見出し画像

ガチ解説!~Sakula式~第35回介護福祉士国家試験全解説!


株式会社Sakula
干泥 信隆

はじめまして、株式会社Sakulaの干泥です。

私は日本で働く外国人介護士の支援を中心に主に関東にて活動しています。
介護業界をより良いものにしていきたいという思いで、日々介護士の皆さんと関わらせていただいております。

本書は、介護福祉士国家試験の各問題に関する回答と解説をまとめたものです。Sakula式の独自のアプローチにより、試験対策が効率的に行えるようになっております。ただし、著作権の都合上、問題文のみ記載しておりません。実際の問題集は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのHP(https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html)よりチェックできます。ご自身で受けられた試験の問題集、若しくはこちらのHPより問題集をお手元に準備しながらご活用いただければと思います。

私は、介護業界のブランドイメージを向上させるためには、介護の専門性を高めることが重要であると考えています。この本は、国家試験を突破し、現場での専門性を向上させることを目指しています。また、実際の現場で役立つ知識やスキルも盛り込まれていますので、試験対策だけでなく、実務にも活用できる内容となっております。

本書を活用し、介護福祉士国家試験に自信を持って挑み、現場での専門性を向上させることができるよう、皆様の成功を心からお祈り申し上げます。


※こちらはブログ形式の為、少々読みづらいかもしれません。

そういった方のために、アマゾンにて電子書籍版もございますので、ぜひご活用ください。

https://amzn.asia/d/3cXSHIs

ガチ解説! ~Sakula式~ 第35回介護福祉士国家試験 全解説!


Kindle Unlimitedの方は全て無料で読むことが出来ます。


では本編に行ってみましょう!


目次


「第35回 介護福祉士国家試験」午前の部


<領域:人間と社会>


【人間の尊厳と自立】



問題 1

最も適切なものは、

「 4 福祉用具の活用は、利用者と相談しながら進める」

です。

利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護実践では、利用者のニーズや意向を尊重し、個別性に応じた支援を行うことが重要です。福祉用具を活用する際にも、利用者の希望や生活状況に合わせて適切なものを選ぶため、利用者との相談やコミュニケーションが必要です。

それぞれの選択肢について説明します:

1 日常生活動作の向上を必須とする:向上が困難な場合もあり、利用者の状況や希望に応じて柔軟に対応することが重要です。

2 利用者の主観的評価では、介護福祉職の意向を重視する:利用者の主観的評価を重視するべきです。

3 介護実践は、家族のニーズに応じて行う:家族のニーズも考慮するべきですが、利用者のニーズや意向を最優先に考慮するべきです。

5 価値の基準は、全ての利用者に同じものを用いる:個々の利用者に合わせた価値基準を設定することが重要です。



問題 2

最も適切なものは、

「3 一緒に交通経路や会場内の状況を確認する」

です。

Aさんがコンクールに参加するために、安心して移動できる環境を整えることが重要です。介護福祉職は、Aさんと一緒に交通経路や会場内の状況を確認し、移動や排泄時の介助が円滑に行われるようサポートすることが適切です。

それぞれの選択肢について説明します:

1 合唱コンクールへの参加を諦めるように話す:Aさんの希望や自主性を尊重し、可能な限りサポートするべきです。

2 合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える:仲間に支援を依頼するのも一つの方法ですが、介護福祉職としてまずは自分がサポートできる範囲を確認することが適切です。

4 合唱コンクールに参加するかどうかは、母親に判断してもらうように促す:Aさんの自主性を尊重し、本人の意向を優先することが重要です。

5 日常生活自立支援事業の利用を勧める:この選択肢はAさんの直接の問題に対処するものではなく、他の選択肢と比較して最も適切とは言えません。


【人間関係とコミュニケーション】


問題 3

適切なものは、

「2 トラブルの原因に働きかけて解決しようとする」

です。

問題焦点型コーピングは、ストレスの原因となる問題に直接対処し、状況を変えることを目指す対処方法です。選択肢2は、ストレスの原因(トラブル)に対して積極的に働きかけ、問題を解決しようとする行動を示しています。

それぞれの選択肢について説明します:

1 趣味の活動をして気分転換する:これは感情焦点型コーピングの一例で、ストレスを感じる感情に対処する方法です。

3 運動して身体を動かしストレスを発散する:これも感情焦点型コーピングの一例で、ストレス感情を緩和する方法です。

4 好きな音楽を聴いてリラックスする:これも感情焦点型コーピングで、リラックスしてストレス感情を緩和する方法です。

5 「トラブルも良い経験だ」と自己の意味づけを変える:これは再評価コーピングであり、ストレス状況に対する見方や評価を変える方法です。



問題 4

最も適切なものは、

「 3.自分から進んで自己紹介をした」

です。

信頼関係の形成に向けて、まずは自己紹介を通じて自分と相手を理解し合うことが重要です。介護福祉職は、自分から進んで自己紹介を行い、安心感を与えることで、Bさんとの信頼関係を築く第一歩となります。

それぞれの選択肢について説明します:

1.自発的な関わりをもつことを控えた:信頼関係を築くためには、積極的に関わることが重要です。

2.真正面に座って面談をした:真正面に座ることは、相手に圧迫感を与えることがあるため、適切ではありません。斜めや横に座る方が、よりリラックスした雰囲気でコミュニケーションができます。

4.終始、手を握りながら話をした:手を握ることは、場合によっては相手に不快感を与える可能性があるため、適切ではありません。

5.孫のような口調で語りかけた:孫のような口調で話すことは、相手を子供扱いする印象を与えることがあるため、適切ではありません。対等な立場で、丁寧な言葉遣いでコミュニケーションを取ることが重要です。



問題 5 

最も適切なものは、

「4.来客者用の駐車スペースを確保する」

です。

PDCAサイクルは、プラン(Plan)、ドゥ(Do)、チェック(Check)、アクション(Action)の4つのステップからなります。アクションは、問題に対して具体的な改善策を実行する段階です。選択肢4は、違法駐車に対する具体的な改善策である来客者用の駐車スペースを確保することを示しています。

それぞれの選択肢について説明します:

1.近隣への騒音の影響について調べる:これはプラン(Plan)に該当します。問題を理解するための情報収集です。

2.苦情を寄せた住民に話を聞きに行く:これもプラン(Plan)に該当します。問題の詳細や原因を理解するための情報収集です。

3.夏祭りの感想を利用者から聞く:これはチェック(Check)に該当します。実施した夏祭りの評価を行うための情報収集です。

5.周辺の交通状況を調べる:これもプラン(Plan)に該当します。問題の背景や原因を理解するための情報収集です。



問題 6

最も適切なものは、

「3.先輩職員が移乗の介護に同行して指導する」

です。

OJT(On the Job Training)とは、職場で実際の仕事を通じて行われる実践的な教育・研修のことです。選択肢3は、先輩職員が移乗の介護に同行し、実際の現場で指導を行うことを示しており、OJTに適しています。

それぞれの選択肢について説明します:

1.専門書の購入を勧める:これは自己学習の一形態であり、OJTではありません。

2.外部研修の受講を提案する:これは職場外での研修であり、OJTではありません。

4.職場外の専門家に相談するように助言する:これは職場外での相談であり、OJTではありません。

5.苦手な移乗の介護は控えるように指示する:これは技術向上を目指すOJTの目的に反する指示であり、適切ではありません。




【社会の理解】


問題 7

正しいものは、

「5.社会福祉協議会」

です。

社会福祉協議会は、社会福祉法に基づいて設立された都道府県や市町村における地域福祉の推進を目的とする団体です。彼らは地域社会の福祉ニーズに対応し、福祉サービスの向上や支援活動を行っています。

