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ノキドア初見録


ノキドアって、面白かったですね!

わたしは堤監督作品のファンでしたので楽しみにしていましたし、ドラマ放送前にもちろん原作も買いました
……残念ながらAmazonがお急ぎで運んでくれた原作本はガスメーターから直に友人に没収され、
「何も知らずにドラマを見て、毎回本気で感想言ったり予想する姿を見せて欲しい。初見反応モルモットになってくれたらカタシロのKPをしてやろう」
と取引を持ちかけられたため、ドラマ終了まで読むことは出来なかったのですが……

以下は、無知を曝け出し続けている放送期間中の自分のツイートを一部引用し、ようやく読了できた現在の私が過去の私を野次りつつ、感想を言おうと思います。

パッションでTwitterをしているので引用元には誤字脱字がめちゃくちゃあり、日本語もたまに怪しいですが、ノキドアで育てたあなたの読解力の出番です。汲んでください。
また、面倒なので時系列はバラバラです。それも旨みと捉えてください。



初見反応と読了後の感想

もしもし、読了後のわたしです。わかりませんでした!!!!!!!!
他人には理解し難い2人の共同経営ですが、いきさつを知って2人がともにいる姿をお楽しみコンテンツにしている我々には「一生はんぶんこ探偵でいな〜〜〜?」と言わざるを得ない魅力がありますが、すごく高潔であったり、あまりにも「正しい」人物が登場したりすれば、いつかきっぱりと裁かれてしまうのかなあ…とも思います。まあそういう人も、面白いから見たいんですけどね〜〜。


火の玉ストレートすぎる。
原作読まずにこの結論に至るの、奇跡か?と思いましたが、まぁ、氷雨のことを見てれば大人としては普通にそう思いますよね。
この時点ではドラマで氷雨がやってることってインターネットができて現国の点数が良い人ならできる感じ(大げさな物言い)だったのもあり、余計にそう見えたのかも、とは思います。原作だと動機以外の読み解きもしてるんですけどね、この後放送の十円玉回では推理の切れ味がいいことも判明してますし。でも、探偵してるモチベについて考えてるのはまあまあ鋭い。現在の氷雨は仕事に適応しているとして、元々は探偵向きかと言われたらどうでしょう…?って感じですからね。
っていうか、ドラマの方の氷雨がゼミの発表のシーンで「未来の名探偵がほぼ解いたんですけど…」みたいなこと言ってるの、あまりにもこれから大きく異端へ舵切るための「凡」を強調しすぎてて、趣味悪〜!ってなりました。



ごめん、もうなにかあったよ…(笑)
周りの予想を超えたことも、過去にすでにしています。お前の感じている不穏は、もうすでに起きたことです…何も知らずに「大丈夫なの?」と言っている過去の自分、あまりにバカで面白い。道化か?
こんなバカを見かけたら、私だったらネタバレしたい欲が抑えられなくなりそうですがフォロワーさんたちよく耐えたな…


ドラマ版の氷雨、顔がティーンみたいにかわいいのに表情が30オーバーの人生経験値じゃないと出ないだろって苦みや湿りのある表情するから不穏なんだよなあ!原作で「印象的な目」と見たとき、「へ〜!原作でもそうなんだ!」と逆すぎる感想を抱きました。
印象的に光り、語る目についてですが、逆に、最終話ではがらんどうになっていてびっくりしましたね。原作読んでない私でも4人が向き合って座ってるシーンを一瞬見ただけで氷雨が完全に「この世の終わりの目」をしていて、あー、氷雨がやったんだ…と思いました。あんなセリフもなく、動きもなく、遠くから撮っただけで「あの人やばい」って目できる人見たの、阿部サダヲさん以来です。西畑大吾さんマジですごい。


終わってるハチクロ、結構あってるから怖い。

「謎」は彼らにとって、一度断絶してしまった絆に絡まるような形で、彼らの関係を補強しているものなんだな、と感じていて。他人が生んだ軋み痛みでできた謎の上で笑い合う倒錯した友人関係は楽しいかい君たち〜?♡と個人的には思っているので、ハチクロの「愛」や「芸術」みたいな部分を「執着」と「謎」に置き換えたら、けっこうノキドアになる可能性が…どうでしょうね!?でも倒理ってはぐちゃんオルタみたいなとこあるし…


「こういうこと言うからお前は初見リアクションに向いてる。いいモルモット。」と友人が言ってくれました。モルモットとしての機能が評価されて誇らしいです(いやです)。
ここについては最終話まで見てちょっと感想変わりましたね。
美影は殺されたいボーイズではないかも。
感情を委託されて少しずつヒューマンがわかってきたとして、自らが望むラインの人間性を獲得したかどうかは数値に出ない。だから自問自答だけではなくて度々本物の人間でテストしてまたその反応を見る必要がある…などなどの理由で、何もかもを知っているのに友達の延長をやれる人々に発信する。自分が動いたら、みんながサッと集まるのも「なんだかいいかんじがする」。私が美影の立場だと仮定したら、お手紙を送る理由はそれかな〜
美影は仕事を気に入ってるって言ってて、動機もあるけど、でも彼にとっての「満足」の分析は進んでいない感じがします。そのうち出頭するかも、って原作には記述がありましたが、満足したら出頭するのかな。どうだろう。


