくらい
この日の彼は本当に消えてました… 
名古屋学院大11番の山村。
終始、相手の粘り強いDFに手を焼いていました。

東海学園大ですが、個人的な見解としては「このサッカーでは全国では勝てないんだよな…」といつも思うわけです。東海のレベルだからこのサッカーでも十分通用するし、結果的に大量得点は取れますがこの日も正直、もっと点取れててもおかしくないシーンがありましたし、ましてや全国、特に関東のチームと対戦するとドリブルで攻めるとまずは縦を切って中においこむ、もしくは外へ追いやって囲んで奪う、という守備をされたら途端に攻め手を失うわけです。
とはいえ、ここ2年くらいはドリブルだけでなく縦に早くという意識を持ったサッカーをやっていましたが、それでもやはり勝てなかったので、元の形に戻ってしまったのかな?と推測しています。
東海学園大のチームの方針として、もしかしたら全国で勝つよりも個人の能力を高めることに重きを置いているのかな?と感じることはあります。いくらパス回しがうまくても、それに反応してくれる周りの選手がいないと上のカテゴリーに行ってもその能力は活かされません。でも、ドリブルやボールキープの能力を高めることで、上のカテゴリーで十分勝負できるだけの実力を身に付けることができる。その方が、個々の将来を考えると絶対プラスになる。そういう指導法なのかな?と推測すると、このスタイルに拘る理由も納得です。事実、ここ数年は東海学園大から何人もJに入る選手がいることからも証明されていると言えるのではないでしょうか。
大学サッカーって、目標やゴールが一つではないからこそ面白いのであって、そういう違ったスタイルを楽しむのも醍醐味なのかもしれない、と最近やっとそう思えるようになりました…

7/2 北海道学生リーグ1部@北海道教育大学岩見沢校グラウンド
北海道教育大学岩見沢 2-0 旭川大学

4年ぶりの北海道です。そして、4度目の岩見沢です。岩見沢って新千歳空港からIC1枚で来れるとあって、なんか遠くに来たって感じが全くしないんですよね〜←それは大いに錯覚です(笑)
過去の岩見沢訪問って1度目が曇り、次はまさかの雪(笑)、そして3度目は雨と何故か天気が良くないんです。で、4度目の今回はというと…、曇り(笑)やっぱりか…。唯一晴れ間が見えたのは、雪が止んで2試合目の終了間際になってから。てか、北海道で大学サッカー見に行って晴れてたのは札幌市内で見た日と、この翌日の函館だけです(ちなみに、夕張に行った時も曇りでした)。まあ、天気には恵まれてませんね…

JRの岩見沢駅。大きくて綺麗な駅舎が特徴です。
北海道教育大学岩見沢校の正門。
芸術系のキャンパスらしく、
校舎からクラリネットの音色が聞こえてました。
北海道教育大学岩見沢校のグラウンド。
土手沿に申し訳程度にベンチが設けてあります。

この日の目当ては旭川大学。1部に上がってからずっと見たかったのですが、何せ無観客試合が続いていたのでようやく見ることができました。
初めて見ての率直な感想は、岩教大と札幌大を除くチームの中で一番伸びしろのあるチームではないかということ。北海道の大学リーグは言わずと知れた、岩教大と札幌大のほぼ2強状態。そこに去年のインカレの東海大札幌や数年前の総理大臣杯の北海学園大のように、たま〜に違うチームが全国に出てきます。でも、ほとんどは全く通用するどころか、ほぼ何も出来ずに帰っていくことになります。まあ、2強ですらそれに近い状態の年もあるので何とも言えませんが…。
それらのチームと岩教大との試合を見る機会もあるのですが、押されてしまって単発のカウンターしか攻め手のない残念な展開が多く、力の差を感じてしまうのです。しかし旭川大学は岩教大に対して物怖じしない、前線から激しくプレスするスタイルで序盤から試合のペースを握っていました。札幌大の日程消化の関係で図らずも首位攻防戦となったこの試合。勿体無かったのは、終了間際にちょっと厳しい判定ながらPKを与えてしまったこと。それで、試合のペースを失ってしまったなと…。

試合前の挨拶をする旭川大学の選手たち。
ブルーのユニフォームが鮮やかでした。
巧みなボールキープで岩教大DFを翻弄する。
彼の動きにはかなり手を焼いてました。
エリア外から放ったシュートはわずかにバーの上。
これが決まっていれば、悔やまれるシーン。
やや厳しい判定でファールを取られ岩教大のPKに…
旭川大のいい流れがこれで切れたかな?と…

その後は落ち着きを取り戻した岩教大が完全に試合のペースを握ってしまう。前半の勢いはどこに行ったかくらい、旭川大の勢いは終息してしまいました。まだまだ力の差は大きいのでしょうね…。追加点の奪った岩教大が後半だけなら危なげない試合で完勝。ガッチリと首位をキープしました。

