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【アトピー新薬】まもなく登場予定のタピナロフ。今までの薬とどのような違いがあるの?
2018年以降に登場したアトピー性皮膚炎の新薬は8種類。
まだ臨床試験中ですが、近年中に登場予定の新薬は
●レブリキズマブ(注射)
●ヒト型抗OX40抗体(注射)
●センダキマブ(注射)
●タピナロフ(外用)
●クリサボロール(外用)
●ブレポシチニブ(外用)
の登場が期待されます。
今後も選択肢が広がることはありがたい限りですね。
今回はまもなく登場することが予想されるタピナロフについて、どのように作用するのか説明していきましょう。
2018年以降に登場したアトピー性皮膚炎の新薬は8種
— ヒフメドちゃん (@Hifumed) November 18, 2023
※アドトラーザは2023年に登場
まだ、臨床試験中ですが、
レブリキズマブ
ヒト型抗OX40抗体
センダキマブ
タピナロフ
クリサボロール
ブレポシチニブ
とさらなる新薬の登場が期待されます。
今後も選択肢が広がることはありがたい限りです😊 pic.twitter.com/BWxGw9rOrd
![](https://assets.st-note.com/img/1702621439935-0fbXQkbpwM.jpg?width=1200)
まずは簡単な重要ポイントから
①AHR活性化→IL-24/STAT3軸を阻害
②皮膚のバリア機能を回復
③バリア機能低下を抑止
主にバリア機能の回復と維持に寄与してくれそうですね
どのように作用するのか1つずつ順を追って紹介していきましょう。
これまでに分かっている研究では、 アトピー性皮膚炎の発症には、皮膚のバリア機能が低下することが関係しています。特に、フィラグリン(FLG)やロリクリン(LOR)という皮膚のタンパク質の発現が低下することで皮膚バリア機能障害が起きてしまうことがわかっています。
つまり、フィラグリンやロリクリンの発現の低下を防ぐことが出来れば、バリア機能の回復も見込めるということですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1702621615093-OhI2o8QwvY.jpg?width=1200)
今回登場するタピナロフはまさにそのFLGとLORの低下を回復させる作用を持っています。
そもそも、なぜアトピー性皮膚炎の人は皮膚のバリア機能が弱まってしまうのか。人よりバリア機能が弱いことは多くの患者さんが理解しているのではないでしょうか。しかし、理由まではあまりわからないですよね。
その理由の一つが表皮のケラチノサイト(角化細胞)の分化の乱れです。ケラチノサイトは皮膚の最も外側の層である表皮に存在する細胞で、皮膚のバリア機能を維持するために重要な役割を果たしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1702621684938-YDwz7KAwyX.jpg?width=1200)
ケラチノサイトの分化とは、これらの細胞が成熟し、皮膚の表面に向かって移動していく過程のことを指します。
この過程で、ケラチノサイトはケラチンというタンパク質を生成し、皮膚を保護する堅固な層を形成します。
また、フィラグリン(FLG)やロリクリン(LOR)などの他の重要なタンパク質も生成され、皮膚のバリア機能を強化します。しかし、分化が乱れることで生成が妨げられ、バリア機能が低下してしまうのです。
そこで重要なのが、芳香族炭化水素受容体(AHR)の存在。この受容体を活性化させることでケラチノサイトの分化を乱すことなく、制御が可能です。
タピナロフはAHRを活性化する薬剤でFLGとLORの発現を増加させることで、皮膚のバリア機能を改善することが期待できるのです!!
ただし、タピナロフはIL-24というサイトカインを誘導し、FLGとLORの発現を抑制することも。ですが、AHR活性化によるIL-24/STAT3軸の阻害により、しっかりとFLGとLORの発現を増加させるので、皮膚のバリア機能の改善につながるというメカニズムだそう。
研究ではJAK阻害薬との併用でさらなる効果が期待できたということですので、併用になるかもしれませんね。
詳しい研究結果はこちらよりご確認いただけます。
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