私の新書館推し本の話をする

前書き。記事のテーマがぶれぶれなんですけど(ブログを書くときくらいテーマという言葉から解放されたい)、伝えたいこととしては「私の推し本は『愛のマタドール』です」ということ、以上です。

ディアプラス文庫が好きだ。
新刊は欠かさず買っているし、もちろん雑誌も。よく聞く「花嫁ものは読んでて安心感があるんだよね〜」という言葉を借りるなら、私はディアプラス文庫を読んでいるときがいちばん安心する。王道だろうがそうでなかろうが、シリアスだろうがラブコメだろうが、ディアプラス文庫は絶対におもしろい。それが私の「安心」だ。センキューディアプラス文庫。愛してるよ。

そもそも私が商業BL小説よちよち歩きひよこちゃんだったころを世話してくれたのはSHYノベルスだが、その後10年以上に渡り商業BL小説のなんたるかを教えてくれたのはディアプラス文庫だ。ディアプラス文庫がなかったらいまの私はいないし、私はディアプラス文庫のことをよくわかっている――と思いたい。かつてディアプラスっぽいストーリーや雰囲気だと思ってネットにあげた創作BL小説に、サイバーパンクだと感想を書かれたことがあるのであんまり大きな顔はできないのだけれど……。まあとりあえず、ディアプラス文庫のことを愛している。

さて、私は生来のものぐさを発揮して読書記録をちっともつけていない。記憶に頼りきりで生きている。
そんなわけでこの記事を書くにあたって驚きの事実にぶちあたった。長年自分が初めて読んだディアプラス文庫は「陸王 リインカーネーション」だと思っていたのだが、ミチ先生のご本と出会った(と自分が思いこんでいた)時期と矛盾するのだ! えっっっ!?!!

画像1

陸軍将校×新聞記者、上海が舞台。もともと他レーベルから出ていた久能先生デビュー作の新装版です。
輪廻ものということで中盤はかなり悲恋色が強く、しかも上海が舞台とあってとてもお気に入り。1930年代~40年代という戦乱期を背景に、惹かれあいながらも時代に翻弄されハッピーエンドを迎えられないふたり……うっわそういうのめっちゃ好きなんやけど!?!!(微妙にネタバレしちゃったな……まあ2009年発売のもの多少のネタバレはいいやんな?) あ、ちゃんと最後はハッピーエンドです。輪廻ものやかんね。タイトルにもある「陸王」はバイクの一種らしく、陸王の存在は物語をさらにかっこいいものにしています。

この本の発売が2009年。
で。ミチ先生のデビュー作「雪よ林檎の香のごとく」発売が2008年。私が初めて読んだミチ先生のご本は「雪よ林檎の香のごとく」だったと思うんだけど、発売当初に読んだわけではないんだっけ……?
てきとーっぷりを発揮して日付すら書かれていない日記(日記としての存在価値…?)には、おそらく2009年10~12月頃であろうと推測されるあたりに、ミチ先生のご本が好きだと書かれている(タイトルすら書かれていない。一穂ミチ先生の小説はおもしろい、のみ記されていた)。ということはすくなくともこのタイミングでは何かしらを読んでいるはずなんだけど……?

雪よ

私が言うまでもなく名作。

そんなわけで最近はちゃんと読書記録をつけよう、と人生で573341525回目の決意をしている。とりあえずいままで読んできた本の記憶をすべて私の頭のなかから抽出して整理整頓しておいてほしい、セバスチャン。頼んだよ。

そして「陸王」「雪よ林檎の香のごとく」とディアプラス文庫よちよち歩きをするのと前後して(おそらく。とにかく記憶頼りなので、どこかで矛盾が起きるかもしれない。私は小説を書く上でも矛盾していないか検討する作業がとても苦手だ。怖いよねー矛盾って)、新書館より出ている三浦しをん先生の「シュミじゃないんだ」には大変お世話になった。

シュミじゃ

数々の名作はこちらのエッセイで教えてもらった。いろんな用語も。巻末に掲載されている短編もとても好みだ。
奇跡が起きてしをん先生とミチ先生が対談形式もしくは順番こでお好きな本を語るエッセイが出ないものかと、新書館のほうへ向かって祈りを捧げておこう。願望がでかすぎるな。

ここからようやく本題なんですけど、新書館推し本です。
めちゃくちゃ悩んだんやけど、私が推したいたくさんの本のなかから、ツイッターにて#新書館推し本のタグで見当たらなかったものを選びました。とか言うて私の検索不足やったらまじで申し訳ない。すみません。

はい、こちらが私の新書館推し本です!