それぞれの選択肢について説明します:

1.特定非営利活動法人(NPO法人):これは非営利の法人であり、地域福祉活動を行うことができますが、社会福祉法に基づく団体ではありません。

2.憐保館:これは選択肢として不適切です。

3.地域包括支援センター:これは高齢者支援を目的とした施設であり、社会福祉法に基づく団体ではありません。

4.基幹相談支援センター:これは障害者支援を目的とした施設であり、社会福祉法に基づく団体ではありません。



問題 8

最も適切なものは、

「5.地域共生社会」

です。

地域共生社会は、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方を示しています。

それぞれの選択肢について説明します:

1.ナショナルミニマム(national minimum):これは社会的に最低限保障されるべき生活水準を表しており、地域共生社会の考え方そのものではありません。

2.バリアフリー社会:これは障害者や高齢者が利用しやすい環境を提供することを目指す考え方であり、地域共生社会の一部分を含むが、全体的な概念ではありません。

3.介護の社会化:これは介護サービスが社会全体で担われるようになることを目指す考え方であり、地域共生社会の一部分を含むが、全体的な概念ではありません。

4.生涯現役社会:これは高齢者が健康で活力を持ち続け、社会参加を継続できる社会を目指す考え方であり、地域共生社会の一部分を含むが、全体的な概念ではありません。



問題 9

最も適切なものは、

「2.社会保障制度を、 社会保険、 国家扶助、 公衆衛生及び医療、 社会福祉で構成」

です。

1950年(昭和25年)の社会保障制度検討会による「社会保障制度に関する勧告」は、我が国の社会保障制度の基本的な枠組みを示しており、それは社会保険、国家扶助、公衆衛生及び医療、社会福祉の4つの柱で構成されています。

それぞれの選択肢について説明します:

1.生活困窮者自立支援法の制定の提言:これは、より具体的な法律の提言であり、1950年の勧告の全体的な概念ではありません。

3.介護保険制度の創設の提言:これは、1990年代に導入された制度であり、1950年の勧告とは直接関係ありません。

4.保育所の待機児童ゼロ作戦の提言:これは、より具体的な政策提言であり、1950年の勧告の全体的な概念ではありません。

5.介護分野におけるICT等の活用とビッグデータの整備:これは、現代の技術を用いた取り組みであり、1950年の勧告とは直接関係ありません。



問題 10

正しいものは、

「1 介護保険の保険者」

です。

要介護状態区分の変更を申請する場合、家族はまず介護保険の保険者(通常は市区町村の役所)に申請を行います。その後、保険者は要介護認定審査会を経て要介護認定を行い、介護状態が変化していることが確認された場合、新たな要介護区分が決定されます。

それぞれの選択肢について説明します:

2 後期高齢者医療広域連合:後期高齢者の医療費を支援する組織であり、要介護認定とは関係ありません。

3 介護保険審査会:要介護認定の審査を行う組織ですが、申請は保険者に行われます。

4 国民健康保険団体連合会:国民健康保険の運営を行う組織であり、介護保険の要介護認定とは関係ありません。

5 運営適正化委員会:この選択肢は、介護保険の要介護認定とは関係のない組織です。



問題 11

最も適切なものは、

「4. 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す」

です。

Fさんは聴覚障害があるため、口頭での説明は理解しづらいです。試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡すことにより、Fさんに情報を適切に伝えることができます。

それぞれの選択肢について説明します:

1 受験時間を延長する:聴覚障害がある場合、時間の延長は必ずしも適切な配慮ではありません。

2 試験問題の文字を拡大する:視覚障害がある場合に適切な配慮ですが、Fさんは聴覚障害があるため、この配慮は適切ではありません。

3 テキストの持ち込みを許可する:Fさんに直接的な支援にならない可能性があります。

5 問題を読み上げる:Fさんは聴覚障害があるため、問題を読み上げることは役に立たないでしょう。



問題 12

適切なものは、

「4. 社会的障壁の除去」

です。

障害者基本法の改正(2011年(平成23年))は、「障害者権利条約」の批准に向けて、障害者の権利と福祉の向上を目指すために行われました。この改正により、障害者が社会参加を果たす上での社会的障壁の除去が法律上に規定されました。

それぞれの選択肢について説明します:

1 自立支援医療(精神通院医療)の開始:これは障害者基本法改正とは別の事項です。

2 共同生活援助(グループホーム)の制度化:これも障害者基本法改正とは別の事項です。

3 成年後見制度の創設:これは障害者基本法改正より前に創設された制度です(2000年(平成12年)に成年後見法が施行されました)。

5 東京2020パラリンピック競技大会の開催:この大会は障害者の権利や福祉に関連していますが、障害者基本法の改正とは直接関連がありません。



問題 13

適切なものは、

「1 支給申請」

です。

解説:

障害者総合支援法の介護給付を利用する際に、利用者が最初に市町村に行う手続きは、「支給申請」です。支給申請を行うことで、利用者は障害者総合支援法に基づくサービスや支援を受けるための手続きを開始します。

2.認定調査 - 支給申請後、市町村が行う手続きの一部であり、利用者自身が行う最初の手続きではありません。認定調査は、利用者の障害の程度や支援の必要性を判断するために行われます。

3.審査会の開催 -この選択肢は関係がないため、適切な手続きではありません。

4.障害支援区分の認定 - 支給申請後、市町村が行う手続きの一部であり、利用者自身が行う最初の手続きではありません。障害支援区分の認定は、利用者の障害の程度や必要な支援を評価し、適切なサービスが提供されることを保証します。

5.サービス等利用計画の作成 - 支給申請と障害支援区分の認定が終わった後に、利用者とサービス提供事業者が協力して作成する計画です。これは最初に行う手続きではありません。



問題 14

最も適切なものは、

「2. 利用者の負担能力に応じて負担する」

です。

「障害者総合支援法」において、居宅介護の利用者負担は、利用者の所得や負担能力に応じて決定されます。これにより、経済的な困難を抱える利用者にも適切な支援が提供されることを目指しています。

それぞれの選択肢について説明します:

1 利用したサービスの種類や量に応じて負担する:サービスの種類や量は、負担額に影響を与える要素の一部ですが、最も重要な要素は利用者の負担能力です。

3 利用したサービス費用の一定の割合を負担する:一定の割合を負担するという考え方は、介護保険法に基づく介護サービスにおいて適用されますが、「障害者総合支援法」では適切ではありません。

4 利用したサービス費用の全額を負担する:「障害者総合支援法」の目的は、利用者が経済的負担を軽減して適切な支援を受けられるようにすることです。全額負担は適切ではありません。

5 利用者は負担しない:一部の利用者は免除される場合がありますが、全ての利用者が負担しないわけではありません。



問題 15

最も適切なものは、

「4. 個人情報を第三者に提供するときは、 原則として本人の同意が必要である」

です。

「個人情報保護法」は、個人情報の取り扱いに関する基本的なルールを定めた法律です。第三者への個人情報の提供については、原則として本人の同意が必要とされています。

それぞれの選択肢について説明します:

