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無料公開中【食物アレルギー】シリーズ6:犬と猫の食物有害反応で皮膚以外の症状の有病率は?

Mueller et al. BMC Veterinary Research (2018) 14:341

皮膚科的には食物アレルギーというと、「かゆみ」が症状として一番最初に思い浮かびますが、皮膚以外に症状がでる子はどのくらいいるのでしょうか?

今回ご紹介するのは、1980年から2017年に報告された食物有害反応の論文のうち、皮膚以外の症状を記した論文をまとめた2018年の報告です。


犬での報告

犬においては35報の論文について、まとめられています。(表1)

表1 犬における皮膚以外の症状

犬の食物有害反応で皮膚以外の症状として最も報告されている症状は、下痢で70-88%と報告され、次に多い症状は嘔吐で5-21%でした。その他、犬の特徴として排便回数の増加やしぶりが報告されています。

猫での報告

猫においては13報の論文について、まとめられています。(表2)

表2 猫における皮膚以外の症状

猫でも同様に下痢が28-55%と最も多い症状ですが、嘔吐も29-46%と高い確率で報告されています。また、結膜炎も3-22%と報告されており、犬よりも高い確率で報告されています。

まとめ

消化器症状は、食物有害反応の犬と猫の皮膚以外の症状で最も多く報告された症状です。

犬では下痢が多く、猫では嘔吐と下痢が同程度報告されています。

消化器症状以外は一般的ではありませんが、普段の診察で、消化器症状に出会った場合、食物有害反応が原因である可能性もあるため、除去食を試すのも1つかもしれませんね!


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