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#3.×がんとの闘い 〇浄化・共生 

パパの大切なガオちゃんへ。

パパのところに来た病気は「がん」といいます。
ガオちゃんは今スクスク大きくなってるけど、それは体の中で細胞が分裂して「破壊」と「再生」をものすごいスピードと回数で繰り返してるからです。ビュンビュンって。
ガオちゃんほどのスピードじゃないけど、同じことはパパやママ、みんなの身体でも起こっています。毎日毎日すごい回数起こるから、たまに「ミス」も起こる、そのときにできるのが「がん細胞」です。

ふつうはね、がん細胞ができても大丈夫。というかみんな1日5000個くらいできてるんだって。でも、たまにがん細胞が暴れだすとがんという病気になります。がんになったら病院でお薬とか使って治さないといけません。パパもなんども入院したけど、ガオちゃんはたくさん会いに来てくれたね。ありがとう。

がんを治すプロセスを「がんとの闘い」「がん細胞を殺す」とか言ったりするけど、パパはあんまりこの表現好きじゃないんです。なぜなら「がん細胞」はもともと自分の正常な細胞だったから。おそろしい形に変わってしまったけど、もとは自分の正常な細胞です。たとえるならば不良みたいなものよ。ちょっと注目してほしくて悪さしてるだけだと思う。闘うのは火に油。

だから、パパは「闘い」じゃなくて「浄化」とか「共生」みたいなイメージをいつもしている。抗がん剤が体に入って、がん細胞を優しく抱きしめて一緒に浄化されていくイメージ。(実際の治療はそういう激しい闘いをやって、パパはそのおかげで生きてるんやけど)イメージの中だけでも、もっとやわらかい方法で解決したい。

大事なのはがんの言い分を聞いて、「そうですか、わかりました。ありがとうございます。でも、もう悪さはしないでね。パパも悪かったね、ごめんね」ってお話することです。保育園でも友達にバンってしたら、お互い痛いし、イヤやろ?

きれいごとかもしれんけど、これがパパの生きる道よ。

それとね、がんがやってきたのには必ず意味があるはず。「がんは生活習慣病」だとも言われるけど、パパなんてQOL高めのゴリゴリ健康的な生活してましたからね。がんはなにか伝えたいことがあって、来たんだと思ってます。「がんはメッセンジャー」とも言ったりするらしいよ。

パパが受け取ったメッセージもたくさんあるけど、それはまた別の手紙にまとめますね。

ちなみに写真の画はね、最初の入院のときにママが描いてくれたイラストです。抗がん剤が、役目を終えたがんを体の外に運んで行ってくれるイメージ。かわいかろ?いろんな存在がパパの元気のために協力してくれてます。

ガオちゃんはいつもパパの一番の元気の源。あなたがいなければパパはとっくにいろいろをあきらめていました。パパとママのもとに来てくれて本当にありがとうね。今日も愛してるよ。

230915パパ

P.S
パパは最近まで「がん」のことを「ポン」と言い換えてたけど、Messenger編集長の杉浦貴之さんの考え方を聞いて、「がん」に呼び方を戻しました。以下、ご本人のブログから引用。

「ポン」と言い換えても所詮、対症的な方法。世の中には「がん」という言葉が氾濫しているのだ。それよりも確かなのは、「がん」からネガティブなイメージを払しょくし、「がん」という言葉を聞いてもビクともしない心を作ること。

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