2024.4.26

今日は夜から外出。
おいしいお茶とおつまみを食べていると、じわじわと人が集まってくる空間。ここは、誰が催し物をしていても心地よい。

そのあとはラーメン屋に行った。
入口で出くわした見知らぬおじいちゃんと流れで相席になった。

「ここのラーメン屋、8年ぶりに来たんだ。息子が近くに住んでいてさ〜」

そこから、自称後期高齢者75歳のおじいちゃんの身の上話を聞くことに。
おじいちゃんは少し離れた街に住んでいるが、今日は息子のところに孫の世話で来ているという。息子もその嫁もこの街の大きな病院の医者で多忙らしい。普段は、自宅にある100坪ほどの畑でジャガイモやスナップえんどうなどを育てている。年老いてから、自給自足の生活に目覚めたらしい。趣味はソロキャンプで、福岡はもちろん大分や山口、鳥取など遠方まで車を走らせ孤独の時間を楽しんでいる。たまに、同じようにソロキャンプをしている若者とその場で仲良くなって、朝まで呑み明かしたりなんかする。キャンプ道具が好きで、よくスポーツ用品店に行く。キャンプ用の靴にはこだわりがある。欲しいものがあったら、奥さんにLINEでお願いして少しだけお小遣いをもらって買う。おじいちゃんはキャンプの他にも、器を集めるのが好き。有田焼と波佐見焼の話をした。自宅には奥さんの趣味のパッチワークや額縁に入った絵が飾られている。

身の上話を一通り終えると、おじいちゃん自身の話が始まった。若かりし頃の話は、歴史の教科書でしか聞いたことのないようなワードが飛び出し刺激的だった。おじいちゃんはほろ酔いだったので、途中ところどころ何言ってるか分からなかったが、全く異なる時代を生き抜いて来た長い人生の話はおもしろかった。
「今の時代、あなたたちは可哀想だ。昔と比べて、人との関わり方が難しい。こちらからどう接することが正しいのかわからない。」
その気持ちもわかるが、たまたま相席した見知らぬ若者にこれだけ喋っておいて、よくそんなことが言えるなと思った。前フリの効いた盛大なギャグかと思った。おじいちゃんは、私より先に提供されたラーメンにほとんど口をつけることなく喋り続けていた。途中で「おでん奢ってやるよ!」と言われてありがたく食べたが、こちらの食べる時間が伸びた分、おじいちゃんの話が延長されただけだった。入店してから確実に1時間以上は経っていた。おじいちゃんのラーメンを見てみると、せっかくのカタ麺が完全にヤワ麺になっていた。

外に出ないと得られないものがたくさんあると気付かされた1日だった。
家に引きこもるからこそ生まれるものもあるが、適度に出かけようと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?