スポーツの秋を正しく迎えるには、春先のウォーミングアップが大事だよね、というお話

朝晩が涼しくなってきて、そろそろ秋を迎えるのかななどと思える、そんな気候になってきました。「スポーツの秋」なんて言いますが、日頃運動をする習慣のない人にとってはあまり実感が湧かないわけですが、春シーズンのスポーツを見ていると秋に差し掛かると「シーズンも差し迫ってきたな」などと思うわけです。

定期的に見に行っている、東京武蔵野ユナイテッド。10月入っていきなり奈良での試合、奈良クラブ戦に行ってきました。結果から言うと、残念な限りの逆転負け。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と某野村克也氏がおっしゃってましたが(なぜ無意味な伏せ字を使った?)、まさにその言葉通りの展開でした。
先制したのは武蔵野。前半24分に小野寺のゴール。DFがブラインドになったのか、キーパーが全く反応できなかった、そんな「技アリ」なのか、それとも「偶然」なのか分からないゴールでした。

先制点のシーン。小野寺が決めたはずなのに、なぜか手前の本田がガッツポーズ(笑)そして、パスを出した澤野が後ろで倒れてる、という実にカオスな場面(笑)

まあ、ここまではいいんです。ここからですね、いつもの問題は。今年通じて言えることなんですが、絶対的にチーム全体の体力がない。特に後半のガス欠具合は半端ない。この日もそうでしたね。前半の終わりくらいから、奈良クラブに走り負けするシーンが増えてくる。そして後半15分に追いつかれる。

同点の場面。右からのクロスをダイレクトで合わせてのゴール。ダイレクトかつキーパーとポストの僅かな隙間に決められたら、まあ諦めもつきますね…

一旦追いつかれると、さらにバタバタ、ズルズルとラインが下がっていき、試合は完全に奈良クラブのペースに。で、残り10分ということろでセットプレーから繋いだところを都並が「ここしかない!」というディフェンスの隙間をズドン!と決勝ゴール。武蔵野は反撃する力もなく、逆転負けとなった。

いや〜、勝ちたかった。ホントに勝ちたかったし、勝てない試合ではなかったと思うんです。まあ、この試合に関してはどっちが勝っても「不思議な勝ち」ではあるんですけどね…(笑)
まあ、せめて勝点1だけでも上乗せしたかったよね、正直。周り(順位が下のFC刈谷、一つ上のホンダロック)がともに負けてくれてるからまだ救いですが、そんな幸運がそう続くとは限りませんし。とりあえずは、16日のホンダロック戦と来月20日のFC刈谷戦両方勝てば、少なくともその2チームより上に行けそうな気がするので、そこは絶対落とさない。その上で、一つでも勝てればなんとか入替戦回避で残留できるかな〜?などと楽観視してます。でも入替戦、そして関東リーグ降格もサポーターはすでに覚悟していたりします。まあ、仕方ないよね…

さて、今年の武蔵野がなんでここまで走れないのかと考えてみると、コンディションが上がってこないんだろうなと推測します。この時期になって、まだ上がらないというのは異常ではありますが、それについていくつか考えられることを挙げてみようと思います。

まず、間違いなく言えることは「練習時間が足りない」ということ。練習時間が足りないので、チーム全体としての戦術練習が果たしてどこまで出来ているのか?仮に戦術練習に時間を割いているのであれば、必然的に基礎体力などの体づくりをする時間はほぼない、と言っても間違いないかと思います。
実際、チームが今どれくらいの頻度と時間で全体練習が出来ているのか定かではない。そういう情報を一切公表していないからだ。しかし、少なくとも、毎日のように練習が出来ているとは到底思えない。あくまでも推測ではありますが、週に3日2時間程度でも出来ていればいい方ではないでしょうか?しかも他の多くのJFLチームと違い、昼間ではなく夜の練習のはずです。
さらにその練習すら、まともに出来ているとは限らないのです。チームのある東京は今年に入ってから緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置がほぼ出っ放しという状態。そんな中、仕事終わりの時間帯に果たして十分に練習ができているとは思えないです。もしかしたら週1で出来ていればいい方かもしれません。それくらい環境は厳しいのではないかと、そう思うのです。
それだけ練習が出来なかったら、まあこの状態というのも無理はないのかもしれません。
と言うことをあれこれ考えると、そんな数少ない練習時間でコンディション調整に時間を割くとは到底思えませんので、必然的に戦術練習がメインとなるのではないかと思うのです。

