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遠雷

時間にして30分ぐらいだろうか。
絶え間なく猛烈に光り、大地から床に伝わる振動が重く響く。
窓に打ち当たる雨と唸る風の音が、打ち消されるほどだ。
光と音と振動に、コインパーキングに止めている車の防犯ブザーが、鳴っては止みを繰り返す。

やがて、夜の雲界の叫びも遠ざかり、冷蔵庫に残っていたフルーツを取り出し、ミックスジュースならぬごった煮ジュースを作った。
何かの味が際立つでもなく、まさに果物ジュース。

雨も上がり、涼しくなっているだろうベランダに出た。
まだ風が強めだが、それが却って心地よい。
氷が満たされた果物ジュースを一気に飲んだ。

雲の切れ間から、南東方面に黄満月が輝き、そのさらに遠くから、わずかな稲光と、かすかな響きが耳に届いた。

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