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機材ってそんなに必要か

背中に背負えるギターケースとエフェクターケースに荷物をまとめられるギタリストやベーシストと違って、ドラマーが機材を増やすとなるとそれはもう負荷が大きい。

まず、ドラムの機材というのは基本的にボリュームがある。ギターのように平たい形なら良いのだが、ペダルにせよ、スネアにせよ、縦横高さにすべて主張している。

世の中にはペダルとスネアを一気に運んでしまえるようなケースが何種類か発売されているが、大抵は深胴スネアやツインペダルには対応していない。

もうとにかく運搬がダルい。スネアとペダルだけでも一苦労なのに、シンバルやシンバルスタンド、サブスネアとかなってくると仮に機材車があっても、機材車と演奏場所をどれだけ往復しなければならないのか想像しただけでも練習のモチベーションがガリガリと削られていく。

もちろん、ギターであってもヘッドやキャビを運ぶとなると一気に運搬のダルさはぶちアガるわけだが、ドラムはちょっと凝ったことをしようものならすぐ地獄である。

話は少し飛んで、ドラム自習室というサイトがあるのだが、そこで特殊なリモートハイハットを使ってセンターハイハットのセッティングがいかに合理的かが説明されていた。

たしかに、魅力的だ。右手の下を左手がくぐる必要性なんて本来あるはずもない。まさに、機材の進化に伴うドラムセッティングのあるべき姿といえる。

しかし、ツインペダルと配置的に競合しそうだ。国内での使用例が単体ですらほぼ見つけられなかったので海外サイトを巡回してツインペダルと同時に使用する例を探していたら、見つけた

しかし、これはペダル固定用のブラケットを木ねじで床面にガッチリ固定できるユーザーだからこそだ。リモートハイハットのシャフトと、ツインペダルのスレーブ側のカム部分のクリアランスがかなり厳しいため、通常のライブハウスに持ち込んでやっていたら容易に干渉するだろう。

これを解決するには固定具を配した薄いプレートなどを自作持参する必要があるかと思うが、そこまでしてセンターハイハットにしたいか、する価値があるかと言われたら甚だ疑問である。

そう、コストパフォーマンスが悪い。人間というのはめんどくさがりなのだ。セッティングだけで体力も気力も消費してたら練習に注ぐ力がなくなってしまう。

めちゃくちゃ苦労してチャイナシンバルをライブハウスに持って行きました。叩いたのは3回です。ホントにそれ要りますか、と。
サブスネア持って行きました。叩いたのは2曲目のAメロだけです。苦労に見合っているのか。

深胴スネア買いました、重いです。かさばります。5インチとか5半じゃだめなの?音の違い分かりますか?ウルトラキャストの浅いのと深いやつ、どっちか単体を音だけ聴いて判別できますか?そりゃ、並べて叩き比べればすぐわかるにしても、ホントに苦労に見合ったサウンドの違いが出るのか。PAのさじ加減ひとつで全然変わるのに、そんな苦労する必要あるんかい。

同様に人間というのは基本的に待つのが嫌いだ。待ち時間はない方がいい。

たくさん機材持ってます、使います。あー、スゴい。でもブッキングライブで転換にメチャクチャ時間かかります。意味ないでしょ。意味ないとまでは言わないが、コスパが悪い。そりゃ、時間もスタッフも潤沢に用意できるプロはそれでいいと思うが、機材増やす前にやることあるでしょ、というのは本末転倒だ。

その機材を投入すればパフォーマンスが数倍になります、なら労力をかけて観客を待たせる意味もある。
120円のカップめんを15分待ったら名店のラーメンになるなら待つ価値もあろうが、20分待ってせいぜい200円のカップめんになりました、程度の話なら初めから3分で120円のカップめんを食ったほうがナンボかマシだ。

私の場合は2タムセッティングすら時間がかかるから基本的にあまり好まない。

とにかく体力も気力も、人間の持てる活力やモチベーションは有限なのだから、少しでも有効に使うことを考えたいものである。

練習に関しても生活に関してもそうだ。常にコスト意識を持って最小限のコストで最大限のパフォーマンスを発揮することを念頭に置くべきと思う。(何を隠そう私は自他ともに認める効率厨である)

そうはいいつつ私も深胴スネア、ツインペダル、シンバル、シンバルスタンド、同期演奏用ミキサー、イヤモニなどの各種ケーブル、同期音源の再生機器と大量の荷物を持ち込むのが常なのだが……。

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