そこて、もう一つの要因。「基本的な走り込みができていない」ということ。地域リーグやそれ以下の県、府、都リーグレベルであれば、そんなに走らなくてもなんとかなったりするものですが、JFLレベルになってくるといくら上手くても、元J1レギュラークラスの選手だとしても走り負けしていてはまず勝てません。それはワールドクラスのリーグでも同じです。世界共通の事実です。1試合90分で10km以上走る選手がザラにいることを考えれば、当然だと思います。
近年「わざわざ走るだけの練習は必要ない。サッカーに必要な走力は、サッカーをやることで付けることができる」みたいな指導法がよく謳われています。でもそれが通用するのは、あくまでも中学生くらいまででしょう。高校生以上になれば、そんな柔な走力練習では通用しません。
JFLのトップレベルのチームの試合終了後、スタメン組がクーリングオフしている間にサブメンバーは何をしているかというと、ピッチの周りを何周も走っている、という場面を何度も見ました、それも試合に出た出ないにかかわらずかなりのスピードで走ってました。「走るだけの練習って1人でも簡単にできるんじゃないの?」って思うかもしれませんが、実はその「走るだけの練習」が実は一番難しいんです。よほど強い意志がないと続けられないものなんです、マラソンランナーならまだしも…。そうやって、スタメン組と同じくらいの「走り込み」をサブメンバーにも課すことで、走力のバラツキをなくす努力をしているのだと思います。
そういうチームは当然のことながら、日頃の練習でも走るだけの練習にある一定の時間を割いていることと思います。練習時間が短い、毎日練習が出来ないチームは、その「走るだけの練習」をするだけの時間が絶対的に足りないし、それを全員が個々の努力で補うことはまず不可能と言っても過言ではないかと思います。そして、その走力の差が最終的にチームの実力の差に繋がっているのも事実です。
武蔵野の現状を考えるとシーズンスタートからこの時期まで、ほぼまともに走り込みの練習なんて出来てないと思われます。前半はなんとか前線からのプレスが効いているが、後半は全く効かなくなりズルズルとラインが下がってしまい、ボディブローのように相手の攻撃を受け続けていてはそうそう勝てるわけもないですよね。現代サッカーは技術云々もさることながら、90分間フルで走り切れるだけの走力は必須なのです。それが足りていない今の武蔵野が勝てないのは無理もないです。

今年の武蔵野の低迷は、練習時間が足りない→戦術練習に時間を割かざるをえない→走り込む時間がない→体力が落ちてくる→コンディションが上がらない→試合で勝てない→さらに戦術練習に時間を割く→走る時間がない→体力が落ちる…という、負のスパイラルの繰り返しが主な要因ではないでしょうか。あと、怪我人の多さもあるのですが、これも走り込みが足りず、体力が低下し、コンディションが上がらない状態で無理な戦術練習を行うことで、怪我を誘発しやすくなっているのではないかと思われます。
一旦シーズンが始まると体力強化に取り組むのは難しいと思います。やはりシーズン前にある程度、体力強化メニューに取り組む必要があったにもかかわらず、その時期に今年の武蔵野は練習がまともに出来なかった、というのが今年一年通じてコンディションが上がらない最大の原因ではないでしょうか。

と、ここまで今年の東京武蔵野ユナイテッドの不調の原因を考えてみましたが、そんなこと言ってたって今までの結果が覆ることはないわけで。今出来ることは、とにかく前向きになること。とりあえずは前述の2試合は最低でも勝つこと。それに期待するしかないのかな?などと思うわけです。「勝ちに不思議な勝ちあり」が、残り10試合で3つか4つ起こればそれでいいんです(笑)。それくらい楽観的に考えていこうかななどと呟きつつ、これをもって今回の締めとさせていただきます。

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