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旅は"ホンモノ"を感じるもの

「旅は◯◯だ」とよく定義される。旅は愛だ、旅は出会いだ、旅は人生だ。人それぞれの解釈があって良いし、旅に正解はない。自分なりの旅の形を見つけて、楽しみ、笑い合えば良いと思う。

かれこれ4年間、旅ど真ん中で毎日旅という言葉を発し、思考してきた。日賀野舜=旅みたいなブランディングが出来上がって行ったのも当然だろう(笑)奇しくも、昨日は友人2名から卒業旅行の相談がきた。

あぁもう終わりか。実感がないまま旅中心の学生生活が終わろうとしている。僕の隣に4年間ずっとい続けた旅はどのようなものだっただろうか。時系列と共に旅は"ホンモノ"であることを証明したい。

2004年

僕の海外デビューは4歳。叔母がカナダに留学していたことがきっかけで、家族総出でカナダに出かけた。当時の記録などほとんど残っていないのだが、初めて乗った飛行機がJALで機内モニターに内蔵されているゲームがただただ面白かったことは鮮明に覚えている。

後日談だが、現地でツアーに予約してカナダの大自然を観光したらしい。僕はなぜかずっとガイドのそばにいて、英語もわからないのにニコニコ楽しんでいたらしい。母親からは「その時に誰について言ったら自分が楽しくなるかわかってるんじゃない?」と言われた。

生粋の外面の良さと社交性は生意気ながら、4歳から身についていたのかもしれない。

この原体験が16年後に旅にのめり込むきっかけとなるのは間違いない。

2019年

「お母さん、家に帰りたい。」

なんとも情けなさすぎる19歳である。セブ島のゲストハウスから実家への電話。突然のホームシックに驚いた。

大学で見つけた偶然のチラシ。そこからセブ島への2週間の留学。現地の公立小学校で子どもたちに授業を教え、意気揚々と海外を楽しんでいた。「意外にいけるやん、海外なんて、チョロ。」そんな生意気さはすぐに壊れる。

同じプログラムに参加していたみんなと離れると日本から遠く離れた南国の島でひとりぼっち。どうすることもできず1人で泣いた。悔しさとかより絶望感。

旅の絶望と苦しさ、ホンモノの孤独を教えてくれた。

しかし、旅である。「どうにかなる」は本当だった。呆れかった母親との電話は「バカじゃないの!」の一言で終了。僕はゲストハウスの母に頼った。拙い英語を駆使して自分の話を永遠と聞いてもらえた。セブの食材を使ったパスタもご馳走になった。子どもたちに折り紙も教えた。

旅でホンモノの出会いを知った瞬間だった。

2020年

ついにきた!東京オリンピックに成人式。さすが2000年生まれのミレニアムベイビーという期待感は、謎のウイルスで泡に消えた。誕生日には東京都に緊急事態宣言が出される。同じ誕生日の喜劇王・チャーリーチャップリンも喜劇にはできないだろう。

この年は、ホンモノの日本を知った。

緊急事態宣言の合間を縫って日本各地を回った。北陸から中部地方を抜けお伊勢参り。京都まで足を運び帰京。日本のポテンシャルの高さに驚いた。

期待感が消えた2020年だったが、学校がオンライン授業になったり、未来の日本を作っていくであろう大人たちや同年代との仲間との出会いに恵まれた。

2021年

ホンモノの純度が増した年。

旅を"する"から旅を"広める"にトライした年。ホンモノの仲間に出会った。日本の地域に触れるだけではなく、入り込みホンモノの純度が濃くなった。

釧路では日本の絶景に触れた。海外にも負けていない。琴平のうどんは本当に美味しかったホンモノのうどんだった。

旅のスタイルが変化した。触れるから入り込むへ。ホンモノをより深く、濃くすることの面白さ感じることのできるパワーの違いにただただ驚いた。人生が加速したことは間違いない。

2022年

再び世界のホンモノを見つけに行ってきた。

インドは本当にカレーばかりだった。シンガポールのマリーナベイサンズは本当にカジノがあった。ベトナムのハロン湾は岩が本当に隆起していた。空白の2年を終え、ホンモノの世界に触れるのはやっぱり楽しい。画面では伝わらないあの空気のベッタリ感、トゥクトゥクのクラクション。

旅って最高だ。

やや高いトーンのアナウンスが流れ、搭乗ゲートをくぐる。心の興奮を表してくれるかのようなエンジン音。これからの旅路を祝福してくれるようなテイクオフ。ぐんぐんと雲を切り裂き、どこまでも広く美しい空が広がる。

なんと書いてあるかわからない言葉の数々。皮膚に生暖かい風が当たる。露天のおばちゃんの元気な声、本当に大丈夫か?と思うような食事の数々。Googleマップをたどりながら寄り道をして眺める絶景。

旅はどこまでも美しく、儚く、そしてホンモノである。

4年間の旅路に終止符を打つ。まだまだ人生という旅路は序章に過ぎないけど、ホンモノに触れられた4年間。

あとは最後のピース。最高の仲間と旅を広めるだけ。ホンモノのイベントという最後のピースを埋めて、僕たちだけにしか描くことのできないホンモノの旅を証明したい。


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