全部読んだ末に思ったことは、殺されたい気持ちの根源は罪悪感としても倒理を犯罪者にはしたいわけではなく、破滅願望でもない。殺し殺されする生物として、どうも対等でないような気がします。例えば、自分の片腕を密室の謎の中にピン刺ししたけど、その先は自分でもどうして良いかわからない、自分よりもっと大きな存在に展翅されるのをひっそり待っている…みたいな。謎を暴く概念を倒理の中に見て、それに殺されたがっている気がします。氷雨くんは自分が望む綺麗な標本になれたかな〜?うん〜?


予告でまあまあ筋のいいキレかたをしていて面白い。本放送では先に「僕が君を追いかけるよ」問答があってからここのシーンでしたね。やっぱり先に自分の行動を示してた。ちょっと当たって嬉しかったのを覚えています。
おもしれードラマ……それはそれとして、やっぱり倒理の話は最後まで聞いてから探すなって言えよ!倒理なんだから続きで何言うかわかんないだろうが!
何言うかわかると思ってんならそれは完全にお前の驕りです


行ったらバカ面白いけどな。
氷雨の中の人が船から虹を撮った写真をブログに乗せていたので、ノキドア水着回の可能性に震えていますね。でも倒理が海派とかいう設定がドラマで開示されていたので、その怯えは間違いじゃない。ノキドアに出てくる人はだいたいシニカルな観察眼をした人々ですが(それは地の文の青崎先生の癖ともいう)、人々の趣味嗜好はとても普遍的なので、可能性はゼロじゃないから!!
全てを忘れて水着回を挟め!!!!!!


あんな探偵!どうせ倒理のことなんか何にもわかってないんだから!ドンガラガッシャーーーン

ここから先は隙自語でノキドアの話じゃなくヤンデレの話なので読まなくていいですが、わたしはUSJの最高傑作ホラー「トラウマ3」に行ってからずっとそこで得た最高の体験のことしか考えられなくなり、似たスリルをずっと探しては外していました。ですが友人が「お前、血とかバケモンじゃなくて、豹変して怒鳴る人間が好きなんじゃない?お化け屋敷漁るのやめてヤンデレのCDとか買いな」と冷静に分析してくれたため、例のヤンデレCDに平成の終わりにたどり着くことができた経験があり、ネタ抜きで大好きです。冒頭で引用した渚ちゃんのCDは「他の誰でもない!わたし!」の「わ!!」のアクセントの置き方に凄く自己を肯定させたいという必死さが感じられてかわいいですね。良すぎて他シリーズも買えるものは買いました。特にお気に入りの小鳥遊夢見さんのCDは、トングで脅されるパンの気持ちがわかるくらい鋏をカンカン鳴らし、音圧強めに怒鳴ってくれます。男性女性問いませんので、小鳥遊さんくらい気合の入ったシャウトをしてくれるCD をご存じの方は教えてください。


it’a ture wolrd.狂ってる?それ褒め言葉ね。(綴り原文ママ)
フォロワーが一番ウケていたので入れましたが、普通に不敬です。でも…しょうがなくない!?「心がない」で初カキコに直結してしまいました。ほんで、普通に心ありそうなムーブするからまた良くないんだよな!原作は別に心がないとは言ってないので…。
きっと、非常に凪いだ感性の持ち主ではあるんだろうけど、完全にニュートラルではないというか。「心がない」の言葉の内訳は、「感情の所在」はわかっていても、自分の感情と他者が感情を使用している姿にかなり機能として乖離を感じてたのかな?とか思います。
もしかしたら、穿地さんにはわかりやすく「心がない」の一口にしたのかもですね。無形の自分を主張するより、反社会性パーソナリティ障害のフォルダに自分を振ったほうが、他者には理解がしやすいと思ったのかも。いや、もっと対話って文字面以外にもたくさん添付できる情報があるぜ〜!??!でも共感性薄いとわかんないよな〜!!
「自分を伝える」作業はそもそも穴の空いた砂袋を運ぶようなもんなんですが、美影にとっては元々砂袋に砂も全然入っていないように感じてるんでしょう。彼自身には砂袋をわざわざ運んで手渡すことに意義を感じられないかもしれないけど、他者にとっては君の足元の微かな砂溜まりにきっと意味があるんだけどな。


警戒しすぎではwwww何を勝手に読み取って…

…………もっと警戒しとけ!!!!!

