27 少年猿飛佐助

【MY FAVORITE SONGS 27(私は音楽でできている)】
 
 『少年猿飛佐助』は1959年東映動画の作品です。映画館ではなく、テレビで観たのですが、何度も観た記憶があるので、結構放送されていたのだと思います。それから、大人になってビデオを借りて見直したこともあります。

 昔話の「桃太郎」では、鬼退治に犬、猿、雉をお供に連れていきますが、猿飛佐助も動物が仲間になるスタイルが踏襲されています。そして、戸沢白雲斎という仙人のもとで忍術修行をするあたり、「ドラゴンボール」の亀仙人など、多くのアニメ作品に引き継がれていると思います。日本の伝統芸であるアニメ黎明期に位置する大切な作品なのではないでしょうか。

 『少年猿飛佐助』は勧善懲悪で、少年が活躍して悪い夜叉姫や山賊をやっつけるというシンプルなお話です。いまのアニメも子どもや少年が活躍しますが、もっと複雑になっていると思います。私は、もっとシンプルなお話が、現代には必要な気がします。

 視聴率の関係からなのか、「水戸黄門」「大岡越前」「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」「銭形平次」等々、時代劇の定番がテレビから消えていって、ストレスをスカッと解消してくれる番組がなくなったと思うのです。世の中、裏の事情はいろいろあるけれど、悪い代官や強欲な商人が成敗されて、必ず正義が実現されるというお話が毎週あってもよいのではないかと思います。「半沢直樹」がもてはやされるのは、やっぱりスカッとしたいのではないでしょうか。

 強く残っているのは、どんどん佐助に迫ってくる夜叉姫の恐ろしさです。とにかく顔が怖いのです。私の中に、深く刻まれた女の人の恐ろしさの原型は、おそらく夜叉姫だと思います。女性と話していて、ふとそういう姿が思い浮かぶこともありますし、もともとそういう顔立ちの人に出会うと、無意識的に警戒してしまっているかもしれません。(笑)

 主題歌は、子どもの頃の私に、くじけない気持ちや勇敢さを与えてくれたと思います。全部は歌えなくても、いまでもところどころで口ずさむことができます。私の中で、ずっと生きてきたのだと思います。

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