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元作詞家の見解「見た目 ②」

人は100%見た目です⁉️

俺? 違うから… 

 前回に続き別件②になります。

 これも①話と同時期、ドーム事件から少々後だったと思います。舞台は渋谷でした。

 11月の終わりから12月半ば頃の寒い夜で、その日は友人女性と食事をする約束があり、待ち合わせの渋谷の店に向かっていました。東急百貨店本店前から文化村方面に歩く路すがらでの出来事。

 元来寒さは苦手故に、鞄を脇に抱え少々前屈みに歩いていたのだと思います(大概そうする筈なので)、前方は余り気にせずに。そこでふと視線を上げた際に、デパートの壁際、とあるカップルがいることには気づいておりました。私は車道に寄ったガードレール側を歩いていたのですが、そのお二人を通り過ぎるか過ぎないかのタイミングで、突然その彼氏が歩道を横切り私に近付いて来たのです。何かされるかと
驚いてガードレールに追い込まれながら彼の顔を見ると、銀縁眼鏡の所謂地味目な青年で、か細く震える様な声で私にこう言ったのです。
「あの〜すいません、今日の夜会のチケットはもうありませんか?」
「はあぁ?」と思いながらも私は一瞬で起きている出来事の事情を察知しました。

① このカップルは今夜、文化村で行われる中島みゆき氏の〝夜会〟というコンサートにやって来た。因みにこの頃中島みゆき氏は毎年恒例の公演として、文化村ホールで〝夜会〟と銘打ったコンサートを行なっておりました。
同時に「ああ、もうその時期なんだなぁ…」と思う余裕があったか否かは不明ですが。

②この二人はチケットを持ってはおらず、現地で何らかの手段を持って入手することを考えていた。

③最悪の手段だったのか?最初からそのつもりだったのか?二人は辺りにいる〝ダフ屋〟さんからの購入を決心した。

④するとそこへ其れらしき人物が歩いて来たので、清水の舞台から飛び降りたかは定かではないにせよ、思い切って声を掛け尋ねてみた。

⑤結論から言えば、彼の目には私が「ダフ屋」さんに見えた、私としては「ダフ屋」さんと認識された。

ということです、あー😮‍💨…

失礼な奴だと思いつつも、
「違う違う、俺違うから」
と多分言いました。彼は思い切った行動が不発且つ的外れだったことに落胆したか、
「あぁ、すいません」

 急いでいるとは言え、気の毒に思った私は特に事情を聞くこともないまま近くにいた本物らしき業者さんに代わりに尋ねてみたのです。残念ながら返事は〝SOLDOUT〟でした。しかしこんな至近距離にいて、何故そちらに行かず私の方に来たのでしょうか? 比較的声を掛け易い業者に思えたのか?まあ前回同様、心外は心外ですが。

 結果を伝え、チケットは事前に準備することを助言し私は待ち合わせの店に改めて向かいました。

 待たせた女友達は一連の話に大笑いし、確かドーム事件のことも話したか、それはそれは色々いじられました。
「これからはさぁ、好きなファッションスタイルを聞かれたら〝ダフカジ〟ですって言わなきゃねー」
アメカジでも渋カジでもないダフカジなんだそうです。その日は確か黒のブルゾンにキャップを被っていたか、顔も髭面故に、うーん、見えるっちゃ見えるか。

 という訳で①と②の妙な共通点、それは「ダフ屋」さん関係者と勘違いされたという点です。
 実はその当時アルバイト感覚で片手間に、所謂夜の銀座でモテたいご年配の方々からのご依頼で個人的にスタイリングのお手伝いをしておりました。その際の私の口癖は
「いいですか、なんだかんだ言っても人は先ず100%見た目からですよ!」でしたので、とすると…。自信のあった持論が揺らいだ瞬間でありました。

全て事実なのがショックです🤯
くだらない話にお付き合い頂き有難う御座いました🙇‍♂️

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