1 電磁的記録は、 個人情報には含まれない:電磁的記録に含まれる個人情報も、個人情報保護法の対象となります。

2 マイナンバーなどの個人識別符号は個人情報ではない:個人識別符号(例:マイナンバー)は、個人情報として扱われます。

3 施設職員は、 実習生に利用者の生活歴などを教えることは一切できない:適切な範囲内での情報共有が必要な場合がありますが、個人情報保護法に基づく取り扱いが必要です。

5 自治会長は、 本人の同意がなくても個人情報を入手できる:自治会長も個人情報保護法の適用を受け、本人の同意がない場合には個人情報を入手できない限定された状況を除いて入手できません。



問題 16

最も適切なものは、

「4. 虐待を発見した養介護施設従事者には、 通報する義務がある」

です。

「高齢者虐待防止法」は高齢者虐待の防止や高齢者の養護者に対する支援を規定した法律です。養介護施設従事者が虐待を発見した場合、法律に基づいて通報する義務があります。

それぞれの選択肢について説明します:

1 虐待が起こる場として、 家庭、 施設、 病院の3つが規定されている:法律は虐待が起こる場について具体的に規定していませんが、家庭、施設、病院での虐待が問題とされています。

2 対象は、 介護保険制度の施設サービス利用者とされている:対象は、すべての高齢者であり、介護保険制度の施設サービス利用者に限定されません。

3 徘徊しないように車いすに固定することは、 身体拘束には当たらない:適切な理由や方法がない場合、車いすに固定することは身体拘束に当たり、虐待とみなされる可能性があります。

5 虐待の認定は、 警察署長が行う:虐待の認定は、主に地域包括支援センターや市町村が行います。警察署長が認定するわけではありません。



問題 17

最も適切なものは、

「1. 地域包括支援センターで、介護保険サービスの情報を得ることを勧める」

です。

Gさんは母親に認知症が疑われるようになり、これからも二人で暮らし続けたいと考えています。そのため、地域包括支援センターで介護保険サービスの情報を得ることを勧めるのが適切です。地域包括支援センターは、高齢者やその家族が必要な支援やサービスについて相談できる場所であり、介護保険サービスや要介護認定の手続きなどに関する情報提供や支援を行っています。

それぞれの選択肢について説明します:

2 Gさんが正規に雇用されるように、ハローワークに相談に行くことを勧める:Gさんの就労状況も重要ですが、母親の介護が最優先の問題となっています。

3 Gさんの発達障害について、クリニックで適切な治療を受けることを勧める:Gさん自身の発達障害の治療も重要ですが、現状では母親の介護が最優先の問題です。

4 母親に、介護老人福祉施設を紹介する:Gさんは母親と一緒に暮らし続けたいと考えているため、この選択肢は適切ではありません。

5 母親に、精神科病院への入院を勧める:母親に認知症が疑われるため、精神科病院への入院ではなく、適切な介護保険サービスや支援が必要です。



問題 18

最も適切なものは、

「1. 最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる」

です。

生活困窮者自立支援法は、生活に困窮している人々に対して支援を提供することを目的とした法律です。この法律は、生活の最低限度を維持できないおそれのある人々を対象に、生活支援、就労支援、教育支援などを提供しています。

それぞれの選択肢について説明します:

2. 自立を図るために就労自立給付金が支給される:この法律では、就労自立給付金ではなく、生活支援や就労支援を提供します。

3 疾病がある者には、医療費が支給される:この法律では、医療費の支給ではなく、生活支援や就労支援が提供されます。

4 子どもへの学習支援は、必須事業とされている:この法律では、子どもへの学習支援は含まれていますが、必須事業とは位置付けられていません。

5 最終的な、「第3のセーフティーネット」と位置づけられている:生活困窮者自立支援法は、最終的なセーフティーネットではありません。この法律は、生活保護法などの他の制度と連携して、生活困窮者の支援を行っています。


【こころとからだのしくみ】


問題 19

最も適切なものは、

「4. 円熟型」

です。

ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型では、円熟型は積極的に社会活動に参加し、多くの趣味や友人関係に満足している人々を指します。Hさんは一人暮らしでありながら、隣人と共に社会活動に積極的に参加し、多くの趣味や友人関係に満足しているため、円熟型に相当すると考えられます。

それぞれの選択肢について説明します:

1 自責型: 自分自身に厳しく、他人からの評価を気にする性格を指します。Hさんは友人関係に満足しており、他人からも良い評価を受けているため、自責型には当てはまりません。

2 防衛型(装甲型): 自分を守るために心の壁を作り、他人との関係を遠ざける性格を指します。Hさんは社会活動に積極的で友人関係に満足しているため、防衛型には当てはまりません。

3 憤慨型: 不満や怒りを感じやすく、他人に対して攻撃的な態度を取る性格を指します。Hさんは友人関係に満足しており、他人からも良い評価を受けているため、憤慨型には当てはまりません。

5 依存型(安楽いす型): 他人に頼りがちで、自分で問題を解決する意欲が低い性格を指します。Hさんは社会活動に積極的であり、多くの趣味や友人関係に満足しているため、依存型には当てはまりません。



問題 20

最も適切なものは、

「1. 視覚野」 

です。

大脳の後頭葉にある主な機能局在は視覚野です。視覚野は視覚情報の処理を行います。

それぞれの選択肢について説明します:

2. 聴覚野: 聴覚情報の処理を行う部分で、側頭葉に位置しています。

3 運動野: 筋肉の動きを制御する部分で、前頭葉に位置しています。

4 体性感覚野: 体の感覚情報を処理する部分で、頭頂葉に位置しています。

5 感覚性言語野(ウェルニッケ野): 言語の理解を行う部分で、側頭葉に位置しています。



問題 21

最も適切なものは、

「3. 大腿四頭筋」

です。

立位姿勢を維持するための抗重力筋は、体重を支え、骨盤を安定させるための筋肉です。大腿四頭筋は、膝関節を伸展させることで立位姿勢を維持する重要な筋肉です。

それぞれの選択肢について説明します:

上腕二頭筋: 肘関節の屈曲を行う筋肉で、立位姿勢維持には直接関与していません。

大胸筋: 肩関節の内転や前方への挙上を行う筋肉で、立位姿勢維持には直接関与していません。

僧帽筋:首や肩甲骨の動きを支える筋肉で、立位姿勢維持には関与しますが、大腿四頭筋ほど重要ではありません。

三角筋: 肩関節の外転や前後の挙上を行う筋肉で、立位姿勢維持には直接関与していません。



問題 22

最も適切なものは、

「1. うつ状態」

です。

廃用症候群(disuse syndrome)は、身体的・精神的・社会的な機能が低下し、活動の機会が減少することで、様々な健康問題が引き起こされる状態です。うつ状態は、廃用症候群に関連する精神的な問題として起こりうるものです。

それぞれの選択肢について説明します:

2. 高血圧: 廃用症候群と直接関連はありませんが、運動不足やストレスなどの要因により発生する可能性があります。

3 関節炎: 運動不足により関節周囲の筋肉が衰えることで、関節への負担が増える可能性がありますが、廃用症候群と直接関連はありません。

4 徘徊: 認知症などの症状による行動であり、廃用症候群とは直接関連がありません。

5 下痢: 消化器系の問題であり、廃用症候群と直接関連はありません。



問題 23

最も適切なものは、

「4. 仙骨部」

です。

褥瘡(床ずれ)は、長時間の圧迫によって血流が妨げられ、組織が壊死してしまう状態です。褥瘡は、骨が皮膚に近い部位や、体重がかかる部位で発生しやすいため、仙骨部は褥瘡の好発部位となります。