抜け出したFWに釣り出されたGKを交わしてゴール
岩教大にとっては2点あれば安泰な試合でした。

旭川大の選手のポテンシャルの高さは十分見て取れましたが、やはりそれでも岩教大にはまだまだ敵わないのが現実のようです。とはいえ、勝った岩教大にしてもこのレベルでは全国では全く通用しないでしょう。言ってしまえば、関西1部で下位に沈みながら総理大臣杯に出場を決めた大阪学院大とやっても、正直なところ勝てるかどうか怪しい。それくらい差があるかな?と…。他の北海道の大学と違い、本土からの選手が多い岩教大ですが、それでもやはり全国とのレベルの差は否めないと感じます。

試合前の北海道教育大学岩見沢の選手たち。
個人的には「お馴染み」のユニフォームです。


さらにもう一点。岩教大の彼らのその後についても触れておきたいです。教育大ということで、必然的に教員を目指す学生がほとんどです。岩見沢はまだ、教員資格を必修としない課程があるとはいえ、やはり多くの学生は卒業後は教職に就くことでしょう。昔の教職と違い、今は「教師をしながらサッカーを」なんて時間の余裕はほぼ存在しません。必然的にサッカープレーヤーという立場から退かざるをえない。
そんな厳しい中でも、卒業後もプレーヤーとして活動する選手がいるのもまた事実。岩見沢を拠点に北海道リーグに所属する北蹴会岩見沢に何人かのOBがいたり、また遠く関西リーグのLaranja KYOTOにも一人、岩教大のOB(忠政慶之、岡山U-18→)がいたりします。卒業後も岩見沢やその他の北海道に残って、プレーヤーとして活躍する選手が増えるといいのにな、などとそんなことを思うのでした。

岩教大OB、関西リーグで活躍する忠政。
彼のような選手が増えるといいですね…

最後に北海道学生リーグについて。全国の大学リーグのうち、リーグの公式ページに公式記録や登録選手の情報が一切ないのは北海道だけなんです。関東関西みたいにパンフの販売があったり(今年から東北も通販が始まったのとことです)、また東海みたいに電子パンフレットが見られたりまではなくとも、他のリーグでもHPに掲載されているのが当たり前のようになってきた昨今、そのどちらもない、しかも各チームもそれらの情報をほとんど発信しないというのは、日頃から大学サッカーを見ている人たちにとっても、興味を持つにはかなりハードルが高いのではないかと思うのです。いろいろと頑張っているとは思うのですが、北海道学連のみなさんにはもうひと頑張りしてもらいたいなと、そう思うのです…。

7/17 中国地区大学リーグ1部@広島大学ドリームフィールド
広島大学 3-0 環太平洋大学

中国方面の大学サッカーを見るのはいつ以来だろうか…。たしか、シティライトスタジアムでの環太平洋大学の試合だったような…。なかなか見に行けないし、大学のグラウンドがほとんどなので普通の人はまず行かないですよね。そしてこの日の試合も、そんな大学キャンパス内のグラウンドでした…(笑)

16:00キックオフと時間に余裕があったので、キャンパスのある東広島市西条地区を散策。酒どころということで近年では「酒都西条」と豪語しているようです。たしかに駅の周辺にこれだけ酒蔵があると、そう言っても文句は出ないでしょうね。次はゆっくり回りたいですね。

「ようこそ呑兵衛の街」と言われているよう(笑)
ここは「酒都」西条駅です…
全国的にも有名な銘柄、賀茂鶴の酒蔵。
物販コーナーが充実してました。
駅近の西条酒蔵通り。
これだけあると酒豪もベロベロになりそう…
広島大学南グラウンドの人工芝サッカー場。
東広島ドリームフィールドというらしいです。
そして、ネットに囲まれた劣悪な感染環境(笑)
でもその代わり、道路を挟んだ観戦スペースは
木陰に囲まれてたので暑さからは逃れられました…

このカード、実は開幕から共に負けなし。ガチの首位攻防戦です。しかも広島大は6試合で得点17失点3という守備の堅さが際立ちます。逆に長年中国地区の大学を牽引してきた環太平洋大は得点20失点8とやや「らしさ」のないシーズン。直前の総理大臣杯予選でも、準決勝で周南公立大学(前の徳山大学)に1-2で敗れ、総理大臣杯出場の逃したところ。ここは確実に勝って首位をキープしたいところ。
しかし、いざ試合が始まってみると広島大のサッカーの質の高さが目立つ展開に。立ち上がりこそは環太平洋大が攻めてましたが、10分も経つと広島大がボールを支配する時間帯が増えてきます。しかも、しっかりとブロックを作って守る広島大の前に環太平洋大は全くボールを前に出すことも出来ない苦しい試合運びとなる。そのまま前半が終わるかと思われた42分に広島大がPKを獲得、先制して前半を終える。

