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元作詞家の〝チョイ長〟呟き…意識革命

 中学一年時の文化祭でのこと。音楽好きの連中は学年問わずバンドを組んでのライブ発表・・これが中々熱の入ったしっかりとしたものでした。三年生にもなると楽器の演奏技術にも一応のレベルが有り、たった二学年の違いとは言えど随分大人の存在に感じられました。

 プログラムにあるバンドの一覧から特に私の目を引いたのは、三年生の女子たちにより構成されたガールズ・バンドでした。紹介記事には確か「熱いロック云々」とあり、お姉さん方が演奏する熱いロックとはどんなものかと
興味を持った訳です。

 会場の音楽室には暗幕が引かれ、スポット照明も用意されてそれなりの雰囲気がありました。一年坊は遠慮して
席には着かず後方の立ち見。可愛いがって頂いた女子の先輩に、席がある旨手招きされても「此処で充分です」的なジェスチャーでやんわりとお断りするシャイな一年坊でありました。

 これが所謂「甲斐バンド」のカヴァー・バンドでありました。正直私はそれ迄「甲斐バンド」なる存在を知らずそこで初めてその楽曲を耳にするのですが、

あなたに抱かれるのは今夜かぎりね

といった詞の内容や結構ハードなパフォーマンスに、少し大人の世界を垣間見た訳です。所は中学の音楽室ではありましたが。演奏も中学三年生の女子…従って彼女たちは、一年前には小学生だった子供の目から見れば物凄ーく大人の女性だったのです。大人が聴く、素人子供には初耳の邦楽ロックとはこういうものかとそれなりの衝撃でありました。ピンクレディーが人気の最中、私も既に意味の解らない洋楽は聴いておりましたが、それにしてもバンドの彼女たち、随分とオマセさんだったのではないでしょうか?

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