本の話「軽いうつ病D氏の日常生活」

本の紹介というか感想を。

今回は「軽いうつ病D氏の日常生活」(加藤諦三 著)。サブタイトルに「読むだけで"うつ"に効く本」とあります。

「うつ病の奥にあるものは何か?」を解説して、治すための心がけについて書いてあります。

著者は、うつや悩みは「隠された怒り」に繋がっているとしています。
「隠された怒り」は理想と現実のギャップが起こった時に生まれます。この怒りを直接表現できたらよいのですが、現実はそうもいきません。すると、その怒りは姿を変えます。

「つらい」「苦しい」などの言葉として。
著者はこれらの言葉を「私はあなたが嫌い」「現実を認めたくない」「あなたが私を助けてほしい」などの意味が隠されているとしています。

また一方で、他人から認められたい、愛されたいという思いもあります。しかし、この他人には、「嫌いな相手」も含まれるというのが複雑なところ。認められたいという思いを満たすために嫌いな相手と無理して付き合う。そうすると余計にエネルギーを使う。怒りが溜まってしまう。これがまた隠された怒りとなるのです。


私が衝撃を受けたのは、「軽いうつ病」の人は恩着せがましいという意見を述べた章です。

ドアを開ける。通ろうとすると他の人が来る。「どうぞ」というと「お先にどうぞ」と譲られる。「じゃあ」お言葉に甘えて、と自分が通る。

実は密かに相手から譲られることを期待しているのです。「自分の欲求が満たされる」以外に「相手に恩を着せる」という二重の優位さを得ていると言います。逆に譲られないと密かな期待が満たされず不機嫌になります。


これは私だ。

私が良い顔をするとき、少なからず相手からの見返りを求めてしまっている。期待通りの反応が来ないと裏切られたように思うのである。勝手に期待しているから相手からすると知らないよ、って問題だけど。

で、どうして恩着せがましくなってしまうのか。理由の一つは自信のなさだと言います。この自信のなさは小さいときに「母なるもの」の愛情を十分に受けてないからだそうです。

また、この傾向は自己消滅型と呼ばれるパターンにもつながり、自己消滅型の人は他人から承認を得ようとして他人のために生きようとするといいます。その方法として、相手に苦しさをアピールして感謝されたいというのが特徴だそうです。

この自己消滅型の対策として、自分のために生きるということをこの本では紹介しています。


ぎりぎり8月中に投稿します。

夏休みの宿題って大変だなあ。







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