それぞれの選択肢について説明します:

1 側頭部: 褥瘡が発生する可能性はありますが、仙骨部ほど好発部位ではありません。

2 頸部: 一般的に褥瘡の好発部位ではありません。

3 腹部: 一般的に褥瘡の好発部位ではありません。

5 足趾部: 褥瘡が発生する可能性はありますが、仙骨部ほど好発部位ではありません。



問題 24

最も適切なものは、

「3. 歯周病(periodontal disease) 」

です。

歯周病は、歯周ポケット内の細菌が増殖し、歯の周囲の組織を破壊する炎症性疾患です。この細菌の増殖によって、悪臭を発する物質が生成され、口臭の原因となります。

それぞれの選択肢について説明します:

1 唾液の増加: 唾液は口腔内を清潔に保つ役割があり、唾液の増加は通常、口臭の原因とはなりません。

3 義歯の装着: 適切なケアが行われていない場合、義歯は口臭の原因となる可能性がありますが、歯周病ほど一般的な原因ではありません。

4 顎関節症(temporomandibular joint disorder): 顎関節症は、顎関節や咬筋の痛みや不快感を引き起こす疾患ですが、通常は口臭の原因とはなりません。

5 低栄養状態: 低栄養状態は、免疫力の低下や唾液の分泌減少を引き起こし、口臭の原因となる可能性がありますが、歯周病ほど一般的な原因ではありません。



問題 25

最も適切なものは、

「2. 座位姿勢の調整」

です。

Jさんは首が後屈した姿勢で食事をし、むせることが多くなっているため、座位姿勢の調整が重要です。適切な姿勢で食事をすることで、嚥下が容易になり、誤嚥のリスクが減少します。

それぞれの選択肢について説明します:

1 食事回数の調整: 食事回数の調整は、栄養摂取やエネルギー消費の面で重要ですが、誤嚥リスクの対策としては最初の対応としては適切ではありません。

3 使用食器の変更: 使用食器の変更は、食事のしやすさに影響を与える可能性がありますが、姿勢が原因の誤嚥リスクに対しては最初の対応としては適切ではありません。

4 食事の量の調整: 食事の量の調整は、摂取カロリーや栄養バランスに影響を与えますが、誤嚥リスクの対策としては最初の対応としては適切ではありません。

5 食事場所の変更: 食事場所の変更は、環境によるストレスや集中力に影響を与える可能性がありますが、姿勢が原因の誤嚥リスクに対しては最初の対応としては適切ではありません。



問題 26

最も優先すべきものは、

「5. 摂取している水分の形状」

です。

脱水予防には、適切な水分摂取が重要です。高齢者の場合、固形物からの水分摂取が困難になることがあります。そのため、摂取している水分の形状(例えば、お茶や水、ゼリー状の飲料など)を確認し、適切な水分摂取ができているかどうかを最優先で確認することが重要です。

それぞれの選択肢について説明します:

1 義歯の装着状態: 義歯の装着状態は食事の摂取に関係しますが、脱水予防に直接関係はありません。

2 上肢の関節可動域: 上肢の関節可動域は、自分で飲み物を持つ能力に影響しますが、脱水予防の最優先事項ではありません。

3 睡眠時間: 睡眠時間は、健康全般に影響を与えますが、脱水予防の最優先事項ではありません。

4 夜間の咳込みの有無: 夜間の咳込みは、呼吸器疾患や誤嚥などの症状を示すことがありますが、脱水予防の最優先事項ではありません。



問題 27

正しいものは、

「5. 横行結腸」

です。

消化管の順序に従って、便の生成過程では、上行結腸の次に内容物が横行結腸を通過します。横行結腸は、大腸の一部で、上行結腸から下行結腸につながる部位です。以下に大腸の構造の順序を示します。

1 盲腸(虫垂が付属しています)
2 上行結腸
3 横行結腸
4 下行結腸
5 S状結腸
6 直腸
7 肛門

便は、大腸を通過することで水分が吸収され、固まっていきます。その後、直腸に移動し、最終的に肛門から排出されます。



問題 28

最も適切なものは、

「2. 翌朝まで作用が残ることがある」

です。

解説:

高齢者の睡眠薬使用に関して、翌朝まで作用が残ることがあることは最も適切な記述です。高齢者の場合、薬物の代謝が遅くなることがあるため、睡眠薬の効果が持続し、翌日の日中にも影響を与える可能性があります。これにより、注意力低下や転倒のリスクが高まることがあるため、注意が必要です。

それ以外の選択肢については以下のようになります。

1 依存性は生じにくい。
→ 睡眠薬には依存性があるものも多く、特に高齢者の場合は注意が必要です。

3 食事後すぐの服用が望ましい。
→ 食事後すぐの服用は、薬物の吸収が遅れることがあるため、一般的には推奨されません。医師の指示に従って服用することが重要です。

4 アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。
→ アルコールと睡眠薬を一緒に服用すると、効果が増強されたり、副作用が強くなることがあります。そのため、アルコールと一緒に飲むことは避けるべきです。

5 転倒の原因にはならない。
→ 睡眠薬は、特に高齢者の場合、転倒のリスクが高まることがあります。翌朝まで作用が残る場合、注意力低下やふらつきが生じることがあり、転倒の原因となることがあります。



問題 29

最も適切なものは、

「2. グリーフ(grief)」 

です。

解説:

大切な人を亡くした後に見られる寂しさやむなしさ、無力感などの精神的反応や、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的反応を表すものとして、最も適切な言葉は「グリーフ(grief)」です。グリーフは、喪失や死別を経験した際に生じる自然な反応であり、悲しみや憤り、後悔などの感情や、身体的な症状が伴うことが一般的です。

それ以外の選択肢については以下のようになります。

1 認知症(dementia)
→ 認知症は、記憶、思考、判断力などの認知機能が低下する症状を指します。これは、喪失に対する反応とは関係がありません。

3 リビングウィル(living will)
→ リビングウィルは、病気やけがで意思を伝えられなくなった場合に、自分の医療に対する意思を事前に記した文書のことです。これも喪失に対する反応とは無関係です。

4 スピリチュアル(spiritual)
→ スピリチュアルは、人間の精神的側面や魂、信仰などを指す言葉であり、喪失に対する反応そのものを表す言葉ではありません。

5 パニック障害(panic disorder)
→ パニック障害は、突然の恐怖や不安を伴うパニック発作が繰り返し起こる精神疾患です。喪失に対する反応としては、特定されていません。



問題 30

最も適切なものは、

「5. 喘鳴」

です。

解説:

死が近づいているときの身体の変化として、最も適切なものは「喘鳴」です。喘鳴は、呼吸が浅くなり、無意識的に口や喉を開け閉めする音を指します。これは、死が近づいているときに一般的に見られる現象で、終末期の患者にしばしば観察されます。

それ以外の選択肢については以下のようになります。

1 瞳孔の縮小
→ 死が近づいた際、瞳孔は逆に拡大することが一般的です。

2 筋肉の硬直
→ 筋肉の硬直は死後現象の一つである死後硬直を指します。死が近づいている間には、筋肉の硬直は一般的ではありません。

3 発汗
→ 発汗は、死が近づいているときに見られることがある現象ですが、喘鳴と比較して、死が近いことを特徴付ける現象としては適切ではありません。

4 結膜の充血
→ 結膜の充血は、目の周りの血管が拡張し、赤くなる現象です。これは、感染やアレルギー、眼圧の上昇など様々な原因で起こることがありますが、死が近づいていることを特徴付ける現象としては適切ではありません。


