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社会人ドクター | 博士後期課程D1 | 京都大学大学院 | MBA | 建築社会システム | 社会心理学 | 組織行動論 |中小企業経営 |

最近の記事

論文を100本読むと見えてくること

「論文100本」が私にとってその分野を理解する閾値だなと最近思います 研究で新しい分野に取り組むとき、まずはその分野で最も引用されている論文を探し、関連する論文や書籍から芋づる式に先行研究を読んでいくやり方をします。 社会科学系の研究では、理論や概念の主流となっている論文が2~30本みつかり、そこに記載されている参考文献をたどって黙々と読み込んでいくと、大体いつも100本に到達しないぐらいの段階で頭の中で知識がつながる感覚が生まれます。 その段階になると(遅いかもしれま

    • ノートで考え続ける

      10年程前からStalogyのノートを愛用しています。 大学時代に内藤廣さんにあこがれ、ノートに情報を一元化するべくこれまで無印良品、Zequenz360°ノート、モレスキン、マルマン、ミドリMDノート、と渡り歩き、10年前にStalogyの365デイズノートにたどり着きました。 建築のスケッチをしたり、詳細図を書いたり、研究や仕事のアイデアをメモしたり、プレゼンの草案を考えたり、用途は色々ですがペンが滑りやすく丈夫でかつ適度な透け感がある紙質がすべてにフィットします。

      • 多拠点生活の課題は距離ではないという話

        仕事と生活と大学で複数拠点生活をしています。 東京で15年ちょっと働いた後、生まれ育った京都に戻り、京都に住みながら京都の大学に通い、三重の会社に通勤して、神戸や大阪の設計の仕事をしながら東京で新しい仕事の芽を探しています。 生活の拠点は京都になりますが、仕事の拠点は三重で、最近自己紹介がめんどくさいです。「ただそこに住みたい」が意外と理解されず、京都の大学に行っていると言うとご納得(?)いただけるようです。 私の感覚では東京の会社に神奈川や千葉から通勤していた時と大差

        • 設計が好きかどうかという問題

          自分は設計が好きなのかどうか、ふと思うことがあります。 建築は大好きだと胸を張って言えるんですが、設計が好きかどうかはいまいち分かりません。 新卒でスーゼネの設計部に入りましたが、たまたま受かったので入ったような舐めた動機でしたので、周りの設計が好きで好きでたまらない人たちを見ていると、なかなかその次元には達せないなとよく思っていました。 平日は始発から終電までひたすら設計して、週末は気になる建築を見に行き、給料は建築の本と旅行に充ててきたこともあり、間違いなく建築が好

        論文を100本読むと見えてくること

          設計者の経験とエビデンスをいい具合に配合したい

          本日お施主さんと設計の打合せをしていた際に、オフィスの生産性向上の話をしていたら「エビデンスはあるのか?」という話になりました。 エビデンス・ベースド・デザインという言葉があるように、最近では設計コンペなどでも設計提案にその科学的根拠を提示し、説得力を高めるやり方が増えてきています。 我々設計者は、空間の心地よさや内装、什器のレイアウトなど特に人間の感覚や認知に近いものを決めるとき、経験則から決めることが多く、そのでき上がりについては完成してみないと分からないことが多々あ

          設計者の経験とエビデンスをいい具合に配合したい

          思考と移動距離は比例する、という説を言い訳に移動を続ける

          思考の広がりと移動距離は比例する、という話を聞いたことがあります。 仕事や研究で国内外を移動することが多いのですが、移動時間の多くを仕事ではなく読書や研究に充てています。 アイデアの三上のうち「馬上」に該当する(と思われる)移動。環境が変化することやよくわからないテンションの向上、到着時間が決まっている時間の制約などのおかげて異常に研究がはかどります。 無駄なことが苦手で、移動時間はその最たるものだと思っていた時期もあったのですが、移動が増えると飛行機や電車の社内だけで

          思考と移動距離は比例する、という説を言い訳に移動を続ける

          MBAなんか役に立たない?知らんがな、という話

          「MBAなんか役に立たない」よく聞く言葉です。 ネットで検索しても、いかにMBAが実務に不要かの記事も多く、有名企業の経営者でMBA不要論を説く方も少なくありません。 私はMBAはハサミと同じで、道具として使わない人には必要なく、道具として使いたい人には意味があるいわゆるバカとハサミみたいなものではないかと常々思っています。 私自身は経験ゼロで経営者になることが不安で、一通りの経営を知識として学ぶためにMBAに通いました。 この時の「知識」という考え方は危険で、例えば

