レバーレスコントローラーを改造する !(haute42に対応)
レバーレスコントローラーの
ストローク&アクチュエーションポイントの短縮について書きます。
ストロークを短くすると何が良いのか?
ストロークが短いとONの状態からOFFになるまでの距離が短くなるため、その分だけONからOFFへの切り替えが早くなります。格ゲーのメリットとしてはしゃがみ状態から立ち状態への切り替えが早くなり中段攻撃をガードしやすくなります。
アクチュエーションポイントを短くすると何が良いのか?
OFFの状態からONになるまでの距離が短くなることでボタンの反応がよくなり、とっさのボタン押し行動に影響します。
このnoteはsallyboxについて書いたものですが、
haute42のスイッチ改造にも流用できると思います。
特別な知識もいらず、簡単に改造できるので興味がある方は読んでみてください。
Sallyboxの所感(読み飛ばし可)
sallyboxを購入した経緯。
元々は旧パンテラをレバーレス化&Qanba gravity ksボタンに換装したものを愛用していました。
今でも使いやすさならコレがダントツです。
しかし、操作音がうるさいので夜中のプレイに支障が出ていました。そんなこんなで、操作音が静かな薄型レバーレスが欲しくなり、2023年の9月にSallyBox Plusを購入。
一つのボタンにLEDライトが2つ付いていること、USB差し込み口が前方と側面で2つあるのがhaute42と違う部分でお気に入りです。
一方、PCでゲームするのでほぼ関係ないのですが、パススルーアドオンのUSB差し込み口がないのだけが不満です。
到着後すぐに天板絵を改造。
しばらく天板カスタムのみでGGSTを遊んでましたが、このsallyboxなんだかやりづらい…..
具体的には、押して離す押して離すを繰り返した時のレスポンスの悪さ、次の動作に移るときの指のもたつきが気になる。
ここでOutemu ロープロファイル赤軸のスペックを確認すると
キーボード用スイッチなので市販の格ゲーボタンと比べると、総ストローク距離と接点(アクチュエーションポイント以下アクポ)が長すぎる気がする。
参考までに、
三和だとストローク約2.5mm, アクポ約0.9mm
gravity ksだとストローク約1.8mm, アクポ約0.8mm
らしいです。(gbk_pp様より引用)
どうやら市販ボタン並みのキーボードスイッチは存在しないので改造するしかないと決意。
Outemu ロープロ赤軸改造まとめ
ここからは、改造内容について書いていきます。
あくまで素人改造のため、鵜呑みは厳禁です。
改造は自己責任でお願いします。
スイッチの外し方&分解
手順
まずボタンキャップを外します。
次に付属のスイッチ外しでスイッチ上部と下部の底をしっかりと挟んで引っ張ると、バコッと音を立てて外れます。
次にスイッチの分解です。
スイッチオープナーを使うやり方もありますが、持っていないのでデザインナイフを使います。
スイッチ側面の隙間にデザインナイフの先端を差し込み、テコの原理でぐいっと持ち上げてツメを外します。片方ずつゆっくりと外してください。
勢いにまかせるとパーツが飛んでいく可能性があります。
分解したら戻せるか試しましょう。
個々にパーツの向きがあるので覚えてください。間違った向きで無理やり戻すと壊れます。
基板にスイッチをはめ直すときも注意が必要です。
スイッチのツメが左右両方しっかりハマっていることを確認してください。中途半端な状態で基板に戻そうとすると最悪抜けなくなります。
ストロークの短縮
必要なもの
・AO-1038 ミニ四駆 2mmワッシャー小 (20個)
・外径4mm内径2mm厚さ1mmのゴム製oリング
手順
oリングとタミヤのミニ四駆ワッシャーでストロークの短縮をします。
ワッシャー, oリングの順番で赤いパーツの裏から軸に通すだけです。
oリングによりスイッチが下がりきらなくなることで、ストロークを短縮でき、音も静かになります。(分解改造に自信がない方は、ボタン裏に外径8mm内径5mm厚さ1.5mmのシリコンoリングを取り付けるだけでも効果あるので試してみてください。)
アクチュエーションポイントの短縮
必要なもの
・100均のセリアにあるプラ板1.0mm、なければ0.5mm
・瞬間接着剤
・ピンセット
スイッチの透明パーツ内部にプラ板を接着することで軸が完全に戻らなくなり半押し状態が維持されるようにします。(そのためアクポ短縮と同時にストロークも同じ長さの分だけ短縮できる改造になります。)
手順
outemuロゴの反対側の四角いスペースに入る大きさに1mmの厚さのプラ板をカットし接着します。
0.5mmなら2枚重ねてください。
あとはスイッチを元に戻して完成です。
余談
実は、このoutemuスイッチは赤軸のデコっとした部分ではなく、反対側の2本足の部分が先に透明パーツと接触するストッパーの役目を担ってます。
しかしながら、改造するには難しい場所なので反対のすきまをプラ板で埋めて高さを出すことで、赤軸のデコ部分を新たなストッパーにしてます。
まさに改造するために存在するかのようなデコです。感謝
2024.4.6