【発達と老化の理解】


問題 31 

最も適切な用語は、

「4. 社会的参照」

です。

解説:

Kさんの行動を説明する用語として最も適切なものは「社会的参照」です。社会的参照とは、不安や恐怖を感じる状況において、子どもが保護者や親しい大人の反応を見て自分の行動を決定することを指します。この場合、Kさんは格子柄と透明な板との境目で怖がり、母親の顔を見て安心を求めました。母親が穏やかにほほ笑んだことで、Kさんは母親の方に近づく勇気が出たのです。

それ以外の選択肢については以下のようになります。
1 自己中心性
→ 自己中心性は、子どもが自分の視点しか理解できず、他人の視点を理解できない状態を指します。この場合には関係ありません。

2 愛着理論
→ 愛着理論は、子どもと保護者との間に形成される情緒的なつながりに関する理論です。Kさんの行動は愛着に関連していますが、愛着理論自体はKさんの行動を説明する用語ではありません。

3 向社会的行動
→ 向社会的行動は、他人と協力し、共感し、助け合うような行動を指します。この場合には関係ありません。

5 原始反射
→ 原始反射は、新生児期に見られる無意識的で自動的な反応を指します。Kさんの年齢や行動とは関係ありません。



問題 32

適切なものは、

「5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。」

です。

解説:
コールバーグの道徳発達理論では、道徳的判断が3つのレベル(計6つの段階)に分かれるとされています。

前律的レベル(Pre-conventional)
1-1. 罰を回避する。 (罰と服従の段階)
1-2. 損得で判断する。 (個人的報酬の段階)

律的レベル(Conventional)
2-1. 多数意見を重視して判断する。 (親和性、多数の意見の段階)
2-2. 権威に服従する。 (法と秩序の段階)

後律的レベル(Post-conventional)
3-1. 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。 (社会契約の段階)
3-2. 普遍的な倫理原則に従って判断する。 (普遍的倫理原則の段階)

最も高い発達の段階を示すものは、「5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。」であり、これは後律的レベルの第1段階である「社会契約の段階」を指します。この段階では、人々が自分自身や他人の権利や平等性を尊重し、社会の利益を最大化するための契約に従って判断します。



問題 33

最も適切なものは、

「1 生後3か月」

です。

解説:

標準的な発育をしている子どもの体重が出生時の約2倍になる時期は、「生後3か月」です。成長のペースは個人差がありますが、一般的には生後3か月頃に出生時の体重が2倍になるとされています。

2.生後6か月 - この時期では、体重は出生時の約2倍を超え、約2.5倍になることが一般的です。

3.生後9か月 - この時期では、体重は出生時の約3倍に近づくことが一般的です。

4.1歳 - 1歳の時点では、体重は出生時の約3倍になっていることが一般的です。

5.2歳 - 2歳の時点では、体重は出生時の約4倍になっていることが一般的です。



問題 34

最も適切なものは、

「2 悲しい気持ちを語る。」

です。

解説:

 ストローブとシュトによる悲嘆のモデルでは、喪失志向のコーピングは、死別による喪失に直接向き合い、その感情や状況に対処する方法を指します。悲しい気持ちを語ることは、喪失に直面し、感情を表現することで、悲嘆のプロセスを進める方法です。一方、回復志向のコーピングは、喪失からの回復や新しい生活への適応を目指す方法で、問題の選択肢1、 3、 4、 5は回復志向のコーピングに該当します。



問題 35

最も適切なものは、

「5 意味記憶」

です。

解説:

加齢の影響を受けにくい認知機能は意味記憶です。意味記憶は一般的な知識や事実、言葉の意味などを含む記憶の種類で、これは長期記憶の一部です。加齢によって認知機能が低下する中でも、意味記憶は比較的安定しているとされています。

一方、エピソード記憶(1)、作業記憶(2)、選択的注意(3)、流動性知能(4)は、加齢の影響を受けやすい認知機能です。特に、エピソード記憶や作業記憶は、高齢者が日常生活で問題を抱えることが多い機能です。選択的注意は、特定の情報に注意を向けながら、無関係な情報を無視する能力であり、加齢によって低下しやすいです。流動性知能は、新しい問題を解決するための論理的思考や推論能力を指し、これも加齢とともに低下することが一般的です。



問題 36

最も適切なものは、

「3 尿の濃縮力が低下する。」

です。

解説: 

高齢期において、腎臓の働きが低下し、尿の濃縮力が低下します。これは、腎臓の機能が衰えることで、尿を濃縮する能力が弱まるためです。高齢者は水分調節がうまくいかず、脱水状態になりやすくなることがあるため、注意が必要です。

1番は適切ではありません。高齢者は、尿路感染症を起こしやすくなることがあります。

2番は適切ではありません。腎盂腎炎の主な症状は、高熱、腰痛、頻尿、排尿痛などです。

4番は適切ではありません。前立腺肥大症では、尿道の圧迫により、排尿困難や頻尿、尿量の減少、残尿感などが主な症状です。

5番は適切ではありません。高齢者では、薬物が排出される時間は、むしろ長くなることが一般的です。これは、腎機能の低下によって薬物の排泄速度が遅くなるためです。



問題 37

最も適切なものは、

「2 女性のほうが男性より罹患率が高い。」

です。

解説:

 変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗が起こり、関節の痛みや変形が生じる病態です。女性のほうが男性より罹患率が高いとされています。これは、女性のホルモンの影響や、女性の関節の形状が変形性膝関節症になりやすい形であることが一因とされています。

1番は適切ではありません。変形性膝関節症は、内反型の脚の変形を伴うことが多いです。

3番は適切ではありません。患部を冷やすのではなく、温熱療法(温める)が効果的であることが多いです。

4番は適切ではありません。正座は膝関節に負担をかけるため、変形性膝関節症の進行を促進する可能性があります。適切な姿勢や膝への負担を軽減する生活習慣を勧めるべきです。

5番は適切ではありません。肥満のある人には、階段の利用を適度にすることが良いですが、積極的に階段を利用しすぎると膝への負担が増える可能性があります。適切な運動やダイエットを勧めることが重要です。



問題 38

最も適切なものは、

「5 体重が減ることがある。」

です。

解説:

高齢者は脱水になると、体内の水分量が減少し、それに伴って体重が減ることがあります。

1番は適切ではありません。高齢者は若年者よりも口渇感を感じにくくなるため、水分補給が十分に行われないことが脱水の原因となることがあります。

2番は適切ではありません。高齢者は若年者に比べて、体内水分量が少なくなります。加齢により筋肉量が減少し、脂肪組織が増加するためです。

3番は適切ではありません。高齢者は起立性低血圧になりやすく、起立時に血圧が下がりやすいです。脱水はこの状態をさらに悪化させることがあります。

4番は適切ではありません。高齢者でも下痢が脱水の原因となることがあります。特に、長期間の下痢や繰り返す下痢は、脱水症状を引き起こすことがあります。


【認知症の理解】


問題 39

適切なものは、

「2 普及啓発・本人発信支援」

です。

解説:

2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱において、5つの柱が設けられています。それらは以下の通りです。

早期発見・早期対応
普及啓発・本人発信支援
地域における支援体制の構築
医療・介護・福祉の連携強化
研究開発及び人材確保

この中で、適切なものは2番の「普及啓発・本人発信支援」です。これは、認知症についての理解を深めるための啓発活動や、本人や家族が自分たちの声を発信できるような支援が含まれます。他の選択肢は、具体的な施策や取り組みであっても、5つの柱そのものではありません。



