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#2 欠けた記憶の埋め合わせ

幸せのカタチや大きさは人それぞれですが、
では、
それはどのようにしてできあがるのでしょう。

「あなたは今、しあわせですか?」

そう聞かれたとき、

私が、
心から「はい!」と答えられるようになるまでの
リアルをお読みください。


さて。

前回は、
どこにでもあるような
順風満帆な

人によっては
幸せ自慢に見えるような
私の結婚前の人生についてお話しました。

『結婚準備をしている中で、私の中である怒りと悲しみが込み上げてきた』

というところで終わりましたが、
一体そにはどんな背景があったのか
お話したいと思います。


1.似た人を好きになる

女性が男性を好きになる時って、
父親に似た人を好きになるって言いませんか?

私の場合も、
父と夫の似ているところを考えたとき

◆家ではあまりペラペラ喋らないところ
◆仕事熱心で人望が厚いところ
◆褒めるとそればかりやる単純なところ

外見で言えば、

◆細身で背が高いところ
そこそこイケメンなところ
(そんな時代もあったねと…by中島みゆき)

男としては申し分ない部分があがりました。

でも、なぜか私は
夜な夜な結婚式の準備を進める中、
2人に対し
同じような怒りと悲しみの感情が沸々と湧いてきたんです。


2.真っ白な記憶


結婚式って両親に宛てた手紙を書くでしょう。

結婚式の準備が大詰めになってきた頃、

「とうとう私にもそんな手紙を書く日がきた…」

と、記憶を思い起こしていたんです。


思い起こそうとしたんです。

なのに、出てこないんですよね、
父親との思い出が…全然…。

私は自分の記憶を疑いました。

アルバムを見たり
日記帳を読んでみたりしたのですが、

出てくるのは、

◆年に数回、父と弟たちがキャッチボールをしていたのを眺めていたこと
◆休日にはパチンコに行く父
◆弟たちが、おもちゃの木刀を巡って喧嘩をしたときに、父がその木刀をへし折った衝撃の瞬間
◆何をやらかしたのか、夜、物置に入れられお仕置きをされたこと

普段の父は子どもに無関心なのに突如沸点がきて怒る

そんな記憶ばかりでした。

3.記憶とイメージの混同

もちろん楽しい出来事もあったはずなのに、
最初に出てくることがそんなことばかりで…。

私はだんだんと、これから夫になってくれる彼に対しても、

「この人も結婚式ということに無関心なんだ。」

と、結婚準備を人任せにされているような感覚が出てきて、
腹が立ってきたんです。

仕事優先の父と彼。

他人には笑顔とあたたかさを見せるのに、
家では自分の意見を言わず人任せな父と彼。

求められた時だけ動いて、
指図がないと自分中心の父と彼。


父の嫌な部分がどんどん大きくなって
彼も同じような男に見えてきて、
結婚しても母と同じように愚痴ばかり言うようになるのではないか…。


そんな暗い未来が見えることもありました。

マリッジブルーなんて
キレイな感じではなく、

ドロドロした汚い言葉で
彼を責めることもあったのが事実です。


そして同時に、
父親との思い出が見つからないことにも悲しくなりました。

父親にどう育てられたのか。
父親が私をどう育てたかったのか。

ということも感じられなかったからです。


だから私は父親に

「今まで育ててくれてありがとう」

なんて想いも湧いてこず、
何となくそれっぽい、
お涙頂戴みたいな手紙を書いたのでした。


あとから、気付いたのですが、
私は、過去の恋愛の中でも
『父親』という存在や、
男性としての愛情の深さを求めていたんです。

結婚式。

人生で
ベスト3に入ってもいいであろう幸せの日、
私は、男涙を流す父を見ながら

「何に感動してるの?」

そんな冷ややかな感情で
両親への手紙を読みました。

そして、この父への感情が、
結婚後、さらに大きな爆弾となるのです。

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