          MBAなんか役に立たない?知らんがな、という話

          研究と検索エンジンGenspark/Perplexity/ChatGPT

          最近研究に生成AIを活用しています。 文献を読む前の先行研究の要約や、関連分野の研究をまとめてくれるため、かなり効率的に研究ができているように思います。 作成した論文の校正や、批判的な考察、どのジャーナルに投稿すると掲載の確立が高いかまで判断してくれます。しかもそれが自身の判断とも近く、信頼性も高いように感じています。 Gensparkは収集した情報をAIが統合して要約してくれるため、初動の知識の体系化に向いていて、Perplexityは学術論文などテーマを絞れるため、

          研究と検索エンジンGenspark/Perplexity/ChatGPT

          社会人大学院の勉強時間

          働きながら研究を進める社会人大学院生の勉強時間について考えました。 ストレートで進学している大学院生は理系のラボであれば1日8時間程度のコアタイムを持ち、標準的な(真面目な?)学生は週に40時間は研究時間に充てている計算になります。 社会人にとって週40時間の研究時間の確保は至難の業で、みなさんどのように時間をマネジメントをしているのでしょうか。 私の周りにいる社会人ドクターの方は、研究内容によっていくつかのパターンに分けられ、それぞれ工夫をして時間を確保されています。

          社会人大学院の勉強時間

          社会人大学院は道楽なのか

          先日私が経営している会社の社員さんたちとの飲み会の場で、酔いが回った年配の社員さんから「お前が通っている大学院なんか道楽だ」と言われ、少し思うところがあって記事にしてみました。 私の大学院進学の想いとしては、人材定着のためのマネジメントをより深く探求し会社の発展につなげていくことですが、実務をやっている人からすると「それが何の役に立つの?」という疑問はごもっともす。 「役に立つこと」以外やらないとすると、人生なんて役に立たないことだらけですし、そもそも「役に立つ」とは?と

          社会人大学院は道楽なのか

          建設業のパワハラ文化はなくなるのか?

          建設業はどうすればパワハラ文化を脱することができるんでしょうかパワハラ体質な業界 建設業に限らないことですが、最近はハラスメントに対して社会的に非常に敏感になっています。 私自身、前職の大手ゼネコンではドラマに出てくるような形通りのハラスメントを一通り体験しました。 私の世代は、部活でも監督が選手に暴力をふるうような時代でしたので、ゼネコンのパワハラ体質も「まあそんなものかな」という感覚でした。しかし今は時代も変わり、企業としてパワハラが起きない体質の構築を真剣に考える

          建設業のパワハラ文化はなくなるのか?

          文献管理ツール:Paperpile

          論文などの文献管理ツールを色々試してみた結果、最終的に落ち着いたPaperpileの使いやすさについてご紹介ます。 色々ある文献管理ツール:Endnote, Mendeley, Paperpile論文などの文献管理ツールは色々なソフトが発売されています。 私は大学アカウントで無料利用できるEndnoteをしばらく使ってから、Mendeleyを試し、最終的にPaperpileに落ち着きました。 それぞれ良いところ悪いところがありますが、文献をコツコツ集めて一気読みすることが

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          建設業の人材定着についての研究

          神戸大学大学院経営学研究科で、建設業の人材定着について研究を進めてきました。 人材定着に関わる建設業界の課題は、大まかに分類すると行政が主導して取り組むべき課題と、企業が主導して取り組むべき課題と、企業の管理者やスタッフが取り組むべき課題に分けられるようです。 それぞれの課題はスケール感が違い、解決までに長く時間がかかるものから、従業員の意識や関係性ひとつで解決するものまで幅広いソリューションが存在してます。 行政の課題でも、企業との関わりなしには解決できませんし、企業

          建設業の人材定着についての研究

          社会人ドクターとして|はじめてのnote

          建設会社を経営しながら社会人ドクターとして学位取得を目指しています。 博士後期課程に入学してもうすぐ1年が経ちますが、今後の研究のモチベーションを維持していくために、研究への想いを少しづつnoteに残していこうと思います。 自己紹介 私は建設会社を経営をする傍らで、個人の建築設計事務所を運営しつつ、社会人ドクターとして建築学の学位取得を目指しています。 本業の会社には週に3~5日出社し、週に1~2日建築主と対面での打合せや現場管理などの設計業務を行いつつ、週に1日大学

          社会人ドクターとして|はじめてのnote