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さぁ、カミへのリベンジマッチだ~突如として神神化身にハマった日記~

いきなりくそでか主語くそでか表現で失礼するが、オタクにとって新規ジャンルにハマるというのは人生を委ねると同義だ。何かに狂うと、昨日までの私とはまったく違う私になる。今日からの私は、このジャンルを知っている私なのだと世界の真理に触れた気にすらなる。だから仕事へ行くのがいっそうつらい。職場で、昨日と地続きの仕事をすることに耐えられないのだ。だって新規ジャンルに狂った私の生きる世界が、昨日と同じ世界だなんて信じられるか? 

そんなわけで遡ること10月、私は大好きな作家・斜線堂有紀先生の未読の小説があることに気づき、手に取った。それが『神神化身』だ。どれどれ、と思いつつページをめくる。

ところで、あなたは運命の出会いを信じていますか……?(宗教)

私の読みたいものだった。私の理想がそこにあった。え、むり、好き、え? ……何……………………? 呆然としながら私はとにかく更なる履修に必要そうなものを一頻り購入した。

書籍2冊とCD4枚
ブツとして手元にほしいので買ったが、ほとんどインターネットで公開されている

10月は誕生日あるからドクターマーチンの靴買う〜❤️と数ヶ月前から宣言していたにもかかわらず、マイセルフ誕プレは突如として神神化身履修セットになった。致し方ない、私はオタクだ。そうして私の神神化身履修生活はスタートした。
※ちなみに基本的にはインターネットで読める小説を追いかければついて行けます

さて、『神神化身』はいまをときめく天才作家・斜線堂有紀先生(神)(大好き)が原作・小説を務める小説連動型和風楽曲プロジェクトだ。
ストーリーは基本的に、インターネットで連載される小説を中心に進められている。さらに人気有名ボカロPによる楽曲やボイスドラマなどが展開され、どこから入っても世界観を楽しめるつくりだ。あらすじは以下の通り。

心願叶うは、一人のみーー
「カミ」と呼ばれる存在へ「覡」と呼ばれる神職が舞や音曲を奉納することで地域の平安や願いを承認される世界。覡は各國の「舞奏社」に所属し、舞奏を行う。優れた覡を所属させることは國力の強さにも影響し、舞奏社が國の中枢を担う組織だった時代もある。覡になる為には舞の能力の他に「化身」と呼ばれる身体の印(痣)が必要とされており、覡は身体の何処かしらに「化身」がある。
三年に一度、太陰暦の閏月朔旦に行われる『大祝宴』。
それは各國の覡の力を見せる最高の舞台であり、大祝宴による舞奏を披露し、カミを喜ばせることで、あらゆる「心願」が成就する。
大祝宴の舞台である「開花舞殿」に足を踏み入れることが出来るのは、最も優れた衆二組のみ。各國の覡たちは開化舞殿に立ち入る為、舞奏競で勝利した際に得られる「御秘印」を集めていくことになるのだが……。

神神化身公式サイトより https://kamigamikeshin.jp/story

あらすじを読んでもよくわからない? つまり男たちの昼ドラです。いや、私が勝手に言っていることではなくて、公式がそう言っている。男たちの昼ドラ、みんな好きでしょ?(くそでか主語失礼)

なんせ公式は、神神化身の要素を以下のように紹介している。
幼馴染、不在、宿命のライバル、運命、執着、因縁、才能、業
す、好きなんだが〜〜〜!?!! 普段私のツイッターを見てくれているひとならご存知だと思うが、私は執着因縁才能業という単語にチョロい。さらに私は神という存在を信じたり信じなかったり崇めたり唾を吐いたりする男に弱い。
理想が完璧な形として存在するとき、人間は信仰を始めるのだと思う。私はここ最近、信仰対象を神神化身にした。好き~~~完璧すぎる~~~……!

