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ドラムのモニター環境構築 その2

前回に引き続きドラマーのためのイヤモニ環境について考えてみたい。

スタジオでの練習とライブでの演奏時での環境の差異は出来るだけ無くしたい。その点を念頭に、打ち込み同期演奏をする際に必要なイヤモニ環境について考えてみたい。

まず、ライブ会場や練習スタジオに持ち込む再生機材がノートPCの場合。そのレベルの人はこの記事を読むことは無いと思うが、DTMソフト+USBオーディオインターフェイスを接続することになるだろう。マルチ出力のUSBオーディオインターフェイスを使えばそれ1本で済ますことができる。

今回紹介するのは、通常の音楽プレーヤーまたはスマホ等から音声を出力する場合だ。ノートPCもDTMソフトもドラマーがイヤモニのためだけに買うのはちと高く付きすぎる。

まず、打ち込みトラック&クリック音源の用意。DTMソフト等を用いて、打ち込みトラックを右、クリックを左にパンを振り切った音源を作成する。パンの左右は逆でもかまわないが、とにかくパンをしっかり振りきることが重要だ。マスターエフェクトをかける際にエフェクトがステレオにかかってしまって逆側に音が入ることがあるので特に注意する必要がある。クリック側に打ち込みの音が入ってしまうのはまだいいが、打ち込みトラック側にクリック音が入ってしまうと観客にクリックが聞こえるという残念きわまりない事態となる。(画像は適当な音源かつ単なる波形編集ソフト)

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次に用意した音源を再生するためのデバイス。ノートPCでもいいが、上述のようにマルチ出力のUSBインターフェースを買った方が吉。インターフェースなしにステレオミニジャックへ直繋ぎすると大抵はノイズがひどいのでポータブル音楽プレーヤーを用意するほうが良い。

用意したプレーヤーからは赤白のスプリットケーブルを使って出力する。このケーブルでクリックと打ち込みトラックを分離して、ミキサーにはクリックトラックをモノラルで入力する。打ち込みトラックは外音としてスピーカーから流してもらわなくてはいけないから、これをPAに送る。ステージ上のDI(ダイレクトボックス)に繋いでしまえば良い。その際、DIには入力信号をスルーアウトする端子があるので、そこからシールドでミキサーの別チャンネルに戻してやる。こうしてやれば手元のミキサーの音量とPAのミキサーとで独立して音量の調節が出来るので、具合が良い。出力が2系統あって独立してレベル調整できるミキサーなら、わざわざDIからパラってこなくても大丈夫だが、誤ってレベル調整ノブに触れて外音が出ないだとか逆に爆音になるだとかのトラブルもあり得るので、プレーヤーからは直接DIに出してしまった方が良いと思われる。

さらに返しの音をPAからドラムモニター用に1系統もらって、ミキサーに入力してやればクリック/返し/打ち込みトラックの3つを手元のミキサーで独立して音量レベルを調整でき、かつ外には打ち込みトラックの音だけが流れるという環境が構築できる。スタジオでの練習の際は、返し用にマイクをドラムに向けて1本立てて、それをミキサーに繋げばよい。

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基本的にはこれだけ把握していればライブハウスでの同期系演奏は可能であるが、インピーダンスとレベル(dB)について知っておくと、各機材の役割の理解へとつながるので、次回につづく。

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