愛の

この記事を書くために再読したんやけど、発売が2012年だったので驚いてしまった。幸い私は引き算ができないので、2012年というのは今年から9年前だという事実を認めなくて済むのですが…………2012年!?!!!

そんなわけで私がいまさら推すまでもなく大名作なのですが、私の推し本こと華藤えれな先生の「愛のマタドール」です~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!
マタドール×神学生。酒場で知り合ったユベールという男と何度かからだの関係をもった神学生の颯也は、相手にこれ以上深入りしたくないと関係を断つ。その数か月後、闘牛前に祈りを捧げるため教会にやってきたユベールと再会し、ユベールがマタドールだということを知るが――……という話なのですが、冒頭がドラマチックすぎる。最高。スペインの灼熱の太陽、ユベールの肉体美、漂う白百合の香り……と続く描写に一気に世界観に引き込まれてしまい、夢中になって読んだ覚えがあります。

そしてもちろんこちらも。

愛の4

マタドールシリーズ第3作目(としていいのか? 他レーベルから「神に弄ばれた恋」というお話が出ていて、んでディアプラスからいろいろ出ていて……詳しくはちるちるに聞いてください)、「裸のマタドール」です!!!!
元闘牛士現付き人×闘牛士。美貌の闘牛士・理央の付き人をしているレジェスは、かつて理央を弄んで捨てた男だ。レジェスが闘牛中の事故により記憶と聴覚を失ったのをきっかけに、理央が世話係として拾ったのだ。現在の優しいレジェスに惹かれながらも、闘牛界に君臨していたかつてのレジェスを忘れたくもなくて――という話です。最高です。読んでください、以上です。これは受けの理央がめっっっちゃんこかっこよくて、かっこいい受けが好きな私の好みど真ん中です。あと天才の話でもあります(急に私の性癖の話しちゃった)。

あとあとこちらも。

愛の5

こちらはオムニバス。

華藤先生のマタドールシリーズ大好きなので、もっと出てくれたら超嬉しいな~~~! よろしくお願いします。

私はいまだに「2018年12月刊はすごかった…」と思い出話を定期的にしてしまうほど2018年12月刊ディアプラス文庫およびモノクロームロマンス文庫が好きなので、そのあたりから推し本を選ぼうと思っていたんだけれど、まあ3年前の本を推すより10年近く前の本を推したほうが最近商業BL小説を読むようになったひとに「えっ、こんなおもしろそうな本あるんか!」と思ってもらえるかと思って。知らんけど。
ちなみに私がツイッターおよびスペースおよびnoteなどいろんなところで言う「2018年12月刊事件」とは、2018年のマイベストBLをおおよそ決定済みだった2018年12月12日、「ふさいで」「色悪作家と校正者の純潔」「パラスティック・ソウル endless destiny」「マーメイド・マーダーズ」の4作が発売され、(こんな人生を揺るがすほどおもろい本を年末に一気に出すってまじかよ新書館!?!!!!)と嬉しい悲鳴をあげながら超仕事が忙しい時期にマイベストをすべて組み直すハメになった…という事件です。結局私の2018年マイベスト上位10冊にこの4冊はすべて入ったので、もう本当にあのときは……これほどおもしろい本が世の中にあるという嬉しさと、せっかくだからもっとちまちま楽しみたかったという貧乏性のような気持ちとで複雑でした。
――というのが私の言う「2018年12月刊事件」です。ときどきツイッターで「2018年12月刊事件って…?」と戸惑われるので。

大好きだよディアプラス文庫~~~! これからもたくさんたくさんおもしろいご本読ませてください!


ここから全然話飛ぶけど、私こういう記事書くときいつも画像を用意してあまぞんでリンク検索して……って作業をちまちましてるんやけど、これを一発でなんとかする方法ってご存知ありませんか? アソシエイトに登録すると一発でできそうなんやけど、別にアソシエイトに登録したいわけではないんだよな……。日記の日付すら書かないような怠惰な人間に、画像を用意してうんたらかんたらってやるの大変すぎるよー!

この記事書くにあたって上記の本すべて再読したので思いのほか時間がとられました。この時間をまるっと原稿にあててたら進んだんやろうなと思うと……憂鬱になるよ……がんばろうね…………。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?