サンジが単独行動してる時とは危険度が違う。


単純に天使の側、で割り切れたらこんな事態になってないんだよ…!!!
この天使の側、というのは BBC SHERLOCK におけるジムの使ってた「天使の側」と同義です。見てる間たびたびSHERLOCKぽい…と言っていたんですが、どうしてもSHERLOCK がよぎってるんでしょうね。このような使い方になりました。
引用の意見のまま原作を読んでいたので、該当箇所を読んだとき普通に手叩いて笑いました。「善悪」と「筋」は違うんだよなあ!!しかも予定通りなら美影と組むところだったってよ!!!
…………美影と倒理が組んでいたとして、いつか美影は「感情を委託される」の良さに気づくんだろうか………気づいたら、倒理は友達を犯罪者にしたくない、の気持ちを行使するんだろうか。氷雨のときみたいに……?いや、氷雨は……ちょっと思考回路が突然イニDするので………。しかも、倒理ってあの中で結局一番大きく逸れない子って気がします。ちょいちょい悪いことするしそれを悪いとも思ってないけど、氷雨みたいに突然イニDはしないんじゃないかな〜


どっちもじゃないですかね〜!!!!!6年前の謎について「他者に」嗅ぎまわられたら困ることがある、を追及された時の隠れ蓑にして、結局プライドの部分もありそうな気がします。氷雨は探偵業、気に入っているようですしね。っていうか原作版だとあまりにさりげないシーンにこのセリフが含まれていて「ああ、さりげなくずっしりやってたのか…」って思いました。


惜しい!
たしかこの時は犯行にちょっとずつ全員が関与した結果思いもよらないところに着地してしまって謎が深まった、みたいなのを予想してたんですけど、実際は氷雨と倒理が互いの危うさを思い出ごと密室に閉じ込めてただけでした


最終話ですね。真相を知ってスッキリしている文章を書いていますが、お前はこの後ドラマではカットされた内定祝い会とか美影が倒理を探偵に誘うところとか見て悲鳴を上げることになります……愉悦ですねぇ………
ってか最後が短歌みたいになっててちょっと面白い。
「鍵穴を 撫でて随分時が経つ あとは押して開けるだけなのに」
ちょっと字余りですが、それっぽくないですか?


原作履修後の余談

・微妙に皆と同じベクトルで狂えていないのでは?
わたしは如何にもこうにも、やっぱり倒理と氷雨のこと、落ち着いて見守ってしまう。彼らが利用価値とかわかりやすい言葉で互いを同僚として繋ぎ止めることを選んだ以上「そうか、したいようにせえ…この世に謎がある限り君らは楽しくやれるよ…」以外の言葉がないんですよね。もう彼らの中に答えと折り合いがあって、互いが大切に思っていることを知ったので。
むしろ美影と氷雨の人生イニDコンビが大学生時代の延長の感覚で度々会ってんの、なんの拍子にまたタイヤをギャリギャリいわせ始めるかわからなくてそっちが気になる…。

・二人でホラー映画観に行くんだ!?
お前らがホラーなのに?
しかもサダカヤなんですね。お安くなる券をもらったとのことでしたが、倒理はホラーというより、雑に強いやつをぶつける VS 映画好きなのかな。バットマンとスーパーマンがバトるやつとか、キングコングと怪獣とか…。双方ビックタイトルであるほど、逆に勝敗が読めないから?
ホラーで言うと倒理はミッドサマーは笑って見てそうだけど、哭悲とか見たらちょっと具合悪くなりそう。でもタッカーとデイルみたいなグロコメディ映画は見れるんだろうな。氷雨はサスペリアの「友達がえげつない説教を先生に食らってる時の教室の空気レベル100」みたいな緊張感苦手そう。一方、呪詛を見ても「映画って虚構なのに」とか言って全然あのギミックが効かない感じもありますよね。

・京都が一番探偵が多い
そうなの?!
でも京都に住んでる自由業の人って「京都の雰囲気だから許される」みたいなテンションの仕事の人いっぱいいるからな〜京都なんてさほど住んでる人間多くないのに、東京より探偵が多いんですね。治安わる〜!(笑)
今ふと思い出したんですが、私の夫は京都の人なんですね。わたしが初めて京都に行った時、地元なら赤い看板が軒並み白か茶色に変えられていたので「なんか看板の顔色が悪い」と冗談を申したところ、夫に「日本で一番血ぃ吸うてる土地やからね。平和な時代やと血ぃが足りんから看板からも吸ってるんよ」と京都ジョークで返されたのをなんとなく思い出しました。
京都の魔力で、探偵が跋扈するほど血が流れている、説…!!(ないです)


おわりに

ノキドア初見録は以上になります。
初見視聴モルモットとしてノキドアを浴び続けた約2か月でしたが、友人だけでなくいろんな方に哀れな姿を笑っていただけて良かったです。
こうして楽しいひと時をくださった、ノキドアのドラマ・原作にかかわってくださった方々には超絶ビッグなお礼を申し上げます。
……まあ、それは当然なんですが!
個人的には、TL で原作踏まえた深読みツイートとかしたいだろうに、伏字にしたり工夫して私の無知を守ってくださった優しいフォロワーのみなさんに特に感謝します。ミュートワードでも設定したかってくらいなんのネタバレも踏みませんでした。

本当に、ありがとうございました。

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