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自伝小説 ままごとかあさん12 家族(8)

病気にかかってばかりのワタシと違って

弟ふたりの身体は丈夫だった。


体格がよかったので、

知り合いからの誘いで

長男は剣道

次男は柔道

とそれぞれ町のスポーツ団に入った。

ワタシには

仲間と練習を頑張っている

弟たちが楽しそうに見え

羨ましかった。

羨ましさは

‘’寝てばかりいるワタシは姉らしくない‘’

という劣等感に変わり

弟たちと話すことはほとんどなかった。

ワタシは自分のことだけで精一杯だった。



剣道も柔道も高校を卒業するまで

続けたそうだ。

父のお弁当作りと洗濯のサポートも

次男が高校を卒業するまで続いたらしい。


高校卒業後、

就職も決まった弟たちはこのまま

順調に…

とはいかなかった。



長男は20代のある日

運転していたバイクが転倒し

ガードレールに激突。

九死に一生を得たが足に障害が残った。


次男は高校を卒業して就職するが

1年余りで退職

そのまま家に引きこもり

15年以上経つ。


弟たちもまた

ワタシ達家族に共通する

見えない何かに

引っぱられている。



つづく

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