乱暴に紹介すると、3人で1チーム組んで歌や踊りを神様に捧げ、願いを叶えてもらおうぜ!という話なのだが(本当に乱暴にまとめています)、そこは天才作家こと斜線堂有紀先生。ミステリー要素が取り入れられ、読めば読むほどわからないことが増えたり、点と点が繋がったかと思えばまた新たな謎が生まれたり……。ミステリー好きにも考察好きにもおすすめです。
また、神様に歌や踊りを捧げられるチャンスは2チームにしか与えられない。よって他のチームを蹴散らさなければいけないので、舞奏競と呼ばれるイベントがある。つまり神様に歌と踊りを捧げる前に、チームVS.チームでどっちが観客を惹きつけられるか勝負だ!(ものすごく乱暴に説明しています)ということです。
舞奏競の際には、神神化身の読者(私たち)がそれぞれのチームの楽曲動画を再生したりコメントを寄せたりし、その数量にて勝敗が決められる。勝敗によってもちろんその後のストーリーも変わる。ほぇ〜おもしろー……。本気でどこかのチームを推したいなら積極的に参加すればいいし、みーんな大好き❤️なら平等に動画を再生しておけばいい。

ところで神神化身の個人的一押しポイントは、キャラクターたちの好きな本が明言されていることだ。読書好きなら「わ、わかる!」とか「はぁ〜んなるほど…(解釈が深まる)」などの楽しみ方ができる。

たとえば、私の推しチーム・闇夜衆くらやみしゅう

天才たちの集まったチームで、最初はバチバチしていたわりに
最近は全員が「闇夜衆だーいすき」になっていてひたすらかわいい

そしてその闇夜衆に所属する皋所縁さつきゆかり

元名探偵で現在は自称失格探偵兼闇夜衆の一員
同じく闇夜衆の一員・昏見有貴のバーで烏龍茶の烏龍茶割をいつも飲んでるよ!

なんと彼の好きな本は、はやみねかおるの「そして五人がいなくなる」なのだ。
わ、わかるーー…………。二次元キャラクターの「好きな本」に、これほど深く共感を揺さぶられることがあるだろうか。
神神化身はわりとファンタジーな世界線だが、はやみねかおると青い鳥文庫は存在する。斜線堂先生によると皋所縁は都会トムと怪盗クイーンも好きで、ダレン・シャンも読んでいるらしい。最高。皋所縁はこの読書遍歴を経て、かつては実際に探偵として活躍していたのだが、探偵になった彼に待っていたものはーー……おっと、ここは読んでほしいな。
皋所縁の初めての宮部みゆきは青い鳥文庫の「ステップファザー・ステップ」だったんじゃないかなとか、「ミミズクと夜の王」読んでそうだなとか、新本格好きだろうなとか、私は彼の読書遍歴の捏造に勤しむ日々だ。

皋所縁と同じチームを組んでいるのが、天才・萬燈夜帳まんどうよばり

好きな本は「月と6ペンス」 現在は覡として活躍しているが、小説家としての一面も持つ。
書き直しを一回も行わずに完成原稿を提出できる力の持ち主だようらやましいね!

と天才肌・昏見有貴くらみありたか

好きな本は「怪盗ニック登場」 覡として活躍するかたわらバーを営む。
ある日とっておきのレシピ・烏龍茶の烏龍茶割のレシピを教えてくれた。
烏龍茶と烏龍茶を1:1で割るらしい、いがーい!

昏見有貴は元怪盗で、元探偵である皋所縁とはあれこれあった仲だ。怪盗と探偵。私も皋所縁と同じく青い鳥文庫育ちなので、この関係にはどうしたってときめく。昏見有貴と皋所縁のペアを、私は勝手に青い鳥ペアと呼んでいる。

チームは他に、ストーリーのメインを張る櫛魂衆くししゅう

戦隊もので言うとレッドみたいな位置づけだが、
レッドと呼ぶには因縁や友情がこじれきっている。好き

神神化身履修開始当初は櫛魂衆のメンバーである九条比鷺くじょうひさぎ(絵左)に転がり落ちそうになったが、あまりにも自己承認欲求のベクトルと強さが私と似通っていたため、彼にハマるのは強い意志でブレーキをかけている。共感しすぎて、傲慢な理解を振りかざした愛し方をしてしまいそうで怖い。読んでいて比鷺が出てくると太ももに爪を立てるようにしている。好き、になりたくない。そう思ったときにはすでに好きになっているのが相場だけれど

