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深呼吸

駅をはさんだ、たとえば東口と西口、北口と南口といった駅前の街。
そのあまりの格差で知られているのが、神奈川・新横浜駅。
表と裏ほどの差があり、駅前の機能のほぼ100%が表にある。

大雑把には、表が新幹線口、裏が篠原口とにわかれ、表に出れば整然と整備された近代的な街が広がる一方、裏に出れば、いきなりアパートやら林やら、ただの住宅地が広がる。

どちらもかなり歩き込んだが、篠原口は本当にどこまでも高低差がある住宅地でしかない。が、歩くとわかるが、整備された賑やかな街よりも、静けさが広がるそれこそ時間が止まったような街の方が、息苦しさを感じない。深呼吸が似合う街でもある。

そこまでの格差はないが、やはり表と裏とになる駅、東京・大森駅に行った。
ここは表が東口、裏が西口とにわかれる。
ビジネスのほとんどは東口にあり、西口は、狭い池上通りを渡ると、すぐに上りの急斜面に出くわす。
その西口の、わずかにある駅前商店街の中のオフィスビルに立ち寄った。

仕事が終わりビルを出、少し時間があったので、近くを歩いた。
急な石段を登った先にある天祖神社。
登り終え、息を大きく吸って吐いて、やはり裏の街には深呼吸が似合うと思った。

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