エリア内に入った選手を倒してしまいPK。
流れの悪い中での痛恨のファールでした。
広島大11番酢谷が決めて先制。
貴重な先制点をもぎ取った。


後半もやはり広島大ペースで進み、2点目は59分。直前に交代で入ったばかりの入江がサイドから中に切れ込んで、そのまま放ったシュートがゴールに突き刺さる。

入って2プレー目くらいだったかの入江のゴール。
いや〜、キレッキレのプレーでしたよ。

挽回しようにも全く攻め手の見つからない環太平洋大にとっては、後半はただ時間だけが過ぎていく嫌な展開に。そして、前掛かりになった環太平洋大の裏を突いた広島大学ATにダメ押しの3点目。首位攻防の1戦はまさかの3-0という大差のついた試合となった。

3点目のゴールに喜び合う広島大。
首位にふさわしい試合運びでした。

I環太平洋大についてはいずれお話しする機会があるかと思いますのでとりあえず割愛させてもらいますが、広島大については想像以上でしたね。この2、3年くらいは上位に食い込む成績だったので、そこそこ実力はあるだろうくらいの感覚でしたが、そんなことは決してなく本当に強かったです。
特に感じたのは、単純に上手い選手が多いということ。しかも、実力のある学校出身の選手が特に下級生に多いのが特徴的と言えるでしょう。ボランチの2人、14番の中村は帝京長岡、21番の香取か広島U-18出身で中村が2年、香取が1年。CBの5番高橋は山梨学院の3年、左サイドの17番酒井は東福岡、右サイドバック2番山邊は山口U-18出身のそれぞれ2年。GKの井上と途中出場で1ゴール1アシストの入江は3年と1年で、それぞれ地元の瀬戸内と広島皆実出身と、主力メンバーが軒並み強豪校出身者揃い。東福岡や山梨学院などは部員数が多いので学校の名前だけで実力を測るのはどうかとも思いますが、実際にプレーを見るとその実力は、それ相応のものではないかと思いました。やはり、そういうものなんだろうな〜と…。

広島大のボランチ、1年生の21番の香取。
攻守にわたる活躍を見せてました。
香取とコンビを組む14番中村。
帝京長岡らしい、柔らかいボール捌きが特徴的。
右SBの山部は山口U-18出身。
前後を激しく走りチームに貢献してました。
山梨学院出身のCB高橋。
地味ながらIPU攻撃陣に仕事をさせませんでした。
ゴールを守るのは地元瀬戸内出身の井上。
よく声の出る、いいキーパーでした。

もちろん上手い選手が増えたというのが広島大躍進の大きな要因の一つでしょうが、それに輪をかけるようにこの試合の会場となった人工芝グラウンドの存在も大きいでしょう。いくら高校時代に実力があった、上手かったとしても、大学あるいは社会人やクラブに入って、そのチームの練習環境が悪かったりするとプレーの質も悪くなってくるんです。言ってしまえば高校時代はきれいに整備された人工芝のグラウンドだったのが、ボコボコの荒れた土のグラウンドに変わるだけでボールタッチの感覚が鈍ってしまい、それが要因でプレーの判断が鈍ってきてしまい、結果としてプレーの質が落ちてしまう。それくらい練習環境というのは大事なんです。
この東広島ドリームフィールドと呼ばれる、広島大学東広島キャンパス内に作られた人工芝グラウンドが竣工したのが2019年4月。で、先程紹介した選手たちが入学してのはそれ以降ということで、高校時代の実力をうまくキープした状態を保てているというのも、躍進の大きな要因の一つと言えると思います。
さらに、彼らに引っ張られるようにサッカーエリートではない他の選手たちも、刺激を受けて成長しているのではないかと試合を見ていて感じました

キャプテンとしてチームを引っ張る菱沼。
神奈川の横須賀高校出身の4年生。
理学部物理学科のインテリプレーヤーです。
プレッシャーを掛けに行く8番岡田。
超地元の広高校とサッカーは無名ですが
エリートと並んでも引けを取りません。
ダメ押しゴールを決めた福西は清風南海出身。
彼も工学部に籍を置く4年生。

サッカー偏差値の高い選手に、元々地頭のいい決してサッカーエリートとは言えない、でもサッカーの上手い子たちがクレバーなサッカーを展開した結果が、今の大躍進に繋がったのではないか。そう考えるとサッカーはやはり頭を使うスポーツだな、とつくづく思うのです。このまま広島大の快進撃が秋まで続くのか?今後の中国地区大学リーグから目が離せないです。

冒頭にもお話ししましたが、関東、関西以外の大学サッカーを見る機会ってそうそうないかと思います。それらに触れることすらほぼないと思います。が、実際見てみるとレベル的には関東には及ばないものの、それぞれに十分楽しめる要素は存在します。そんなことをわずかでも感じ取っていただけると幸いです。そして少しでも興味を持たれた方は是非一度、現場に足を運んでみてください。

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