神神化身を読み始めて数日目のツイート

そして第二部から出てくる、水鵠衆みずまとしゅう
(神神化身の小説には第一部と第二部があり、かんたんにいうと第一部が櫛魂衆VS.闇夜衆で第二部が水鵠衆VS.御斯葉衆だ)

自称九尾の狐でフェイクファーの耳をつけているキャラがいたり、
ミネラルウォーターでお風呂を入れてしまったりするキャラがいる。好き
かわいい担当

最後に、私の性癖にいっちばんぶっ刺さる、御斯葉衆みしばしゅうがいる。

化身(かんたんに言うと才能の証)至上主義の天才と、
自分の才能を手放したかった天才と、
主人の才能に執着する従者で構成されている。
は? 好き………………

斜線堂せんせい曰く、御斯葉衆は「才能と人生」がテーマのひとつとしてあるらしく、つまり私が好きなやつ。いっちばん性癖に刺さる。御斯葉衆のことを考えて興奮しすぎたあまり一気に体調を悪化させ、かかりつけのお医者さんに「過度な興奮はやめなさい」と窘められた。むり。好き。

私にとっては大変幸福なことに、とにかくこのジャンルは才能の話が始まる。才能に満たされているキャラ、才能をうとましく思っているキャラ、才能がすべてだと思っているキャラ、才能がなくても努力でカバーしようと考えているキャラ、とにかくあらゆる才能の話が存在するのだ。才能の話を吸いたいときは神神化身を読んでおけば間違いない。

ちなみに各チームの活動する場所は、モデルとなった街がある。

私は炎の蜃気楼生まれミラージュツアー(聖地巡りのこと)育ちなので、この手厚さはありがたい限りである。

神神化身はプロジェクトが開始しておよそ2年経つが、ネットで公開されている小説を読んで、ニコニコ動画もしくはyoutubeでほとんど配信している楽曲やボイスドラマを聴けばついていける。気楽だ。私は自分のペースで履修できないのが苦手で、ここ最近はぼけっとしている間に配信期間を終えてしまうアニメや、イベントを走らないとストーリーを読めないソシャゲに手を出しては勝手に疲れることの繰り返しだった。
それに私は小説ジャンルのオタク(さらに言うならば小説の地の文に狂うオタク)なので基本的には小説を読んでいたい。でも小説って(ジャンルにもよるが)どれだけハマっても続編は出にくいし同士は見つけにくいし……。小説がアニメ化されたりドラマCDになったりすれば希望はあるが、おおよそ私の場合、1冊の本と作者の裏話ツイート数件をこすって生き延びることが多い。つらい。
でもなんと神神化身なら! 小説×和風楽曲プロジェクトなので、私の「小説を読みたい」を叶えつつも様々な方面から楽しませてくれるのだ!!

魅力的なキャラクター、謎や伏線が多く二転三転するストーリー、履修のハードルがとても低いこと、聖地巡りしやすい環境、ストーリーを小説で追えること、何より私の大好きな才能の話をたっぷりしてくれる……私の求めていたものだ~!!!!!!!!!!!!! ハッピー!!!!!!!!!!!

こんなに……こんなに満たされてしまっていいのだろうか!? これこそ私の求めていたものだ。理想のジャンルだ。はぁ~~~こんな……大好き、一生推すーー……!

まだよくわかってない時期のツイートなので、
プロジェクト終了をサービス終了と履き違えてます

そうーー……わりとずぶずぶに沼ってから、すでにプロジェクト終了が決定していることを知った。私が今から歌と踊りを磨き、各所を蹴散らし、神様に奉納し、願いを叶えてもらうしかない。叶う願いが、願いなものかーー……。


作中の画像は神神化身公式ツイッター(@kamigami_keshin)より


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