問題 40

最も適切なものは、

「1 私たちが今いるところはどこですか」

です。

解説:

見当識障害は、自分がいる場所、時間、状況に対する認識が正確でない状態を指します。質問1「私たちが今いるところはどこですか」は、患者の場所に対する認識を評価するための質問であり、最も適切な質問です。

他の選択肢は以下の通りです。

2: 集中力や注意力を評価する質問

3: 短期記憶能力を評価する質問

4: 図形の複製能力を評価する質問

5: 運動機能や指示理解能力を評価する質問

これらは見当識障害に関する質問ではありません。



問題 41

最も適切なものは、

「2 本人の不安から生じることが多い。」

です。

解説:

もの盗られ妄想は、アルツハイマー型認知症の患者が、自分の持ち物が盗まれたと信じ込む現象です。この妄想は、患者の不安や混乱から生じることが多いです。認知症の進行によって記憶や認識が低下し、自分がどこに物を置いたのか覚えていないことが原因で、物が盗まれたと感じることがあります。

選択肢の他の記述は以下の通りです。

1: 説明をしても、認知症の患者は自分の考えの誤りに気づくことが難しい場合が多い。

3: 現実に存在しない人が犯人とされることもあるが、現実の人物が犯人とされることもある。

4: もの盗られ妄想は、幻視ではなく、記憶や認識の低下が主な原因である。

5: 症状の予防や治療には、抗精神病薬ではなく、認知症治療薬や環境調整、適切なコミュニケーションが重要である。ただし、妄想が強くなり患者の生活に支障をきたす場合には、抗精神病薬が使用されることもある。



問題 42

最も適切なものは、

「3 抗凝固薬の使用はリスクとなる。」

です。

解説:

慢性硬膜下血腫は、脳と硬膜の間に血腫が形成される病態で、しばしば高齢者に見られます。抗凝固薬の使用は、出血のリスクが高まるため、慢性硬膜下血腫の発症リスクとなります。

選択肢の他の記述は以下の通りです。

1: 慢性硬膜下血腫は、運動機能障害を引き起こすことがあります。

2: 頭蓋骨骨折を伴うこともあるが、必ずしも骨折が原因ではありません。

4: 慢性硬膜下血腫は、転倒や軽度の外傷の後、数週間から数か月で発症することが多い。

5: 保存的治療が効果的である場合もありますが、症状が重篤である場合や脳圧が上昇している場合には、外科的治療が第一選択となることがあります。



問題 43

最も適切なものは、

「4 生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」

です。

解説:

日常生活自立支援事業は、高齢者が自立した生活を送るために、身の回りのサポートや生活支援を提供する制度です。生活支援員は、買い物や料理、家事、通院の付き添い、家賃や光熱費の支払い手続きなど、高齢者の生活をサポートする役割を果たします。選択肢4は、この制度の目的に沿った説明です。

選択肢の他の記述は以下の通りです。

1: 家庭裁判所は、成年後見制度の受付窓口であり、日常生活自立支援事業とは異なる。

2: 年金の振込口座変更は別の手続きであり、日常生活自立支援事業の説明ではない。

3: Lさんが契約内容を理解できない場合、成年後見制度を検討する必要がある。これは日常生活自立支援事業とは異なる。

5: 国民健康保険団体連合会は、保険料の受付窓口であり、日常生活自立支援事業とは関係がない。



問題 44

正しいものは、

「4 「立つ」とは、立位をとる機会を作ることである。」

です。

解説:

ユマニチュードは、認知症の人に対するケアの技法であり、人間性を尊重し、心身の能力を最大限に引き出すことを目指しています。ユマニチュードは、12の要素から構成されており、「立つ」はその一つです。立位をとる機会を作ることで、自立支援や心身の機能向上に繋がります。

その他の選択肢については以下の通りです。

1: 「見る」は、目を合わせて相手に関心を示すことです。

2: 「話す」は、穏やかで自然な声で話しかけることです。

3: 「触れる」は、適切な強さで優しく触れることです。

5: 「オートフィードバック」はユマニチュードの概念ではなく、自己評価や自己調整のプロセスを指す一般的な用語です。



問題 45

最も適切なものは、

「1 ステップアップ講座を受講した認知症サポーターには、チームオレンジヘの参加が期待されている。」

です。

解説:

認知症サポーターは、認知症の人とその家族を支援するための役割を担う人々です。ステップアップ講座を受講した認知症サポーターは、チームオレンジと呼ばれる地域支援チームに参加し、さらに活動の幅を広げることが期待されています。

その他の選択肢については以下の通りです。

2: 認知症サポーターは、800万人を目標に養成されている。

3: 認知症サポーターは、認知症サポート養成講座の一環で養成されており、認知症介護実践者等養成事業とは別のプログラムです。

4: 認知症サポーターは、一般市民が認知症の人とその家族を支援するための役割を担っており、認知症ケア専門の介護福祉職ではありません。

5: 認知症サポーターの養成講座は、主に地域や民間団体が実施しており、国が直接実施主体となって行っているわけではありません。



問題 46

最も適切なものは、

「3 認知症(dementia)の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れをまとめたものである。」

です。

解説:

認知症ケアパスは、認知症の人の状態やニーズに応じた適切なサービス提供の流れを示したもので、認知症ケアの質を向上させるために利用されます。医療、介護、予防、地域支援など多様なサービスが組み合わされており、関係者が連携してサポートを行うことが重要です。

その他の選択肢については以下の通りです。

1: 認知症ケアパスは、地域や施設などで作成されるもので、都道府県ごとに作られるものではありません。

2: 認知症ケアパスは、介護保険制度の地域密着型サービスではなく、認知症ケアの適切なサービス提供の流れを示すものです。

4: レスパイトケアは、家族介護者に一時的な休息や支援を提供するためのサービスであり、認知症ケアパスとは異なります。

5: 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、個別の介護計画を立案し、サービス提供を調整する役割を担いますが、認知症ケアパス自体はケアマネジャーが中心に作成するものではありません。認知症ケアパスは、地域や施設などで作成され、関係者が連携してサポートを行うことが重要です。



問題 47

最も適切なものは、

「3 認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。」

です。

解説:

認知症ライフサポートモデルは、認知症の人が自分らしい生活を継続できるように、その人本人の自己決定を支えることを目的としています。このモデルでは、医療、介護、予防、地域支援などの多様なサービスが連携し、その人に合った支援が行われます。

その他の選択肢については以下の通りです。

1: 各職種が単独で目標を設定するのではなく、連携して認知症の人の支援を行うことが重要です。

2: 認知症ライフサポートモデルは、終末期に限定された介入モデルではなく、認知症の人が自分らしい生活を継続できるよう支援するモデルです。

4: 生活を介護サービスに任せるプランではなく、認知症の人が自分らしい生活を継続できるよう支援することが目的です。

5: 認知症ライフサポートモデルは、施設入所を促すことを目的としているわけではなく、認知症の人が自分らしい生活を継続できるよう支援することが目的です。施設入所がその人にとって最適な選択であれば検討されることもありますが、それだけが目的ではありません。



問題 48

最も適切なものは、

「5 手続き記憶」

です。

解説:

記憶にはいくつかの種類がありますが、Mさんの裁縫に関する記憶は「手続き記憶」と呼ばれるものです。手続き記憶は、長期記憶の一部で、身体的な技能や習慣的な行為を学習し、記憶する能力です。例えば、自転車の乗り方や裁縫の仕方など、身につけた技能が手続き記憶に含まれます。