0.5mmのゴムシートも追加してみました。
かなり敏感です。移動ボタンにするには暴発が怖いですが、攻撃ボタンには向いてそう。チャタリングも特に問題なし。ゴムシートの追加でさらにストロークが短縮されるので、その分ミニ四駆ワッシャーを外してます。
ばねを切断してスイッチを軽くする
重くなったスイッチを軽くするためにバネをカットします。
ここまでの改造で、スイッチ内部のバネはストロークの短縮により、デフォルトのバネよりも縮んだ状態になっています。スイッチを押すのに必要な力(押下圧)が増えている状態です。
スイッチの押下圧が大きいと指が疲れやすくなったり、コマンド入力時のもたつきに繋がります。
ばねの劣化が気になる方は、改造後の押下圧をメモしておくと後日にバネの劣化具合がチェックできると思います。
ちなみに、私は切断側をoリング側にしてます。
切断面が底だとチリチリ音がなりそうなので。
↑
2024.2.16
これ辞めた方がいいです、しばらく使っていると、バネの切断面がoリングと絡まります。
切断面を底にして、oリング側にはカットしてない部分が当たるようにしましょう。
スイッチ改造前と後の比較
無改造状態のスペックを再掲します。
一方、改造後のスイッチは
oリング&ワッシャーと接着したプラ板により、
1.3mm+1.0mmのストロークの短縮
1.0mmのアクチュエーションポイント短縮なので
ストローク: 0.7mm
接点: 0.2±0.5mm
となると思うかもしれませんが、違います。
アクポ改造の時にも説明しましたが、
本来outemuスイッチは、赤軸のデコッとした部分ではなく、反対の2本足の部分の方が透明パーツと接触するストッパーの役目を担ってます。
改造しづらい部分なのでそこは避けて、反対側にプラ板を接着してパーツ干渉を起こし、デコ部分を新たなストッパーにしてアクポ短縮させるということでした。
というわけで、透明パーツの、2本足側の高さとデコ側の高さの差が分からないとアクチュエーションがどれだけ短縮されたか算出できません。
図で説明するとこうなってます。
というわけで、アクポの短縮分 Y=1.0-X として
改造後は
ストローク: (1.7-Y)mm
接点: (1.2-Y)mm±0.5mm
になります。なんじゃそら(笑)
誰かXを調べてぜひ教えてください。お願いします。
これが分かればPWSボタンそっくりに出来るはず?(スイッチに個体差があるため、最終的に一つずつ計測必要になりますが….)
以上がOutemu low profile赤軸の改造になります。
もっと良い方法があるはずなのでこれを参考に色々試してみてください。
そしてそれを共有してもらえると有難いです。
おまけ
oリングの種類について
oリングはその素材により静音性と押し心地が変わります。
個人の感覚によりますが、こんな感じです。
押し心地は、シリコンがゴム感強め。
一方、ニトリルとフッ素は底打ち感があります。
◯と◎で優劣つけましたが、ニトリルとフッ素の差はシリコンに比べて少ないです。
静音性の比較動画はこちら
無改造ボタン、ニトリル、フッ素、シリコンの順で押してます。
私自身は移動4ボタンをニトリル、攻撃8ボタンをシリコンにしてます。
移動ボタンがニトリルの理由は、真空コマンドや覚醒コマンドの入力時に底打ちの感触と底打ち音がある方が指の感触と自分の耳で入力を確認できるからです。↓↓コマンドのような同じボタンを2回入力する時も助かります。
一方、攻撃ボタンはコマンド入力のような細かい操作を求められることが比較的少ないので、静音性を優先してシリコンにしています。
ニトリル&シリコンの組み合わせは、静音性も操作性も捨てがたい人におすすめかも?(操作が忙しいキャラだと全部ニトリルにしても変わらない気がしますが…
静音性なんて気にしない、
職場でもキーボードのEnterを
カチャカチャ………ッターンすることに快感を覚えるような人はフッ素オススメします。気持ちのいい打鍵感を得られます。
膝置きについて
もっぱらの膝置き派です。
Sallyboxをそのまま膝置きするのは厳しいので、無印良品のキャリーケース素材を使った開いて使えるPCバッグを膝置きの土台にしてます。
現在、無印良品の通販サイトからは商品ページが削除されていますが、店頭では売ってました。通常4000円が半額まで値引きされています。
在庫処分?
2000円でもたけーよって人はダイソーの300円のタブレットケースがあります。ちょっと小さいので少し股を閉じる必要はありますが…ないよりは断然マシです。
両方買えば、持ち運びの際にバッグインバッグで厳重に保護できてピッタリです。
現在(2024.4.6更新)
スイッチに
・4mm2mm1mmのoリング
・1mmプラ板でAP短縮(右手のボタンはさらに0.5mmのゴムシート追加)←new !
・バネをカット(元に戻す向きはカット部分を底に)
・ボタンキャップをパンクからコミックノイズの新ボタンキャップに変更
というわけで、現在は
移動ボタンを1mmプラ板
攻撃ボタンを1mmプラ板+0.5mmのゴムシート
で試運転中
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