その他の選択肢については以下の通りです。

1: 作業記憶は、短期的に情報を保持し、同時にそれを加工する機能です。例えば、電話番号を覚えてダイヤルする際の記憶です。

2: 展望的記憶は、未来の予定やタスクを記憶する能力です。例えば、明日の予定や買い物リストを思い出すことが展望的記憶にあたります。

3: 短期記憶は、情報を一時的に保持する記憶です。短期記憶は容量が限られており、情報は数秒から数分間保持されます。

4: 陳述記憶は、事実や出来事に関する知識を記憶する能力です。例えば、歴史的な出来事や自分の経験に関する情報が陳述記憶に含まれます。


【障害の理解】



問題 49

最も適切なものは、

「1 個人の特性や強さを見つけて、それを生かす支援を行うこと。」

です。

解説:

 ストレングス(strength)の視点に基づく利用者支援は、個人の強みや長所を重視し、それを活用することで利用者の自立や向上を促す支援の方法です。このアプローチでは、個人の特性や能力を見つけ出し、その強さを生かすような支援を提供します。それにより、利用者が自信を持ち、より良い生活を送ることができるようになります。

その他の選択肢は、ストレングスの視点とは異なる支援方法や目標に関連しています。



問題 50

最も適切なものは、

「 3 自分で意思決定をして生活する。」

です。

解説:

1960年代のアメリカにおける自立生活運動(IL運動)は、障害者が自分で意思決定を行い、自分らしい生活を送ることができるようになることを目指しています。この運動は、障害者が自分の人生について自主的に選択し、社会に参加することを重視しています。選択肢1、 2、 4、 5は、IL運動に関連しているものの、最も適切な表現ではありません。



問題 51

最も適切なものは、

「4 心理的虐待」

です。

解説:

障害者虐待防止法において、障害者に対する著しい暴言は、心理的虐待に分類されます。心理的虐待とは、言葉や態度によって相手の心に傷をつける行為であり、暴言や脅迫、侮辱などが含まれます。

以下は、それぞれの障害者虐待の類型についての説明です。

1.身体的虐待: 障害者に対して、体に直接的な傷害を与える行為です。殴る、蹴る、つねるなどが含まれます。

2.放棄・放置: 障害者の介護や保護を必要とする状況で、適切なケアや支援をしないで放置する行為です。

3.性的虐待: 障害者に対して、性的な行為を強要する、または不適切な性的行為を行うことです。

5.経済的虐待: 障害者の資産や経済的な利益を不当に搾取する行為です。盗む、だまし取る、経済的な依存関係を利用するなどが含まれます。



問題 52

最も適切なものは、

「5 障害に対する価値観を転換し、 積極的な生活態度になる。」

です。

解説:

上田敏の障害受容のモデルは、障害者が障害を受け入れる過程を示すモデルであり、以下の5つの段階があります。

1.ショック期 - 受傷直後であり、混乱や恐怖が支配的。

2.否認期 - 障害の状態を否認し、自分には関係ないと考える。

3.調整期 - リハビリテーションによって機能回復に取り組む。

4.底なし期 - 障害のため何もできないと捉え、自己否定的な態度をとる。

5.受容期 - 障害に対する価値観を転換し、積極的な生活態度になる。

受容期は、障害を受け入れ、自分の障害と向き合い、障害を持っている自分を受け入れ、積極的な生活態度をとる段階です。



問題 53


適切なものは、

「3 頸髄損傷(cervical cord injury)」

です。

解説:

四肢麻痺を伴う疾患や外傷の中で、頸髄損傷(cervical cord injury)が最も適切です。頸髄損傷は、頸部の脊髄が損傷されることによって、四肢の感覚・運動機能に影響が出ることがあります。これは、頸部の脊髄が上肢と下肢の神経を制御しているためです。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

1.右脳梗塞 - 主に左半身の麻痺を引き起こします。

2.左脳梗塞 - 主に右半身の麻痺を引き起こします。

4.腰髄損傷 - 主に下半身の麻痺を引き起こします。

5.末梢神経損傷 - 特定の神経が損傷された場所に応じた局所的な麻痺を引き起こします。



問題 54

最も適切なものは、

「1 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。」

です。

解説:

学習障害は、知能が正常範囲であるにも関わらず、読む、書く、計算するなどの基本的な学習スキルの習得に困難がある状態を指します。これは、脳の情報処理機能に特定の問題があるために起こります。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

2. 注意力が欠如している - ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴の1つです。

3.じっとしているのが難しい - ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴の1つです。

4.脳の機能に障害はない - 学習障害は脳の情報処理機能に問題があるため、この記述は正しくありません。

5.親のしつけ方や愛情不足によるものである - 学習障害は、遺伝や脳の発達に関連する問題に起因することが多く、親のしつけ方や愛情不足とは直接関係ありません。



問題 55

最も適切なものは、

「2 連動失調」

です。

解説:

Aさんの症状は脊髄小脳変性症によるもので、これは主に小脳が損傷されることにより引き起こされます。小脳は運動の調整やバランスの維持に関与しており、連動失調はその機能障害によって現れる症状です。Aさんの手が震える、身体がふらつく、発語が不明瞭などの症状は、連動失調によるものと考えられます。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

1.運動麻痺 - 筋肉の力が完全に失われる状態で、主に運動神経系の損傷によるものです。
3.関節拘縮 - 関節の動きが制限される状態で、主に筋肉や腱の硬直によるものです。

4.筋萎縮 - 筋肉の大きさや力が減少する状態で、神経や筋肉の損傷によるものです。

5.筋固縮 - 筋肉が持続的に収縮する状態で、神経系の損傷によるものです。



問題 56

最も適切なものは、

「5 Bさん自身が物事を決め、実行できるように関わる。」

です。

解説:

統合失調症を持つBさんが就労を考えるようになった場合、介護福祉職はBさん自身が意思決定し、実行できるように支援することが重要です。これにより、Bさんの自立や自己決定能力を尊重し、持続可能な支援が行えます。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

1.あいまいな言葉で説明する - サポートの際には、具体的で分かりやすい言葉を使って説明することが望ましいです。

2.代理で手続きを進める - Bさんの自立を促すため、できるだけBさん自身が手続きを進めることが望ましいです。

3.介護福祉職が正しいと考える支援を行う - Bさんの意見やニーズを尊重し、その上で適切な支援を提案することが重要です。

4.Bさんに意欲をもつように強く指示する - Bさんの意欲や自発性を無理に引き出すのではなく、自然に促すような支援が望ましいです。



問題 57

最も適切なものは、

「3 地域の社会資源の開発」

です。

解説:

この事例では、Cさんの母親が発達支援やショートステイを利用したいと考えているものの、市内に該当する事業所が存在していないという問題が発生しています。このような地域におけるサービスの不足を解決するために、市(自立支援)協議会は地域の社会資源を開発し、必要なサービスが提供される環境を整える役割を果たすことが期待されます。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

1.困難な事例や資源不足についての情報の発信 - これも重要ですが、直接的な解決策ではありません。

2.権利擁護に関する取り組みの展開 - 権利擁護は大切ですが、このケースではサービスの不足が課題であり、権利擁護だけでは解決できません。

4.構成員の資質向上 - 構成員の資質向上は重要ですが、サービスの不足を直接解決するものではありません。

5.基幹相談支援センターの運営評価 - 運営評価は大切ですが、このケースではサービスの不足が課題であり、運営評価だけでは解決できません。



問題 58

最も適切なものは、

「5 相談支援専門員が、サービス担当者会議を開催する。」

です。

解説:

Eさんは脳梗塞を発症し、退院後に自宅で生活することになりました。Eさんのケースでは、多職種連携による支援が必要です。そのため、相談支援専門員が関わることが適切です。

相談支援専門員は、障害者が適切なサービスを受けられるように、サービス提供者や関係機関と連携し、利用者のニーズに応じた支援を提供します。そのため、サービス担当者会議を開催し、Eさんに関わる関係者が一堂に会して情報共有や連携を図ることが、最も適切な役割です。

1.介護支援専門員(ケアマネジャー) - 彼らは主に要介護認定を受けた高齢者の介護サービス計画を作成する役割がありますが、Eさんの場合は障害福祉サービスが対象です。

2.医師 - 要介護認定に関わる意見書の作成は医師の役割ですが、Eさんのケースでは障害福祉サービスが対象であり、要介護認定は関係ありません。

3.基幹相談支援センターの職員 - 彼らは障害者の権利擁護や相談支援を提供しますが、Eさんのケースでは、多職種連携による支援が重要です。

4.地域包括支援センターの職員 - 彼らは要介護認定や介護サービスの調整を行いますが、Eさんの場合は障害福祉サービスが対象です。


<領域:医療的ケア>


【医療的ケア】



問題 59

正しいものは、

「3 滅菌物には、有効期限がある。」

です。

解説:

滅菌はすべての微生物を死滅させるプロセスであり、滅菌された物には有効期限があります。保管状況によっては、微生物の再汚染が起こる可能性があるため、有効期限を設定することが重要です。

それ以外の選択肢については以下の通りです。

1.消毒は、すべての微生物を死滅させることである - 消毒は、病原性のあるほとんどの微生物を減少させるプロセスですが、すべての微生物を死滅させるわけではありません。それは滅菌の定義です。

2.複数の消毒液を混ぜると効果的である - 消毒液を混ぜることは推奨されず、むしろ危険であり、効果が低下したり、有害な化合物が生成される可能性があります。

4.家庭では、熱水で滅菌する - 家庭での熱水消毒は、一部の微生物を減少させますが、真の滅菌効果を達成することはできません。

5.手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる - 次亜塩素酸ナトリウムは消毒剤として使用されますが、一般的に手指消毒にはアルコールベースの消毒剤が推奨されます。



問題 60

最も適切なものは、

「1 胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。」

です。

解説:

成人の正常な呼吸状態では、胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしています。これは、呼吸器系が適切に機能していることを示しています。それ以外の選択肢については以下の通りです。

2.ゴロゴロとした音がする - これは異常な呼吸音であり、気道の狭窄や痰の存在を示唆しています。

3.爪の色が紫色になっている - 紫色の爪は、末梢循環の低下や酸素不足を示しており、健康な成人では見られません。

4.呼吸数が1分間に40回である - 成人の正常な呼吸数は、通常1分間に12〜20回です。1分間に40回は過呼吸であり、異常な状態を示しています。

5.下顎を上下させて呼吸している - 下顎を上下させて呼吸するのは、呼吸困難の兆候であり、正常な呼吸ではありません。



問題 61

最も適切なものは、

「2 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。」

です。

解説:

喀痰吸引の前の準備において、利用者への吸引の説明は吸引のたびに行うことが重要です。これにより、利用者が安心して処置を受けることができ、理解を深めることができます。その他の選択肢については以下の通りです。

1.医師の指示書の確認は、初回に一度行う - 医師の指示書は、吸引を行う都度確認する必要があります。

3.腹臥位の姿勢にする - 喀痰吸引の際、通常は利用者を高位座位(セミファウラー位)や側臥位にすることが適切です。

4.同室の利用者から見える状態にする - 利用者のプライバシーを守るため、喀痰吸引は他の利用者から見えない状態で行うべきです。

5.利用者に手指消毒をしてもらう - 喀痰吸引を行う前に、介護者自身が手指消毒を行うことが重要です。利用者に手指消毒をしてもらうことは、この文脈では適切ではありません。



問題 62

最も適切なものは、

「4 口から食べなくても口腔ケアは必要です」

です。

解説:

胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点として、口から食事を摂取していなくても口腔ケアが必要であることが最も適切です。口腔ケアは、口腔内の清潔さを保ち、細菌の繁殖を抑え、口腔内感染症のリスクを低減します。

他の選択肢については以下の通りです。

1.「日中は、ベッド上で過ごします」 - 胃ろうであっても、利用者の状態に応じて日中は椅子に座ったり、適切な活動を行うことができます。

2.「夜寝るときは、上半身を起こした姿勢で寝ます」 - 胃ろう利用者は、逆流性食道炎や誤嚥性肺炎のリスクを減らすために、上半身を起こした姿勢で寝ることが推奨されますが、この選択肢は説明として適切ではありません。

3.「便秘の心配はなくなります」 - 胃ろう栄養であっても、便秘のリスクはあります。適切な水分摂取や食物繊維を含む栄養バランスの良い食事、適切な運動が便秘予防に重要です。

5.「入浴は清拭に変更します」 - 胃ろうがあっても、利用者の状態や担当医の指示に応じて入浴が可能な場合があります。清拭に変更する必要は必ずしもありません。



問題 63

最も優先すべきものは、

「5 誤嚥を防ぐために顔を横に向けた。」

です。

解説:

Fさんが嘔吐している状況で、最も優先すべき対応は誤嚥を防ぐために顔を横に向けることです。これにより、嘔吐物が気道に入るのを防ぎ、窒息や誤嚥性肺炎のリスクを減らします。

他の選択肢については以下の通りです。

1.室内の換気を行った - 換気は重要ですが、最優先すべき対応ではありません。

2.ベッド上の嘔吐物を片付けた - まずは利用者の安全を確保することが最優先です。

3.酸素吸入を行った - Fさんは意識があるため、酸素吸入は最優先ではありません。ただし、呼吸が困難である場合には、看護職員が到着するまでの応急処置として検討されることがあります。

4. 心臓マッサージを行った - Fさんは意識があるため、心臓マッサージは必要ありません。

この状況では、誤嚥を防ぐために顔を横に向けることが最も優先すべき対応です。その後、看護職員が到着し、適切な対処法を行います。

~休憩タイム~

ここまで解説書を読んでくださった皆さま、お疲れ様です。

午前の部が終わりましたね。

試験勉強って、本当に大変ですよね。でも、今は辛いかもしれませんが、その先には素晴らしい未来が待っています。あきらめずに、一歩一歩進んでいきましょう!

試験勉強の合間には、ちょっとした休憩も必要です。気分転換に、お気に入りの音楽を聴いたり、好きな飲み物を飲んだりして、リフレッシュしましょう。

たとえ試験で失敗してしまったとしても、それはあなたが努力した証です。失敗から学び、また次に向けて頑張りましょう。あなたには、介護福祉士としての素晴らしい未来が待っています。

では、リフレッシュ出来たら午後の部にいきましょう!



「第35回 介護福祉士国家試験」 午後の部


<領域:介護>


【介護の基本】


問題 64

適切なものは、

「3 煮物を調理するとき、 利用者に好みの切り方を確認してもらった。」

です。


解説:


ここから先は

28,368字

¥ 550

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?